映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ゼロの焦点

2014年07月12日 | 西島秀俊
回想シーンで会いましょう



* * * * * * * * * *

えーと、これも西島秀俊カテゴリーでいいのか?って気はしますが。
いいんですよ。これがダメなら今までのだってダメじゃん。
冒頭からしっかり出演しているんですけどね。
彼は、新婚一週間目の禎子を残して、行方不明になっちゃうのだった・・・!
後は回想シーンに出てくるだけということで、ちょっと悲しい・・・。



さて、本作は割と近年読みなおしていたので、
 映画は劇場に見に行ってなかったんだね。
そうそう、松本清張生誕100周年というのに触発されて読みなおして、
 この作品もこの100周年に合わせて公開されたんだね。
だから、ストーリーはこちらをどうぞ・・・
 →「ゼロの焦点」松本清張



作品全体の雰囲気は、原作を忠実に再現していると思う。
そうだね、昭和30年代。
 「もはや戦後は終わった」などと言われながらも、まだその爪痕が残っている。
ああ、街の廃墟とかそういうのではなくて、
 人の心の中の傷が・・という意味でね。
金沢の暗く寂しい冬の光景が、全体の雰囲気の象徴のよう。
つまり松本清張氏は、映像なしの文章だけで
 この光景をしっかり私達に思い起こさせてたってことだと思うよ。
 さすがだよねえ・・・。



本作は、主人公禎子(広末涼子)だけでなく
 他に二人の女性にも焦点を当てている。
 金沢の憲一(西島秀俊)の得意先の社長夫人・佐知子(中谷美紀)と、
 その会社の受付嬢久子(木村多江)。
 禎子は夫の足取りを追ううちにこの二人と出会うのだけれど、
 何らかの夫との関わりを感じてしまう。
でもそれは、想像するような単純な情痴沙汰ではなくて・・・
 もっと複雑な過去の事情が明るみに出てくるんだね。
それは戦争直後の日本の闇。
 結局彼女たちも戦争の犠牲者なのかもしれない。
いやいや、でもさ、やっぱり憲一の身勝手が問題だ!!
 「禎子となら、やり直せると思った。」・・・って、ちょっと!!
まあ、そこは西島さんに免じて許して・・・。
一瞬ですが、新妻を抱く西島さんの裸体の後ろ姿が、
 やっぱりステキでしたワ・・・。
タバコ吸ってる西島さんより、キャラメル食べてる西島さんのほうが良いわ・・・。
あ、チュッパチャプスもありだよね!!


ところで題名の「ゼロの焦点」って何を表していたのだったっけ?
確か、原作の文中にあったと思うんだけど、覚えてないよ~。
 本作、3人の女性に焦点を当てたのなら「3つの焦点」になっちゃうじゃないの。
ひゃー、知らない、知らない・・・。



結婚した相手のことをほとんど何も知らなかった・・・
 そしてそのまま置き去りにされた妻の心もとなさは、まあ、よく現れていたと思う。
広末涼子さんの演技はいろいろ言われるけど・・・。
私は別にいいと思うけどね・・・。
まずまず、です。

ゼロの焦点(2枚組) [DVD]
広末涼子,中谷美紀,木村多江,西島秀俊,鹿賀丈史
東宝


「ゼロの焦点」
2009年/日本/131分
地方色・時代色度:★★★★★
西島秀俊の魅力度★★★★☆
満足度★★★☆☆


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