映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

アメリア 永遠の翼

2011年05月27日 | 映画(あ行)
夢を追う、永遠の翼を持った女性



          * * * * * * * *

伝説の女性飛行士アメリア・イヤハートの物語。
彼女は1927年のリンドバーグに続き、
1928年女性として初めて単独で大西洋横断に成功しました。
まだ100年にも足らない過去の出来事ですが、
本当はパリを目指したのに、着いたのはアイルランド・・・。
まだまだ飛ぶのも目視が頼り。
こんな状況ですから、すばらしい業績には違いありません。
そもそも飛行機自体がまだ珍しい時代なのでしょう。
この華々しい偉業は世界の人々を魅了します。
それは夫ジョージの助力のおかげでもあります。
アメリアはとにかく飛ぶのが大好きで、挑戦するのも大好き。
ジョージの求婚に、「私は自由でいたい」と戸惑いを見せる。
当時はまだ「結婚」は夫に縛られ、家庭に縛られることを意味していたのですね。
そうでなくなったのはつい最近のことか・・・。
けれども、そのように空を駆け回る彼女を愛したからこその求婚であったわけです。
結婚式では「夫に従う」という誓いの言葉を省いたとか。
おや、この話をつい最近聞きました。
先日の英国ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式でも
この誓いは省かれたとか、テレビでやっていたなあ。
というか、最近は普通省いているのでしょうね。
結婚の意味は徐々に変化してきているというわけです。
アメリアはその先駆けなんですね。


ところで、世界を飛び回りたいという思いはあっても、何しろお金がかかります。
そこで資金集めに奮闘する夫ジョージ。
アメリアは本を書いたり、講演をしたり、CMに出たり。
今ならさしずめ、あちこちのTV局のトーク番組やバラエティ番組に出突っ張り
というところでしょう。
お金の集まる仕組みは今とそう変わらないようです。
中にはお金儲けのためにやっている、などという中傷もあったようですが。


さて、1937年。
いよいよ彼女は世界一周飛行という最後の挑戦をします。
フレッド・ヌーナンというナビゲーターと共に、赤道線上を東へ東へと・・・。
最後の難関は広大な太平洋。
どこかで給油しなければ、とても一度では飛べません。
南太平洋のハウランド島という小さな無人島に一度降り立ち、
給油する予定だったのですが・・・。



見果てぬ夢・・・、
けれどそのチャレンジ精神は時に私たちに勇気をくれます。
アメリアはその後、いろいろな小説などに登場し、
続きの活躍が描かれているのだとか。
何とか生き延びていて欲しい、
そういった人々の願いが、続きのストーリーを生み出すのでしょう。
そういえば、「ナイト・ミュージアム2」にも出てきましたっけ。
ヒラリースワンクは、ちょっぴり本物のアメリア・イヤハートに似ているようです。

2009年/アメリカ/111分
監督:ミーラー・ナーイル
出演:ヒラリー・スワンク、リチャード・ギア、ユアン・マクレガー、ミア・ワシコウスカ