憧れと純真と・・・
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わーい、「津野くん」がこんなところで、フィギュアスケートのコーチしてる!!
って、思いました!!
池松壮亮さんは、映画でよく拝見するので、私にはお馴染みの俳優さんなのですが、
テレビの連ドラ出演は「海のはじまり」が始めてだったんですね。
ビックリ。
では普段あまり映画を見ない方には、なじみの薄い俳優さんだったのか・・・!
テレビドラマのおかげで、池松壮亮さんという若手実力派俳優が
広く知られるようになって嬉しい限り。
スミマセン、いきなり余談になってしまいました。
本作は、2024年第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で、
日本人監督史上最年少で選出された奥山大史監督作品。
北国の小さな町。
夏は野球、冬はアイスホッケーをやるのだけれど、
どちらも苦手な吃音の少年タクヤ。
ある日、ドビュッシーの「月の光」で、
フィギュアスケートの練習をする少女さくらに心を奪われます。
さくらのコーチ、元フィギュアスケート選手の荒川(池松壮亮)は、
ホッケー靴のままフィギュアのステップのマネをして何度も転ぶタクヤを目にし、
タクヤの恋を応援しようと思います。
そしてタクヤにフィギュア用のスケート靴を貸して、練習に付き合い始めます。
やがて荒川の提案でタクヤとさくらは、
ペアでアイスダンスの練習を始めることに・・・。
スケートリンクに差し込む柔らかな日の光に、少女が舞う姿が可憐で美しく、
タクヤは心奪われて見入ってしまうのですね。
実はそれと同じ状況で、2人が練習し続けていたアイスダンスを舞うシーンが後にあります。
ほとんど集大成といっていいその会心のできの滑りは、
タクヤの友人1人しか見ている人はいなかったのですが。
息がピッタリと合っていたことは2人も自覚している。
幸せなシーンです。
そして、荒川とタクヤ、さくらの3人で、少し離れた湖のスケートリンクへ出かけて
ひたすら無邪気に遊びながら幸せな時間を過ごす。
しかし、実はその時が3人で楽しく過ごす最後の時。
あっけなく壊れてしまった調和の日々。
それというのも、原因は荒川自身にあったのです。
誰が悪いというわけでもない。
ただ少女があまりにも純粋で無垢だからこそ・・・ということか。
荒川は、無垢な少年と少女のまだ恋とも言えないくらいの思いを美しいと思い、
応援していただけだったのですが・・・。
荒川と同居の青年役、若葉竜也さんも好きな俳優さんでして・・・。
だから私にはおいしい作品。
撮影は、我が北海道に点在するいろいろな施設を利用していた感じでした。
まだ解け出していない真っ白でたっぷり積もった雪景色が美しい。
コーチと言う役柄のため、池松壮亮さんはずいぶんスケートの練習を積んだのではないかな?
「ぼくのお日さま」
2024年/日本/90分
監督・脚本:奥山大史
出演:越山敬達、中西希亜良、若葉竜也、池松壮亮、潤浩
無垢度★★★★☆
満足度★★★★★
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