あまりにも重く衝撃的
* * * * * * * *
ユダヤ人強制収容所の所長である父を持つ少年ブルーノ。
彼は、家の敷地から外に出ることを禁じられていたのですが、
退屈のあまり物置の窓から脱走を図ります。
窓から遠くの方に、風変わりな農場が見えたようなので、
そちらへ行ってみると、そこには鉄条網が張り巡らされ、
片隅にぽつんと1人の少年がたたずんでいました。
昼間なのに縞模様のパジャマを着たその少年は、
ブルーノと同じ年のシュムエル。
二人は次第に仲良くなり、有刺鉄線越しに幾度も会って話をします。
ブルーノはユダヤ人が迫害を受けていることなど何も知りません。
無垢な少年の目を通してみる「戦争」は、疑問に満ちています。
普通に考えておかしいことでも、
大人社会では、あれこれ理屈をつけて押し通してしまうんですね。
でも、ブルーノもうすうす変だ・・と、わかってきます。
けれど、ブルーノはそれを認めたくない。
父親を、立派な人だと信じたい。
だからあえて目をつぶってしまうのです。
ブルーノは、つまり一般大衆・・・、
この作品ではそう捉えるべきなのかもしれません。
さて、ブルーノの母も、収容所で何が行われているのか次第にわかってきます。
良識人の彼女は、次第に夫を信頼できなくなり、自堕落になっていきます。
そこの描写には少し救われる気がしました。
ドイツ人誰もがユダヤ人を人と思っていない、などということはない。
耐え切れなくなった母親は、
子供たちを連れてこの家を出ることにしたのですが、
悲劇はその日に起きたのでした・・・。
縞模様のパジャマを着ているか、いないか。
ユダヤ人かそうでないかなんて、たったそれだけの差でしかないのです。
裸になってしまえば同じ人間。
ホロコーストのおろかさを痛切に物語っているこの作品。
始めから重いテーマであることはわかっていましたが、
あまりにも衝撃的に重いラストには、声をなくします。
ほとんどの人が、エンドロールの最後まで座ったままでした。
放心状態で、腰を上げることができない、という風でした。
私も、しばらくその重苦しい余韻が抜けずにいました・・・。
さて、余談ではありますが、ブルーノの家に出入りする父の部下の若き将校。
こういってはなんですが、すごくハンサムでかっこよくて、
そして怖いのですよ・・・。
まさにナチスって雰囲気でした。
こんなことを言っては不謹慎ですが、
ナチスの制服って、カッコイイ・・・。
こほん。
しかし、ナチスに深く心酔するその彼も、あることが問題になり、
戦闘の前線に送られてしまいます。
まさに非情なナチス軍。
少しでも軍の意に反すれば命取りという状況が良くわかります。
2008年/イギリス/95分
監督:マーク・ハーマン
出演:エイサ・バターフィールド、ジャック・スキャンロン、ベラ・ファーミガ、デビッド・シューリス
映画 『縞模様のパジャマの少年』 予告編
* * * * * * * *
ユダヤ人強制収容所の所長である父を持つ少年ブルーノ。
彼は、家の敷地から外に出ることを禁じられていたのですが、
退屈のあまり物置の窓から脱走を図ります。
窓から遠くの方に、風変わりな農場が見えたようなので、
そちらへ行ってみると、そこには鉄条網が張り巡らされ、
片隅にぽつんと1人の少年がたたずんでいました。
昼間なのに縞模様のパジャマを着たその少年は、
ブルーノと同じ年のシュムエル。
二人は次第に仲良くなり、有刺鉄線越しに幾度も会って話をします。
ブルーノはユダヤ人が迫害を受けていることなど何も知りません。
無垢な少年の目を通してみる「戦争」は、疑問に満ちています。
普通に考えておかしいことでも、
大人社会では、あれこれ理屈をつけて押し通してしまうんですね。
でも、ブルーノもうすうす変だ・・と、わかってきます。
けれど、ブルーノはそれを認めたくない。
父親を、立派な人だと信じたい。
だからあえて目をつぶってしまうのです。
ブルーノは、つまり一般大衆・・・、
この作品ではそう捉えるべきなのかもしれません。
さて、ブルーノの母も、収容所で何が行われているのか次第にわかってきます。
良識人の彼女は、次第に夫を信頼できなくなり、自堕落になっていきます。
そこの描写には少し救われる気がしました。
ドイツ人誰もがユダヤ人を人と思っていない、などということはない。
耐え切れなくなった母親は、
子供たちを連れてこの家を出ることにしたのですが、
悲劇はその日に起きたのでした・・・。
縞模様のパジャマを着ているか、いないか。
ユダヤ人かそうでないかなんて、たったそれだけの差でしかないのです。
裸になってしまえば同じ人間。
ホロコーストのおろかさを痛切に物語っているこの作品。
始めから重いテーマであることはわかっていましたが、
あまりにも衝撃的に重いラストには、声をなくします。
ほとんどの人が、エンドロールの最後まで座ったままでした。
放心状態で、腰を上げることができない、という風でした。
私も、しばらくその重苦しい余韻が抜けずにいました・・・。
さて、余談ではありますが、ブルーノの家に出入りする父の部下の若き将校。
こういってはなんですが、すごくハンサムでかっこよくて、
そして怖いのですよ・・・。
まさにナチスって雰囲気でした。
こんなことを言っては不謹慎ですが、
ナチスの制服って、カッコイイ・・・。
こほん。
しかし、ナチスに深く心酔するその彼も、あることが問題になり、
戦闘の前線に送られてしまいます。
まさに非情なナチス軍。
少しでも軍の意に反すれば命取りという状況が良くわかります。
2008年/イギリス/95分
監督:マーク・ハーマン
出演:エイサ・バターフィールド、ジャック・スキャンロン、ベラ・ファーミガ、デビッド・シューリス
映画 『縞模様のパジャマの少年』 予告編
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます