料理人と花魁と友情と
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原作は高田郁さんで、先にNHKで連続ドラマ化されていました。
それは見ていたので、およそストーリーはわかっていたのですが、
配役が全く別なので興味を持ちまして・・・。
仲のよい幼なじみだった8歳の澪と野江。
享和2年、大坂を大洪水が襲い、
澪は両親を亡くし、野江も行方知れずとなってしまいます。
それから10年後。
澪(松本穂香)は、江戸のそば処「つる屋」で働いていました。
そしてそこで、天性の料理の才能を見出され、店の看板料理を生み出すようになっていきます。
そんなある日、吉原・翁屋の又次(中村獅童)がつる屋を訪れ、
吉原で頂点を極めるあさひ太夫(奈緒)のために、
澪の看板料理を作ってほしいと言います・・・。
吉原の花魁は外出などできないので、又次が澪との間を取り持つわけですね。
そして、後にわかってくるのは、そのあさひ太夫というのは、実は・・・。
もうおわかりですね。
この二人のことが大きな縦軸ではありますが、
そのほか、料理の心構え的なことを教えてくれるお侍(窪塚洋介)や、
親身にしてくれるお医者様(小関裕太)、つる屋の店主、澪と共に暮らしている御寮さん、
つる屋の常連のお客など、さまざまな人々の織りなすドラマでもあります。
映画は2時間程度なので、いくつかのエピソードが省かれていますが、
まあ、それは仕方ないですね。
子どもの頃占い師に、野江は「旭日昇天」の相、
澪は「雲外蒼天」の相と言われます。
野江は、ものすごい強運の持ち主で、最高の地位を手にする。
澪は、とても苦労が多いけれど、努力すればその後、幸せを手にする。
・・・と、そんなことだったわけ。
野江は花魁として確かに最高位の地位を得ますが、
それとて、外出もままならず会いたい人にも会えない、
・・・それが果たして幸せなのかどうか。
でも互いを思いやる二人が、自らの運命を切り開いていく様、
なかなか心地よい物語なのです。
2017年NHK版の配役は、黒木華さん、成海璃子さん
あ、私は知りませんでしたが、2012年にテレビ朝日でもやっていたのですね。
そちらは北川景子さんと貫地谷しほりさん。
うーん、私の中ではNHK版版がいちばんしっくりくる感じですが・・・。
まあ、この度の松本穂香さんも悪くはありません。
<シネマフロンティアにて>
「みをつくし料理帖」
2020年/日本/131分
監督:角川春樹
原作:高田郁
出演:松本穂香、奈緒、若村麻由美、窪塚洋介、小関裕太、藤井隆、中村獅童
友情度★★★★☆
精進度★★★★☆
満足度★★★.5
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