ハンカチorティッシュのご用意を
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小学校の国語の教科書に載っていたという本作。
以前この予告編を劇場で見たのです。
それは、この国語の教科書に載っていた原作の文章が、
そのまま映しだされるだけという素っ気ないものでした。
(実際そんなに長くはないのです。)
でも、私はそこで見事にやられました。
文字を追って読むだけでドバ~っと涙が溢れだしてしまい・・・。
だから本作を劇場で見るのはちょっと敬遠していたのですが、
この度、我が家で鑑賞ということに。
本作は、原作をうんと膨らませてあります。
長野県の小さな村で、ミツ(鈴木京香)は大好きだった人と結婚し、
7人の男の子が次々に生まれました。
6番目に生まれた子は姉夫婦に請われて養子に出してしまったのですが、
それでも成長の様子をしっかり見届けることができました。
ところが夫は若くして亡くなってしまいます。
それでも子供たちは元気に成長。
やがて、戦争が始まり、まず長男に召集令状が届きます。
そして、次男、三男・・・。
結局養子に出ていた子も含めて全員が「お国のために」戦争に行ってしまったのです。
おかあさんは息子が一人戦争に行くたびに、
その息子の代わりに庭に木を一本ずつ植えます。
そして無事帰ってくるようにと語りかけます。
しかし、その祈りも虚しく、戦死の知らせが次々に届くのです。
長男、三男、四男・・・。
そして、長い戦争がやっと終わっても誰も帰ってきません・・・。
庭には、7本の木が寄り添うように立派に成長しているのに・・・。
戦争に行くというのに「おめでとう」と言われ、
戦死すれば「英霊」と讃えられる。
そんな言葉がおかあさんにとって一体何になるでしょう。
「すべての国民が結局は戦争に加担したのだ」と、
若い頃は私も思ったりもしたものですが、
戦争の是非など考えも及ばない、ただ与えられた条件の中で毎日を必死に生きるほかなかった、
そういう人々が大半だったのだなあ・・・
ということが、今更ながらよくわかります。
そういえば、「プライベート・ライアン」では、
兄弟が何人も戦死してしまったことを考慮せず最後の息子を徴集してしまったため、
その息子を連れ戻すというストーリーでしたよね。
少なくともアメリカではそういう考慮もあったということです。
日本はそんな余裕もなかったのでしょう・・・。
さて、本作何しろ結末を知っているわけですから、
はじめの方のシーンだけでももう切なくて涙・涙・・・。
見るときは、ハンカチかティッシュをお手元にお忘れなく。
ただ、最後の最後にたったひとつの救いはありますよ!
「おかあさんの木」
2015年/日本/114分
監督・脚本:磯村一路
原作:大川悦生
出演:鈴木京香、志田未来、三浦貴大、平岳大、田辺誠一
お涙度★★★★★★!
メッセージ性★★★★★
満足度★★★★☆
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小学校の国語の教科書に載っていたという本作。
以前この予告編を劇場で見たのです。
それは、この国語の教科書に載っていた原作の文章が、
そのまま映しだされるだけという素っ気ないものでした。
(実際そんなに長くはないのです。)
でも、私はそこで見事にやられました。
文字を追って読むだけでドバ~っと涙が溢れだしてしまい・・・。
だから本作を劇場で見るのはちょっと敬遠していたのですが、
この度、我が家で鑑賞ということに。
本作は、原作をうんと膨らませてあります。
長野県の小さな村で、ミツ(鈴木京香)は大好きだった人と結婚し、
7人の男の子が次々に生まれました。
6番目に生まれた子は姉夫婦に請われて養子に出してしまったのですが、
それでも成長の様子をしっかり見届けることができました。
ところが夫は若くして亡くなってしまいます。
それでも子供たちは元気に成長。
やがて、戦争が始まり、まず長男に召集令状が届きます。
そして、次男、三男・・・。
結局養子に出ていた子も含めて全員が「お国のために」戦争に行ってしまったのです。
おかあさんは息子が一人戦争に行くたびに、
その息子の代わりに庭に木を一本ずつ植えます。
そして無事帰ってくるようにと語りかけます。
しかし、その祈りも虚しく、戦死の知らせが次々に届くのです。
長男、三男、四男・・・。
そして、長い戦争がやっと終わっても誰も帰ってきません・・・。
庭には、7本の木が寄り添うように立派に成長しているのに・・・。
戦争に行くというのに「おめでとう」と言われ、
戦死すれば「英霊」と讃えられる。
そんな言葉がおかあさんにとって一体何になるでしょう。
「すべての国民が結局は戦争に加担したのだ」と、
若い頃は私も思ったりもしたものですが、
戦争の是非など考えも及ばない、ただ与えられた条件の中で毎日を必死に生きるほかなかった、
そういう人々が大半だったのだなあ・・・
ということが、今更ながらよくわかります。
そういえば、「プライベート・ライアン」では、
兄弟が何人も戦死してしまったことを考慮せず最後の息子を徴集してしまったため、
その息子を連れ戻すというストーリーでしたよね。
少なくともアメリカではそういう考慮もあったということです。
日本はそんな余裕もなかったのでしょう・・・。
さて、本作何しろ結末を知っているわけですから、
はじめの方のシーンだけでももう切なくて涙・涙・・・。
見るときは、ハンカチかティッシュをお手元にお忘れなく。
ただ、最後の最後にたったひとつの救いはありますよ!
おかあさんの木 [DVD] | |
鈴木京香,志田未来,三浦貴大,田辺誠一,奈良岡朋子 | |
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) |
「おかあさんの木」
2015年/日本/114分
監督・脚本:磯村一路
原作:大川悦生
出演:鈴木京香、志田未来、三浦貴大、平岳大、田辺誠一
お涙度★★★★★★!
メッセージ性★★★★★
満足度★★★★☆