しぼると先生とコマキ
* * * * * * * * * *
出島に薬草園を造りたい。
依頼を受けた長崎の植木商「京屋」の職人たちは、
異国の雰囲気に怖じ気づき、十五歳の熊吉を行かせた。
依頼主は阿蘭陀から来た医師しぼると先生。
医術を日本に伝えるため自前で薬草を用意する先生に魅せられた熊吉は、
失敗を繰り返しながらも園丁として成長していく。
「草花を母国へ運びたい」先生の意志に熊吉は知恵をしぼるが、
思わぬ事件に巻き込まれていく。
* * * * * * * * * *
オランダから長崎の出島に来たシーボルトと
庭師の熊吉らの交流を描いています。
シーボルトの発音で熊吉は「コマキ」、
日本人妻お滝さんは「オタクサ」だったりするのが臨場感あります。
本作で惹かれるのは、この15歳熊吉のひたむきさ。
異国の医師しぼると先生を敬愛し憧れ、
少しでも彼の望みに答えようと、一心に仕事に励みます。
薬草園を作り、日本にある多くの植物を生きたままオランダへ運ぶための工夫をこらす。
私もガーデニングに興味があったりするので、
様々な草花の描写にも心惹かれました。
ヨーロッパには植物にあまり多くの種類がなかったというのです。
日本の多種多様の植物に驚いたシーボルトは
なんとかこれを本国に持ち帰り、増やしたいと思った。
シーボルトといえば蘭学ではありますが、
本作ではこのように植物を中心にしているところもまた、興味深いところです。
そして、シーボルトといえば避けて通れない「シーボルト事件」。
葉室麟「オランダ宿の娘」でも取り上げられていましたが、
帰国直前のシーボルトの所持品の中から日本地図が見つかったと言うもの。
熊吉もその中に巻き込まれていきますが・・・。
熊吉の目を通し、ただ敬愛する人物というだけではなく、
どこかひんやりと相容れないところを持つ異国人シーボルトの人物像を浮かび上がらせます。
悲しみをバネにしてなお逞しく生きようとするお滝さんの描写もステキでした。
「先生のお庭番」朝井まかて 徳間文庫
満足度★★★★☆
先生のお庭番 (徳間文庫) | |
朝井 まかて | |
徳間書店 |
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出島に薬草園を造りたい。
依頼を受けた長崎の植木商「京屋」の職人たちは、
異国の雰囲気に怖じ気づき、十五歳の熊吉を行かせた。
依頼主は阿蘭陀から来た医師しぼると先生。
医術を日本に伝えるため自前で薬草を用意する先生に魅せられた熊吉は、
失敗を繰り返しながらも園丁として成長していく。
「草花を母国へ運びたい」先生の意志に熊吉は知恵をしぼるが、
思わぬ事件に巻き込まれていく。
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オランダから長崎の出島に来たシーボルトと
庭師の熊吉らの交流を描いています。
シーボルトの発音で熊吉は「コマキ」、
日本人妻お滝さんは「オタクサ」だったりするのが臨場感あります。
本作で惹かれるのは、この15歳熊吉のひたむきさ。
異国の医師しぼると先生を敬愛し憧れ、
少しでも彼の望みに答えようと、一心に仕事に励みます。
薬草園を作り、日本にある多くの植物を生きたままオランダへ運ぶための工夫をこらす。
私もガーデニングに興味があったりするので、
様々な草花の描写にも心惹かれました。
ヨーロッパには植物にあまり多くの種類がなかったというのです。
日本の多種多様の植物に驚いたシーボルトは
なんとかこれを本国に持ち帰り、増やしたいと思った。
シーボルトといえば蘭学ではありますが、
本作ではこのように植物を中心にしているところもまた、興味深いところです。
そして、シーボルトといえば避けて通れない「シーボルト事件」。
葉室麟「オランダ宿の娘」でも取り上げられていましたが、
帰国直前のシーボルトの所持品の中から日本地図が見つかったと言うもの。
熊吉もその中に巻き込まれていきますが・・・。
熊吉の目を通し、ただ敬愛する人物というだけではなく、
どこかひんやりと相容れないところを持つ異国人シーボルトの人物像を浮かび上がらせます。
悲しみをバネにしてなお逞しく生きようとするお滝さんの描写もステキでした。
「先生のお庭番」朝井まかて 徳間文庫
満足度★★★★☆
たんぽぽ様と同じ本を読んでいる!とうれしくなりました。
今年は、気候が例年と違い、6月から高温多湿なのに曇り という日々が続いています。そのせいでしょうか。ベランダのプランターの土に、カビ(?)のようなものが・・・ハーブも元気がなくなり・・・とうとうローズマリーは全滅です。こんなことは初めてです。
北海道も暑い日が続いているようですが、たんぽぽ様のお庭はいかがですか。
最後の最後に良いシーンが有りますよ。
お楽しみに。
こちらは6月に2週間毎日雨なんていうこともありましたが、ここのところはまあ、普通に過ごしやすい北海道の夏です。(でも今日は蒸し暑かった・・・)
高温多湿はお花も弱りますね。
我が家は今のところ雑な育て方にもめげず無事。
熊吉さんのような、「緑の指」が欲しいですね。