映画と本の『たんぽぽ館』

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「メインテーマは殺人」アンソニー・ホロヴィッツ

2020年05月04日 | 本(ミステリ)

ステイホームのお供に

 

 

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自らの葬儀の手配をしたまさにその日、資産家の老婦人は絞殺された。
彼女は、自分が殺されると知っていたのか?
作家のわたし、ホロヴィッツはドラマの脚本執筆で知りあった元刑事ホーソーンから、
この奇妙な事件を捜査する自分を本にしないかと誘われる…。
自らをワトスン役に配した、謎解きの魅力全開の犯人当てミステリ!
7冠制覇の『カササギ殺人事件』に並ぶ傑作!

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「カササギ殺人事件」があまりにも面白かったので、
その次作である本巻をさっそく読みました。


本作の探偵役は、元刑事のホーソーンという男。
何やら訳ありで警察を辞めたようなのですが、
その捜査能力を買われ、ときおり面倒な事件の捜査協力をしているのです。
そして、その捜査の記録担当、いわばワトソン役となるのがなんと、
著者自身、アンソニー・ホロヴィッツ。
この人物配置だけでシビれます。
しかしこの二人、全く気が合わない。
というかアンソニーはホーソーンがはっきり嫌いなのです。
自分のことは全く話そうとしなくて親しみを見せようともしない、
そのくせ嫌みなことばかり言う・・・。
しかしこの変人ぶりが逆に彼の興味をひくようになっていくのです。
一体彼はどういう人物なのか。
それを探ることも自分の本のテーマの一つと割り切る。

 

さてそして、二人が当たった事件というのがまた、変な事件。
ある老婦人が葬儀屋に自分の葬儀の依頼をしに行き、
まさにその日、絞殺されてしまった・・・。
これは偶然なのか、それとも・・・。
夫人が過去に犯した罪。
そして夫人の息子が高名な俳優であること。
いろいろなことがもつれて絡まり合います。

 

面白かったー。
このヘンテコなホームズ&ワトソンコンビのやりとりが又実に面白い。
これはぜひ続編が読みたいところです。
本作中のアンソニー・ホロヴィッツの日常もリアルに描写されていまして、
彼が脚本を書いているTVドラマのことなどにも触れられています。
ファンなら、おいしいところです。


というわけで私はすっかりアンソニー・ホロヴィッツのファンになってしまい、
彼が脚本を書いたテレビドラマの「刑事フォイル」もぼちぼちと見始めました。
第二次世界大戦下の英国が舞台というのが又ユニーク。
実に面白い。
私のステイホームのお供は、アンソニー・ホロヴィッツに決まりです!

「メインテーマは殺人」アンソニー・ホロヴィッツ 創元推理文庫
満足度★★★★★

 



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