父子の確執を乗り越えて
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愛知県豊田市。
大学入学を機に上京し、役者を目指している大河(森崎ウィン)ですが、
父(西村まさ彦)の訃報を聞き、故郷のこの町に帰ってきます。
父はかつてラリーで数々の栄誉に輝いたメカニックでした。
そして今は豊田市の外れで車のメンテを行う「北村ワークス」を営んでいたのです。
幼い頃母を亡くした大河は、ほとんど家にいなくて家庭を顧みなかった父を嫌い、
帰省もせず、連絡もしないというような状況でした。
地元で行われるカーラリーに出場しようとしていた父。
北村ワークスの従業員からは絶大な信頼を得ていた父。
そんな父を今まで全く知ろうとしなかったことを、大河は後悔します。
そして、銀行員の兄の言葉に逆らい、
会社の再起をかけてラリー大会に出場することに。
幼なじみの美帆(深川麻衣)の協力も得て、ラリー大会への準備を進めますが・・・。
調度この作品を見た日、
53年間ずっと同じトヨタカローラに乗り続けていると言う方の話をテレビで見ました。
そしてこの車がこの度、トヨタの博物館入りすることが決まったとのこと。
車のメンテはご本人が行っていて、
交換部品は旧日本車の多いタイから逆輸入をしたりもするという・・・。
車のことはほとんど分からない私ではありますが、
53年間乗り続けた車、と言うのにはさすがに驚かされました。
図らずも、クルマ愛を見せつけるような話のシンクロ。
何やら感慨深いです。
レースは競技場をぐるぐる回る。
ラリーは一般道を走る。
そんな違いも私はよく分かっていなかったのですが、
このたび、その大変さや面白みがよく分かりました。
父と子、兄弟間の確執、そして恋。
初めてのことへのチャレンジ。
従業員のチームワーク。
様々なテーマが心地よく絡まり合うのですが、
しかしどうにも絶望的な出来事にも見舞われるのです。
こじんまりしてはいるのですが、すごく気持ちのいい物語です。
好きです。
<WOWOW視聴にて>
「僕と彼女とラリーと」
2021年/日本/105分
監督・脚本:塚本連平
出演:森崎ウィン、深川麻衣、西村まさ彦、佐藤隆太、竹内力
父子確執度★★★★★
再生度★★★★☆
満足度★★★★☆
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