知られざるドイツの戦後史
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第二次世界大戦後に海外へ逃亡したナチス戦犯アドルフ・アイヒマンの捕獲作戦を
実現へ導いたドイツ人検事長フリッツ・バウアーの実録ドラマです。
1950年代後半。
ドイツのフランクフルト。
検事長フリッツ・バウアーは、ナチス戦争犯罪の告発に執念を燃やしていました。
そんな彼のもとに、数百万人のユダヤ人を強制収容所送りにした
アイヒマンの潜伏先に関する情報が入ります。
ドイツの捜査機関はナチス残党の巣窟となっており、
協力を期待できないばかりか、バウアーは身の危険まで感じてしまいます。
そこでイスラエルの諜報機関モサドと接触し、協力を要請しますが・・・。
戦後すぐにナチスは一掃されたものと思っていたのですが、
ドイツの主要機関に元ナチスのメンバーがかなりの数残っていたというのは驚きです。
しかもすっかり過去を悔い改めているかといえばそうでもない。
そんなことで、ユダヤ人であるバウアーにはなおさら風当たりが強いのです。
バウアーの風貌はまさにこんなふうで、一見のどかなおじさん風・・・。
けれど侮ってはいけません。
この風貌の奥に、正義心を貫く鉄の意志が潜んでいるわけです。
彼が言う「私はドイツの敵なのか?」という言葉が印象的。
知られざる歴史の真相。
面白いなあ・・・。
若干、ゲイの話を織り交ぜたところがまた興味深かったです。
当時、ナチス政権下の法でなくとも、ゲイは違法だった。
そんな時代なんですねえ・・・。
アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男 [DVD] | |
ラース・クラウメ,トマス・クフス,オリヴィエ・グエズ | |
アルバトロス |
<WOWOW視聴にて>
「アイヒマンを追え! ナチスが最も畏れた男」
2015年/ドイツ/105分
監督:ラース・クラウメ
出演:ブルクハルト・クラウスナー、ロナルト・ツェアフェルト、セバスチャン・ブロムベルグ、イエルク・シュットアウフ、リリト・シュタンゲンベルク
歴史発掘度★★★★☆
満足度★★★★☆