うわーっ!力入ってるぅぅ!やる気満々!って思ったんだ、最初は。中央円形舞台の上にイントレの柱が2本その上には鉄製の円形フレーム。そのフレームを行き来する2枚の巨大な扉、そして始終上がり下がりする円形のスクリーン、そこには手の込んだ映像が投影されている。宇宙を表現する星空は観客席の上にまで及ぶ。
ね、読むだけでも凄そぉぉぉぉって感じるでしょ。
ところが、あれあれあれ!なんなのこの手応えのなさは?さっぱり宇宙船が浮かび上がって来ない。命がけの宇宙大学最終テストの緊迫感が迫って来ない。生き残りを賭けた宇宙のエリートたちの息吹が伝わって来ない。
原作は萩尾望都のマンガだ。読んだことはないが名作との評判は耳にしている。その舞台化だったわけだが、一言で言えば残念!ってことだろう。見ていてやりきれないもやもやの発生原因はなんだったろうか。
まず第一は舞台装置やシーン設定で宇宙船の内部を表現仕切れなかったことだろう。さらに、乗り組みの11人のキャラが一部を除き際だたなかったこと。さらには、最終試験の困難な課題って奴がピンと来なかったこと。さらに、11人の衣装!いいのか、こんなんで?ここまでは脚本と演出の問題だ。
次に役者の技量にも大きな限界を感じた。若い男ばかり20名近くで演じている(この劇団、男だけ!がポリシーだった、今頃気付くな!)っていうのに笑いがおよそお寒い。笑いの単発銃の銃弾はしけったままって、信じられない。高校生の舞台だってもっと笑いが取れるぞ!ってつっこみたくなった。性がまだ確定していないって役を演じた青年はとってもきれいで、だみ声とのアンバランスがとってもよかったけど、それ以外はねぇ・・・・。面白く成るはずの役さえ、わざわざつまらなく演じてんじゃないかって感じたほどだった。これは役者の責任。
こういう作品で、こういうメンバーで、若い女性中心の観客相手にやるなら、もっともっと楽しく面白く、サービス精神旺盛でやってほしいな。例えば歌やダンスだよ。一部ラップときわめて簡単なヒップポップダンスも披露していたけど、これだけ若い連中でやってんだから、もっともっともっとダンスは力入れてほしいよね。なんだか、役者たちが鈍くさく見えてしまった。これは劇団首脳陣の問題だ。
と言うわけで、途中まだ終わんないのか?って時間を気にしてしまう舞台だった。わずか2時間弱の芝居だって言うのにね、ああ、もうこのもやもやはなんなんだ!!若い女性たちを満席で集めてこのつまらなさってどういうこと?世の中ぜったい理不尽だよ。