映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

黄色い涙

2022年01月22日 | 映画(か行)

お金はないが、夢だけはあった

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原作は、永島慎二さんの同名コミック。
実は1974年にテレビドラマ化されたことがあって、私、それをうっすら覚えているのです。
森本レオさんが出演していて、主題歌は小椋佳さんでした。
そんなこともあり、懐かしく思い本作を見て驚いた!! 
嵐の皆さんが出演していたとは!! 
それを知らずにこれを見ようとする人の方が珍しいのかも・・・。

 

舞台は1960年代、高度経済成長期の東京、阿佐ヶ谷。
まもなく東海道新幹線が開通し、東京オリンピックが開催されるというような頃です。
そんな時代の熱に反して、ただ黙々と売れない漫画を描く青年がいました。
そしてなぜか彼の6畳一間の部屋に転がり込んできた、同じくうだつの上がらない3名の青年。
彼らのひと夏の青春群像劇です。

 

流行には全く乗らない叙情漫画を描き続けるこの部屋の主が、二宮和也さん。

歌手を目指して自ら曲を作り、歌っているのが相葉雅紀さん。

画家を目指して油絵を描き続ける大野智さん。

小説家を目指し、なかなか進まない原稿用紙を前に苦悩する櫻井翔さん。

そしてこの4人の生活を応援するのが、米屋で仕事をしている勤労青年、松本潤さん。

 

彼らは自らの「芸術」を極めるため、もっと時間が欲しいと思う。
しかしとにかくお金がない。
質屋通い続きで、もう持って行く物もなくなってきた・・・。
しかしある仕事で少しまとまったお金を得た彼らは、
とりあえずこれを節約して使いながら、
ひと夏を思いっきり自分のやりたいことをしてすごそう、と相談がまとまります。
節約のために、自炊もする。
それまではすべて外食で、鍋も食器もなかったのです・・・。

 

それぞれに、絵を描き、歌を作り、構想を練り・・・、恋をして失恋もする。

単なるアイドル映画ではなくて、なかなか味のある作品だったと思います。
2007年作品、なるほど、みんな若いなあ・・・。
しかし、出演者がみなジャニーズなので、写真が入手できません!!

 

ちなみに、74年のテレビドラマ版の方を調べてみましたら、
出演者として森本レオさんの他に、下條アトムさん、岸部シローさんの名前がありました。
脚本は、本作と同じく市川森一さんです。

 

<WOWOW視聴にて>

「黄色い涙」

2007年/日本/128分

監督:犬童一心

脚本:市川森一

出演:二宮和也、相葉雅紀、大野智、櫻井翔、松本潤、香椎由宇、田畑智子、松原智恵子

 

昭和度★★★★★

ノスタルジー度★★★★★

満足度★★★★☆