新潮文庫 「桜島・日の果て」所収。
昭和二十四年
黄色い日日の黄色とは黄疸(おうだん)である。
最近では聞かなくなった気がする病名だが、戦後の
ころには多かったようだ。
蜆(しじみ)が効くようで、ここでも蜆が登場する。
知り合いにそそのかされてか、強盗して、その顛末の
処理する様、闘鶏の話など、すべてが病んでいる。
それは栄養不良からくる病なのか。人々に正常とは
ほど遠いものを感じる。ときに、それは悪であったり、
それに類する事柄なのだろう。
人々は混乱し、憔悴し、辟易している。
まったく、人として生きるのが困難な社会でひとは
ひととして生きて行くことの模索をしている。
梅崎氏を読んで思ったのは、最近の作家の文章力のなさ、
単純さ故のアホらしさだろう。まるでバカが書いたようで
あると思われても仕方のないことなのかもしれない。
でも、我々は我々で、それでも取り敢えずは頑張っては
いるのですよ、春生様。
(読了日 2024年11・21(木)0:47)
(鶴岡 卓哉)
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