映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「なんでわざわざ中年体育」角田光代

2019年11月20日 | 本(エッセイ)

アクティブな作家!

なんでわざわざ中年体育 (文春文庫)
角田 光代
文藝春秋

* * * * * * * * * * * *

走ることも、汗をかくことも嫌い。
嫌いだと自覚しているからこそ続けられることもある。
インドア作家が43歳でフルマラソンに出場。
ボルダリングから登山、ワイン飲みマラソンまで闇雲に挑戦した結果はいかに?
志の低いユルい楽しみ方は中年の特権ではなかろうか。
笑い転げながら読んでいると不意に感動が襲う爽快エッセイ。

* * * * * * * * * * * *

 

角田光代さんは、自身もボクシングに通い、
ついにボクシングがテーマの作品をも書き上げたことは知っていましたが、
本作を読んでさらに驚かされました。


定期的に走ることは習慣にしているようなのですが、
フルマラソン、そして山を駆け回るトレイルランまで、
ご本人は決して好きではないなどとおっしゃっていますが、
いやいや、やっぱり結局好きなのでしょう。
そうでなければこのように何度も行ったりはできません。

 

島をあげての応援態勢のように見受けられる「那覇マラソン」は楽しそうですね。
これには毎年参加されているようです。
見物だけでも一度行ってみたいなあ・・・。

 

でも、ひどくつらくて、もう嫌だと思いつつ、
ゴールしたあとの爽快感や達成感、それがいいんだよなあ・・・というのはちょっとわかります。
私自身はそこまで厳しい運動はあまり体験がありませんが。

著作の仕事は家にこもって座りっぱなしということでありましょうから、
こうして時にはアウトドアで思い切り体を酷使する
という真逆のことがいいのかもしれませんね。

「中年体育」と言ってはいますが、こういうことに年齢はあまり関係なさそうです。
あと20年したらきっと「老年体育」の本を書くのではないかな? 
楽しみにしています!

 

「なんでわざわざ中年体育」角田光代 文春文庫

満足度★★★★☆



最新の画像もっと見る

コメントを投稿