映画と本の『たんぽぽ館』

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返校 言葉が消えた日

2022年05月07日 | 映画(は行)

死者の住む場所

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2017年に発売された台湾の大ヒットホラーゲーム「返校」の実写映画化です。
台湾発のホラーというのも珍しいですね。

 

1962年、中国国民党による独裁政権下を題材としています。
それだからこそ、台湾が舞台ということが生きてくるのです。
この時代、市民に相互監視と密告が強制されており、
「自由」を訴えるなどは、命にも関わること・・・。

さてそんな中、翠華高校。
女子生徒ファンが放課後の教室で、眠りから目を覚まします。
周囲には人の気配がなく静まりかえっています。
誰もいない校内をさまよい歩き始めるファン。
やがて彼女は、男子生徒ウェイと出会います。
ウェイは政府に禁じられた本を読む読書会のメンバーで、
実は密かにファンを慕っていたのでした。
二人は共にこの学校からの脱出を図るのですが、どうしても外に出られません。

過去の実際の出来事と悪夢のような幻想、
不可解な現象がフラッシュバック的に目の前に現れる。

そんな中で、校内で起きた読書会への弾圧事件と
その原因を作った密告書の真相が見えてきます・・・。

残酷な歴史背景を絡めたホラー。
この高校は死者の住み着く場所で、過去の出来事を解きほぐさなければ出ることはかなわない。
いや、すでに皆死んでいるのか。
それとも誰かは生きていて、この場所から出ることができるのか・・・。

新世代のホラーとして今後の方向性を指し示しているかもしれません。

 

<WOWOW視聴にて>

「返校 言葉が消えた日」

2019年/台湾/103分

監督・脚本:ジョン・スー

出演:ワン・ジン、ツォン・ジンファ、フー・モンボー、チョイ・シーワン

 

ホラー度★★★★☆

時代性★★★★☆

満足度★★★★☆



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