映画と本の『たんぽぽ館』

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フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ

2015年02月27日 | 映画(は行)
危険なテイストを加えたハーレクイン



* * * * * * * * * *

ロンドン在住の一般女性が趣味でネットに投稿した小説が、瞬く間に大ヒット。
さらに全世界50カ国で出版され
瞬く間に空前のベストセラーとなったという・・・、
鳴り物入りのストーリーの映画化です。



恋愛経験ゼロの女子大生アナ・スティール(ダコタ・ジョンソン)が、
大企業の若きCEOクリスチャン・グレイ(ジェイミー・ドーナン)のインタビューに赴き、
二人はそこで知り合います。
アナは全く垢抜けないオンナノコなのですが、
グレイには返ってそんなところが新鮮だったらしい。
二人は急接近していきますが、
実はグレイには世間に隠している裏の顔があった。
「嗜好が人とは変わっていて、心から女性を愛したことがない」という
グレイの禁断の扉を、今、アナは開けようとする・・・・。



映像は甘く美しく、思っていたほど過激な感じはしませんでした。
つまりこれは、基本はハーレクインなのです。
そこに、セックスの危険な香りをまぶしただけ。
結局は甘く現実味のないシンデレラ・ストーリーです。
確かに女性には受けると思いますが・・・。
私は本作、「フォックスキャッチャー」に続けてみたので、
あの切実に真に迫る作品のあとでは、
なんとも絵空事に過ぎて虚しい気がしてしまいました。
まあ、見る順番を間違えた、ということですね。



二人の関係で、優位性が逆転していく、
と、ストーリー紹介などにはあるのですが、
私にはグレイのほうが始めから振り回されていたように思えました。
それで、ラストも「これで終わり?」というあっけない終わり方で、
実はもっと過激な逆転劇を想像していた当方としては肩透かし。



実はこれは“バンパイア”ストーリーの亜流なのではないでしょうか? 
グレイは、つまりバンパイアなのです。
女性の生き血を飲んで生きながらえている。
女性たちはグレイの魅力に負けて自らの身を差し出し、
被虐の中に喜びを見出している。
そのような日常の中で、毛色の違う何も知らないオンナノコ登場。
彼は彼女にバンパイアへの転身を促していく・・・。
ね、吸血が危ないセックスに変わるだけでしょ。
ま、そんなわけです。



「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」
2015年/アメリカ/126分
監督:サム・テイラー=ジョンソン
出演:ジェイミー・ドーナン、ダコタ・ジョンソン、ジェニファー・イーリー、ルーク・グイムス、マーシャ・ゲイ・ハーデン

ロマンス度★★★★☆
危険度★★☆☆☆
満足度★★☆☆☆


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