映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ヤング・アダルト・ニューヨーク

2016年07月25日 | 映画(や行)
40代は、全然若いゾ!



* * * * * * * * * *

ドキュメンタリー映画監督のジョシュ(ベン・スティラー)と、
妻コーネリア(ナオミ・ワッツ)は40代。

子供はなく、平和だけれど、なんだか倦怠期。
同年代の友人たちは子育て期で、似たような友人たちと家族ぐるみで楽しんでおり、
なんだか取り残されたようになっています。
そんなある日、二人は
ジェイミー(アダム・ドライバー)とダービー(アマンダ・セイフライド)という
20代の夫婦と知り合います。

二人は自由でクリエイティブ。
しかし、CDではなくレコードを集めて聞くというような
レトロなものを愛したりもしている。
この新鮮な二人に感化され、
ジョシュ夫婦も活力を取り戻していくのですが・・・。
やがてジョシュはジェイミーの言動に、やや割り切れないものを感じ始めます。



本作には、60代の人物としてコーネリアの父親も登場します。
こちらは名だたる名監督。
もう8年も新作が完成しないジョシュには、大きすぎて煙たい存在。
けれど義父は、もうあらゆることを乗り越えてきたという自信の感じられるゆとりの世代。
本作中では、客観的に見れば、ジョシュが思っているほど煙たい人物ではありません。
こうして、20代40代60代を並べてみると、
人生の筋道がみえてくるような気がします。

自由だけれど、まだまだ何かあるはず・・と、貪欲さをにじませる20代。

一応の落ち着きは見せても、まだ前途は見渡せない。
若干の焦りと倦怠が相まった40代。

そして、すでに達観した60代。

あ~、しかし本作中の60代はちょっと出来過ぎですね。
60代だって何事にも達観しているわけではないし、
さらなる老後の不安がずっしりとのしかかってくるのだけれど・・・。


結局のところ、どの年代もそれぞれ必死に生きているのだ、ということなのです。
それに尽きます。





それと、40代のジョシュは視力が落ちたり腰を痛めたり、
ひたすら「老い」を意識しますが、
40代なんて、私から見ればまだまだ全然若い!!
しょぼくれている場合ではありませんよ。
働き盛り、頑張れ!!



「ヤング・アダルト・ニューヨーク」
2014年/アメリカ/97分
監督:ノア・バームバック
出演:ベン・スティラー、ナオミ・ワッツ、アダム・ドライバー、アマンダ・セイフライド、チャールズ・グローディン
ジェネレーションギャップ度★★★☆☆
満足度★★★.5