映画と本の『たんぽぽ館』

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ハケンアニメ

2022年10月29日 | 映画(は行)

アニメの覇権を握るのは?

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私、本作は派遣社員のアニメーターの話かと思っていたのですが、
そうではなくて、アニメ業界の覇権を争う話でした・・・!

地方公務員からアニメ業界に飛び込んだ新人監督、斎藤瞳(吉岡里帆)。
彼女は少女時代に、天才監督・王子千春(中村倫也)のアニメに痛く心を揺さぶられ、
この道に踏み込んだのです。
目標は王子監督に追いつき、追い越すこと。

その王子監督は、過去にメガヒット作品を生み出したものの、
その後過剰なこだわりとわがままぶりが災いし、降板が続いていました。
プロデューサー有科(尾野真千子)は、
そんな王子監督を復帰させるため、大勝負に出ます。

一方瞳は、くせ者プロデューサー・行城(柄本佑)らと共に奮闘。

土曜夕方5時枠の裏表、
「サウンドバック 奏の石」(瞳)VS「運命戦線リデルライト」(王子)
ということでガチの対決をすることに・・・。

瞳は無名の新人監督。
一方王子はアニメファンなら尊敬してやまないアニメ界の星。
これは瞳にはかなり分が悪い。
けれど、彼女には彼女なりのアニメを届けたい対象があって、
そのこだわりだけは最後まで貫きたいと思っているのです。
さあ、この勝負、どうなる・・・?

今時、同時間の裏表放送といっても後に見る方法は色々あるので、
私なら両方見ちゃいますけどね。
単純にどちらを先に見たいかと言う勝負なら、やはり好みが優先しますかね。

アニメ作成に様々な人が関わっていたり、
そのPRのために多くの時間が費やされたり、
色々と普段私たちが目にしない側面が描かれているのが興味深いです。
そして、作中に描かれるアニメシーンも楽しい。
私など、前後がよく分からないアニメの1シーンだけでも泣きそうになりました・・・。

柄本佑さん演じる行城プロデューサーが、いい味を醸し出しています。
一軒クールで私情を挟まない利益優先タイプ。
でも、底辺には隠れた熱いハートが。
この人がいなければ本作は凡庸なものになってしまったかもしれません。

 

<Amazon prime videoにて>

「ハケンアニメ」

2022年/日本/128分

監督:吉野耕平

原作:辻村深月

出演:吉岡里帆、中村倫也、柄本佑、尾野真千子、工藤阿須加

アニメ業界描写度★★★★☆

満足度★★★★☆

 



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