映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

みをつくし料理帖

2020年10月26日 | 映画(ま行)

料理人と花魁と友情と

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原作は高田郁さんで、先にNHKで連続ドラマ化されていました。
それは見ていたので、およそストーリーはわかっていたのですが、
配役が全く別なので興味を持ちまして・・・。

仲のよい幼なじみだった8歳の澪と野江。
享和2年、大坂を大洪水が襲い、
澪は両親を亡くし、野江も行方知れずとなってしまいます。

それから10年後。
澪(松本穂香)は、江戸のそば処「つる屋」で働いていました。
そしてそこで、天性の料理の才能を見出され、店の看板料理を生み出すようになっていきます。

そんなある日、吉原・翁屋の又次(中村獅童)がつる屋を訪れ、
吉原で頂点を極めるあさひ太夫(奈緒)のために、
澪の看板料理を作ってほしいと言います・・・。

吉原の花魁は外出などできないので、又次が澪との間を取り持つわけですね。
そして、後にわかってくるのは、そのあさひ太夫というのは、実は・・・。
もうおわかりですね。

この二人のことが大きな縦軸ではありますが、
そのほか、料理の心構え的なことを教えてくれるお侍(窪塚洋介)や、
親身にしてくれるお医者様(小関裕太)、つる屋の店主、澪と共に暮らしている御寮さん、
つる屋の常連のお客など、さまざまな人々の織りなすドラマでもあります。

映画は2時間程度なので、いくつかのエピソードが省かれていますが、
まあ、それは仕方ないですね。

子どもの頃占い師に、野江は「旭日昇天」の相、 
澪は「雲外蒼天」の相と言われます。

野江は、ものすごい強運の持ち主で、最高の地位を手にする。
澪は、とても苦労が多いけれど、努力すればその後、幸せを手にする。
・・・と、そんなことだったわけ。

野江は花魁として確かに最高位の地位を得ますが、
それとて、外出もままならず会いたい人にも会えない、
・・・それが果たして幸せなのかどうか。

でも互いを思いやる二人が、自らの運命を切り開いていく様、
なかなか心地よい物語なのです。

2017年NHK版の配役は、黒木華さん、成海璃子さん
あ、私は知りませんでしたが、2012年にテレビ朝日でもやっていたのですね。
そちらは北川景子さんと貫地谷しほりさん。
うーん、私の中ではNHK版版がいちばんしっくりくる感じですが・・・。
まあ、この度の松本穂香さんも悪くはありません。

<シネマフロンティアにて>

「みをつくし料理帖」

2020年/日本/131分

監督:角川春樹

原作:高田郁

出演:松本穂香、奈緒、若村麻由美、窪塚洋介、小関裕太、藤井隆、中村獅童

 

友情度★★★★☆

精進度★★★★☆

満足度★★★.5

 



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