映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

シンプルフェイバー

2020年03月06日 | 映画(さ行)

複雑な女の愛憎

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ニューヨーク郊外に住むシングルマザー、ステファニー(アナ・ケンドリック)は、
同じクラスに息子を通わせるエミリー(ブレイク・ライブリー)と親しくなります。
ステファニーは事故で夫を失い、保険金を切り崩しながらの生活。
しかし天性が明るい彼女は「生活お役立ちブログ」を発信しながら元気に生きています。

一方エミリーはファッション業界で働く華やかな女性。
夫は、今はスランプながらも小説家。
ゴージャスな家に住む、うらやましい家族。

だから周囲の人はステファニーとエミリーの仲はうまくいくはずがない、と思うのですが、
なぜか互いの秘密を明かし合うくらいに親しみを増していきます。
エミリーは仕事が忙しく、息子を迎えに行けないときなどにはステファニーに頼むように。
これがつまりシンプルフェイバー(ささやかな頼み事)というわけです。
ところがある日、息子をステファニーに預けたまま、エミリーが失踪してしまいます。
親友を助けたいあまりに、ステファニーは“ママさん探偵”となり、
ブログのフォロアーの力も借り、エミリーの行方を捜します。
そしてやがて、エミリーの死体が発見される・・・。
ところが、エミリーの息子が「ママを見た」などと言い始め・・・。



いえ、ホラーじゃありませんよ。
しかしこの事件には裏がある。
「影裏」の映画じゃないけれど、人の影の一番暗いところを見なきゃダメなのです。
エミリーには驚きの真実が隠されていました・・・。

ステファニーとエミリーの複雑な愛憎が二人の女優によって見事に表現されていました。
ステファニーが単なるノーテンキなブロガーではなく、
なかなか鋭い推理を働かせるところも意外性があって楽しめます。
ちょっとコミカル味もあって楽しめるミステリ。

こんな二人に翻弄されるエミリーの夫が気の毒と言えば気の毒・・・。

 

 

<WOWOW視聴にて>
「シンプルフェイバー」
2018年/アメリカ/117分
監督:ポール・フェイグ
原作:ダーシー・ベル
出演:アナ・ケンドリック、ブレイク・ライブリー、ヘンリー・ゴールディング、リンダ・カーデリニ、ジーン・スマート
ミステリ度★★★★☆
満足度★★★.5