映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

おかえり、ブルゴーニュへ

2020年03月03日 | 映画(あ行)

兄弟それぞれの問題とワイン農家

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フランス、ブルゴーニュ地方のドメーヌ(ワイン生産者)が舞台です。
長男ジャン(ピオ・マルマイ)は、故郷を飛び出し、世界を放浪。
結婚しオーストラリアでワイナリーを営むも、最近妻とうまくいっていません。
そんなときに、父親が病のため余命間もないことを知り、10年ぶりに故郷に帰ってきます。
故郷では家業を継ぎワイン作りに励む妹のジュリエット(アナ・ジラルド)と、
別のドメーヌの婿養子となった弟のジェレミー(フランソワ・シビル)が待っていました。
二人には、母の死の時にも戻ってこなかった兄を咎める気持ちもありましたが、
兄を受け入れます。
そして間もなく父が亡くなります。
やがて持ち上がったのが相続の問題。
とりあえず相続税を払わなければならないのですが、
まとまったお金が彼らにはありません。



離婚問題に揺れる長男。
醸造家としての自信が持てない長女。
義父との関係に悩む次男。
このドメーヌをどうするのかという問題と、彼らそれぞれの問題が重なり合いますが、
それでも季節は過ぎゆき、広く美しいぶどう畑の映像に癒やされていく感じがします。

ワイン農家の跡継ぎをどうするか・・・
こういうテーマの映画をいくつも見たように思うのですが、
本作、立場のちがう3人の兄弟それぞれの問題が、現代性とマッチしてリアル。
極力農薬を使わず頑張ろうとするワイン造りにも好感が持てます。
そして長男の、「どこを故郷と思うか」という最終決断も又、アリだなと思う。
ありがちなテーマなので公開時見逃していたのですが、
これは結構良かったと思います!

<WOWOW視聴にて>
「おかえり、ブルゴーニュへ」
2017年/フランス/113分
監督:セドリック・クラピッシュ
出演:ピオ・マルマイ、アナ・ジラルド、フランソワ・シビル

ワイン農家の今 度★★★★☆
満足度★★★★☆

 

※新型コロナウイルスの関係で、北海道では緊急事態宣言が出ました。

 不要不急の外出は避けるように、との要請に従い、

 しばらく映画館通いをお休みすることにします。

 当面、おうち映画ばかりになると思いますが、

 よろしくお付き合いくださいませ・・・

 早くこの事態が収束することを祈りつつ・・・