映画と本の『たんぽぽ館』

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白ゆき姫殺人事件

2021年05月06日 | 映画(さ行)

報道が一人歩きして

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私は湊かなえさんに苦手感があって、本作、見ていませんでした。
でもまあ、見るとやはり面白いですね。

日の出化粧品の美人社員、三木典子(菜々緒)が、何者かに惨殺されます。
そして典子と同期入社の城野美姫(井上真央)に疑惑の目が向けられ、
TVのワイドショーでは美姫の会社の同僚や、かつての同級生、故郷の人々や家族を取材。
噂が噂を呼んで、報道やネット上でも無責任な話が飛び交い始め・・・。

そもそもの疑惑報道の元は、赤星(綾野剛)なのです。
赤星の元恋人・里沙子(蓮佛美沙子)が、典子や美姫と同じ会社に勤めており、
彼女の話を聞いた赤星が、そのまま即ツイッターに書き込んでいった為に起こった騒動。

典子は見るからに美人で、気が利いて、何をやってもそつがない優秀なOL。
一方、城野美姫は、まさに「お城のお姫様と」いう名前に完全に負けていて、
地味~な存在。
こんなことが、人々の憶測をかき立てたのですね。
だがしかし、元々は里沙子1人の「想像」にしか過ぎなかったのですが・・・。

全然絵空事には思えないストーリーでした。
作中のワイドショーの光景も、いかにも実際にありそうな作りでした。
本作では、報道や世間の噂に惑わされず、
警察が地道に捜査を続けていたということが救いです。

事実がわかってみれば、実はスーパーOLと見えていた典子も、
決してそうではなかった・・・。
まるで夢から覚めたよう。
真実は決してテレビのニュースやネットの上にはない。
と、心してかかった方が良いのかも。

 

<WOWOW視聴にて>

「白ゆき姫殺人事件」

2014年/日本/126分

監督:中村義洋

原作:湊かなえ

出演:井上真央、綾野剛、蓮佛美沙子、菜々緒、貫地谷しほり、染谷将太、生瀬勝久

思い込みの怖さ★★★★☆

意外性★★★.5

満足度★★★★☆

 



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