伊坂氏、小説家の軌跡
* * * * * * * * * *
エッセイが得意ではありません―。
自らはそう語る伊坂幸太郎がデビュー以来ぽつぽつと発表した106編のエッセイ。
愛する小説、映画、音楽のこと。
これまた苦手なスピーチのこと。
憧れのヒーローのこと。
趣味を語る中にも脈々と流れる伊坂的思考と、
日常を鮮やかに切り取る文体。
15年間の軌跡を辿った、初のエッセイ集。
裏話満載のインタビュー脚注に加え、幻の掌編2編を収録。
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この本は平成22年に、伊坂幸太郎氏小説家デビュー10周年を記念して
出されたものの文庫化です。
表題の「3652」は、うるう年を2回挟んだ10年間の日数ということになります。
この10年間に書かれたエッセイが順番にならべられていて、
伊坂氏の日常も垣間見えて、ファンには嬉しい一冊です。
平成22年以後のエッセイも加えられているので、お得!!
著者は新人賞獲得後もサラリーマンを続けていたそうなのですが、
まだ本が一冊しか世にでていない時に、
仕事を辞めようと思ったそうなのです。
そこで奥様に
「会社を辞めて、小説頑張ってみようかな」
と打ち明けると、
投げやりでも重くもなく、軽やかに
「いいんじゃない?」
とおっしゃったとか。
この奥様の言葉が最高の贈り物だったというので、まさしくこれぞ内助の功。
う~ん、なかなか言えませんよね。
生活のことが気になって。
でもでも、もしここで奥様が反対されていたら、
私達は数々の伊坂幸太郎さんの名作を読めなかったのかもしれない・・・と思えば、
やはり感謝!感謝!です。
多分、奥様自身が伊坂幸太郎ファン一号だったのかな?
この中で、いろいろな本や映画のことが語られているのが嬉しいのですが、
中でも島田荘司作品のこと。
伊坂氏もかなりの島田荘司ファンとお見受けします。
同じファンとして何よりもそれが嬉しい。
また、巻末にボーナストラックとして「定規」というショートショートがあるのですが、
これがどうにも怖い・・・。
背筋がゾゾゾ・・・としてきます。
しかしそれが妙に納得のオチとなるのもおかしくて・・・。
傑作です。
「3652 伊坂幸太郎エッセイ集」伊坂幸太郎 新潮文庫
満足度★★★★☆
3652: 伊坂幸太郎エッセイ集 (新潮文庫) | |
伊坂 幸太郎 | |
新潮社 |
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エッセイが得意ではありません―。
自らはそう語る伊坂幸太郎がデビュー以来ぽつぽつと発表した106編のエッセイ。
愛する小説、映画、音楽のこと。
これまた苦手なスピーチのこと。
憧れのヒーローのこと。
趣味を語る中にも脈々と流れる伊坂的思考と、
日常を鮮やかに切り取る文体。
15年間の軌跡を辿った、初のエッセイ集。
裏話満載のインタビュー脚注に加え、幻の掌編2編を収録。
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この本は平成22年に、伊坂幸太郎氏小説家デビュー10周年を記念して
出されたものの文庫化です。
表題の「3652」は、うるう年を2回挟んだ10年間の日数ということになります。
この10年間に書かれたエッセイが順番にならべられていて、
伊坂氏の日常も垣間見えて、ファンには嬉しい一冊です。
平成22年以後のエッセイも加えられているので、お得!!
著者は新人賞獲得後もサラリーマンを続けていたそうなのですが、
まだ本が一冊しか世にでていない時に、
仕事を辞めようと思ったそうなのです。
そこで奥様に
「会社を辞めて、小説頑張ってみようかな」
と打ち明けると、
投げやりでも重くもなく、軽やかに
「いいんじゃない?」
とおっしゃったとか。
この奥様の言葉が最高の贈り物だったというので、まさしくこれぞ内助の功。
う~ん、なかなか言えませんよね。
生活のことが気になって。
でもでも、もしここで奥様が反対されていたら、
私達は数々の伊坂幸太郎さんの名作を読めなかったのかもしれない・・・と思えば、
やはり感謝!感謝!です。
多分、奥様自身が伊坂幸太郎ファン一号だったのかな?
この中で、いろいろな本や映画のことが語られているのが嬉しいのですが、
中でも島田荘司作品のこと。
伊坂氏もかなりの島田荘司ファンとお見受けします。
同じファンとして何よりもそれが嬉しい。
また、巻末にボーナストラックとして「定規」というショートショートがあるのですが、
これがどうにも怖い・・・。
背筋がゾゾゾ・・・としてきます。
しかしそれが妙に納得のオチとなるのもおかしくて・・・。
傑作です。
「3652 伊坂幸太郎エッセイ集」伊坂幸太郎 新潮文庫
満足度★★★★☆