映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

バタフライ・エフェクト

2007年03月25日 | 映画(は行)

またまた、ついでなのでタイム・スリップで、いきましょう。

バタフライ・エフェクトとは・・・
ある場所で蝶が羽ばたくと、地球の反対側で竜巻が起こる。
初期条件のわずかな違いが将来の結果に大きな差を生み出す・・・というようなことだそうです。

この作品では、意識だけが過去へ飛びます
そこでは,過去の少年の自分に,未来の大人の意識が入り込んでいる。
つまり,その時点での自分の行動で,未来,すなわち自分の意識のある世界を変えることができる,ということ・・・。
ほんの少しのチョウが羽ばたくくらいの変化が,人の生死や性格までもを大きく変えることになるります。
自分の愛する人を幸せにしたいと,何度も過去を修正するのですが,何度やってもとんでもない方向へ未来が変わってしまいます。
しかも、どれも結構悲惨。
こんな風に人生を何度もやり直せたらいいのに、と、思わなくもありませんね。
けれど、必ずしもいい方向に行かないというのも真実なのでしょう。


さて、変化して,消えてしまった「現在」は何処へ行ってしまったのでしょう・・・?
これぞ,SFでいう多元宇宙というものでしょうか。
ということは、やはりどこかで悲惨な状況は続きっぱなしということ?
それもこわい。


さて,「映画史上もっとも切ない,ハッピーエンド」というのがこの映画のウリです。
本当にその通りでした。
最後に彼が選んだ方法とは・・・?
愛する人を守るため・・・。かっこよくも切ないのでした・・・。
私は、これを劇場で観たのですが、
DVDには、別バージョンのエンディングが入っているというではありませんか
これはぜひ観なければ。
うーん、でも、この終わり方しかないでしょう、と思うのですが、どんなもんかな?

バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション [DVD]
アシュトン・カッチャー,エイミー・スマート,エリック・ストルツ
ジェネオン エンタテインメント
バタフライ・エフェクト

2004年/アメリカ
監督:エリック・ブレス、J・マッキー・グラバー
キャスト:アシュトン・カッチャー、エイミー・スマート、エリック・ストルツ


ジャケット

2007年03月25日 | 映画(さ行)

この、題名「ジャケット」は、身体拘束衣のことです。精神病患者などに使う、体の自由を奪うためのもの。
先日の「デジャブ」に触発されまして、タイムスリップものを観てみました。
ここでは怪しげなマシンも何もなく、ただ、主人公のジャックが特殊な状況に置かれた場合にのみ15年先の世界を訪れることになるのです。
その状況というのは・・・
ジャックは、身に覚えのない殺人の罪で犯罪者専用の精神病院に送り込まれます。
そこで、ベッカー医師の実験的治療を受けることになります。
それは治療というよりも、拷問に近いもの。
身体拘束衣で、身動きも出来ないまま、地下の死体安置室の狭い引き出しに入れられてしまう、というものでした。湾岸戦争での経験や巻き込まれた殺人事件のフラッシュバックの記憶の断片が暗闇に浮かび上がり、想像を絶する恐怖。
ふと気づくと、自分はあるところにぽつんと立ち尽くしている。
何とそこは、15年先の未来・・・。
そこで、彼は、自分が後4日で命を落とすという事実を知ってしまうのです。
引き出しを出されるとまた、過去の自分に戻っている。
そんな方法で、何度か過去と未来を行き来するのですが、
その後の彼の4日間の行動が、15年後の未来を変えることになる


全体的に、暗く悲惨な状況が続きます。
それが、ラスト10分、
まるで寒く長かった冬の後にぽっかりと春の日差しが注ぎ込む、
そんな感じで、別の未来が待っています。
そういえば、舞台はずっと凍てついた冬でした。
このラストのために、この映画はあったのだ・・・。
満足、満足。

主役のエイドリアン・ブロディは「戦場のピアニスト」や、「キング・コング」でおなじみです。彼の個性的マスクは、なかなか忘れられるものではありません。
恋人役となるのはキーラ・ナイトレイ
彼にとっての「現在」では、ジャッキーという少女ですが、15年後は美しく成長した、キーラ・ナイトレイ登場、ということになっています。この2人が交互に出てくるのも、なかなか見せ場です。ジャックが少女のジャッキーを見守る視線が、なんともいえずいいんだなあ・・・。

サスペンス、ラヴ・ロマンス、SF、ミステリ融合の楽しめる作品です。

ジャケット
ジャケット [DVD]
マッシー・タジェディン
松竹ホームビデオ

2005年/アメリカ/103分
監督:ジョン・メイプリー
キャスト:エイドリアン・ブロディ、キーラ・ナイトレイ、クリス・クリストファーソン