原作には遠く・・・
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上橋菜穂子さんによる、2015年本屋大賞を受賞したファンタジー小説のアニメ映画化。
最強の戦士団「独角」の最後の頭だったヴァン。
強大なツオル帝国との戦いに敗れ、奴隷となり、岩塩坑の奥深くに囚われていました。
ある時不思議な山犬の群れが岩塩坑を襲い、
死に至る謎の病・ミツツァルが発生。
岩塩坑は死人の山となりましたが、そこを生き抜いたヴァンは
同じく生き残っていた幼女ユナを連れて脱出に成功します。
一方天才医師ホッサルは懸命にミツツァルの治療法を探していました。
その病はツオルの民だけがかかり、
敵対するアカファの民にはかからないと言われていたのですが・・・?
本作は私、本で読みいたく感動しました。
それで見てみたわけですが、危惧したとおり、
長大な物語を無理矢理2時間足らずにまとめたので、
どうにも食い足りないものになってしまっているようです。
敵対する国の関係やヴァンやホッサルの立ち位置など、
本作を見ただけではなかなか理解しがたいのではないでしょうか。
ホッサルが真相にたどり着くまでの過程が面白いというのに、そこもあっさりと片付けられていて、
これではこの物語の真の面白さを味わうことができません。
それなのに、ヤケにアクションとかスペクタクルシーンを挟み込んでいるのが、
一体どういう人を対象に作られているのかな?と疑問に感じてしまいました。
少なくとも、原作のファンはこういう作りには納得できないと思います。
(ホッサルの美形には納得しましたが)
残念ですが、こんなアニメ化ならなくても良かったと思います。
声だけがムダに豪華。
本を読んだ方がずっといい。
<WOWOW視聴にて>
「鹿の王 ユナと約束の旅」
2021年/日本/114分
監督:安藤雅司、宮地昌幸
原作:上橋菜穂子
出演(声):堤真一、竹内涼真、杏、木村日翠
原作再現度★★☆☆☆
満足度★★★☆☆
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