天下一刑事弁護士
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おなじみのテレビドラマシリーズの映画化。
本作に先駆けて、テレビドラマのスペシャル版が放映されまして、
その中ですでに、本作で登場する人物たちの人となりが紹介されています。
人気のテレビドラマの映画化は、当然それなりの興行成績が見込まれるわけで、
ちょっとズルい感じがしてしまうのですが、
それにしてもこういう連携の仕方は、うまいとしか言いようがありません。
法律事務所の新人、河野穂乃果
(深山に心酔していて、やたら張り切っていてうるさくて、ちょっとウザい)。
深山たちと敵対関係となる南雲弁護士
(一見人が良さそうだけれど、実は闇?)
というような人となりが、すでに私たちの中に入っていて、
その説明なしで本題に入ることが出来るのはナイスです。
さて本作。
常に事実を追求し、99.9%逆転不可能と言われる刑事裁判で、
最後の0.1%まで諦めず、真実を追究し、無実を勝ち取るという、
型破りな弁護士・深山大翔(松本潤)が主人公。
この度は、15年前に起きた天華村毒物ワイン事件の再調査をするというストーリー。
実は、この事件の犯人とされる男はすでに死刑判決を受けて、
刑も執行済みなのです。
その時の弁護士が南雲(西島秀俊)。
結局彼は男の有罪を覆すことができなかったわけです。
そして、南雲は男のまだ幼い娘・エリを引き取り、自分の娘として育てました。
エリ(蒔田彩珠)には本当の父親が殺人犯として死刑になったことは言っていません。
ところがピアノコンクールで入賞したエリに対して、
心ないマスコミがスクープとしてそのことをバラしてしまった。
かねてからエリのことを気にかけていた佐田(香川照之)は、
この際エリの父親の無実を証明しよう!!と言いだして、
事務所こぞって調査に取り組むことになります。
天華村に出向き、村人の協力を得て当日の出来事を再現していきますが・・・。
調書や人々の証言だけでなく、現場に赴き、できるだけ出来事を正確に再現しようとする、
これぞ、深山の真骨頂。
しかし最後の最後にたどり着いた真実は、切ないものではありました・・・。
手放しでは喜べない真相、こういうオチも悪くありません。
それにしても、個性が強烈な人々に囲まれて、西島秀俊さんは応戦一方。
そういえば、「真犯人フラグ」のテレビドラマもそういう感じですね。
どうもご苦労様でした!!
あちらこちらに笑える小ネタ満載ですが、「天華一葡萄会」に私はハマりました。
<シネマフロンティアにて>
「99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE」
2021年/日本/119分
監督:木村ひさし
脚本:三浦駿斗
出演:松本潤、香川照之、杉咲花、片桐仁、マギー、西島秀俊、蒔田彩珠
コミカル度★★★★☆
西島秀俊の魅力度★★★★☆
満足度★★★★★