ほつれて修復不能になっていく夫婦関係
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夫・文則(田村健太郎)との関係がすっかり冷え切っている綿子(門脇麦)。
友人の紹介で知り合った男性・木村(染谷将太)と恋仲になり、頻繁に会っています。
ある日グランピングお泊まりの後、帰宅のため別れた直後、
木村の身に起こった事故・・・。
このことで、綿子の心は大きく揺れ動き、
これまであえて見ないようにしてきたことと向かい合わざるを得なくなります・・・。
綿子も木村も互いに既婚者。
つまり、不倫です。
そもそも綿子の心が夫から離れたのは夫の浮気が原因。
でも、特に仕事もしていない綿子は、あくまでも不倫は不倫として、
夫との離婚までは考えていません。
当然、木村とのことは夫には秘密。
夫の文則はバツイチで、元妻が引き取った子供がいます。
その元妻が子供の面倒を見られないときに、文則に援助の依頼が来る。
そうしたことも、綿子と文則のうまくいかない理由の一端になっているのです。
夫は、最近の互いの関係悪化を憂慮し、なんとか関係を修復したいと思っているのですが、
正直、綿子はそれどころではない心境に陥っていくのです。
一見文則の話し方は穏やかで、妻の気持ちを汲んでいるようではある。
けれど、どこか独善的で、結局は綿子を責めている。
しかし、この感じ、分かります。
こういう人いるよな~、というリアルな感じ。
でも、綿子の方も一方的に虐げられる妻ではなくて、ずるくてしたたかな面も。
だから、双方もう少し互いに本音で話せばいいのに、と思うのですが、
それがなかなか難しいというリアルな夫婦の関係性も分かります。
なんとか取り繕って夫婦の形を守ろうとしてきた2人だけれど、
徐々にほつれ始めた一枚の布は、もはや修復不能になっていく・・・
というような物語でしょうか。
切実だなあ・・・。
<シネマフロンティアにて>
「ほつれる」
2023年/日本/84分
監督・脚本:加藤拓也
出演:門脇麦、田村健太郎、染谷将太、黒木華、古舘寬治
リアルな夫婦の関係性★★★★☆
不倫度★★★★★
満足度★★★★☆
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