うわーっ、なんじゃこりゃ!古着のバザーか????
練習会場の農村環境改善センターのホールは一面広げられた古着でぎっしり!そう、『イーハトーボの劇列車』の衣装を一気にきめちまおうって、舞台監督と衣装担当が持ち込んでくれたんだ。ブレザーあり、セーターあり、スラックスあり、着物多数あり、袢纏あり、コートあり、シャツあり、靴あり、下駄あり、帽子あり、もの凄い点数だ!
でも、なんか似たようなものばっかり、昭和初期の列車に乗り合わせた乗客の服装なんかになんのか?ともかくこの芝居、列車内のシーンが4回もあって、常時座席は満席、と言っても12人だけど、これらの人間が取っ替え引っ替え衣装を替えるわけで、とんでもない数の衣装を準備しなくてはならない。
ええーいっ!決断だ!ともかくここに並んだ古着の中で決めるしかない。
まずは乗客を演じる置農生の分を決めた。あっちで取り上げ、こっちで選び、いろんな組み合わせを団員に着せては、脱がしして作っていった。ニッカーボッカーに袢纏なんて、得たいの知れない服装やら、担ぎ屋のおばちゃんやら、男装の麗人やら、昭和初期のロシアかぶれの芸術家とか、兵隊さんもどきとか、三国人、おっと、もうこんな言葉死語だった、ともかく、昭和初期東北本線、あるいは常磐線上野行きに乗り合わせそうな人物を無理矢理作った。この間、たっぷり1時間半!残るは一人というところまでこぎ着けた。
どうやら衣装については目途がついた。次の難問は小道具関係、これまた難問奇問の続出だ。でも、ユウタローさんが封印されていた倉を開けて昔のものをたくさん持ち込んでくれたので、一挙にそれらしくなってきた。どうやらどうやら、芝居になりそうになってきた。後は演技だよ、役者の皆さん、って、これが何よりなんだった。