ニンニクの皮むきだ。100g、どうするか、って?ご注文ですよ。お届け品です。
これも神さんの代役。地元の小学校給食の食材を準備している。自給野菜の会。もう何十年にもなる。地域のお母さん、お婆ちゃんたちが、自家用野菜を多目に作って、地元の子どもたちの給食用食材として届け続けている。引き受ける農家の女性たちも、代替わりしつつ絶えることなく継続している。子どもや孫たちに新鮮で安心で美味しい野菜を食べてもらいたいって願いで続いている。
我が家は完全無農薬なので、葉ものなどは虫食いとかひどい時もあって出荷可能な野菜は限られる。今日はニンニク100gとジャガイモ4.5kg、ニンニクは皮を剥き正味でその目方。スーパーのお一人様向け手間いらず食材と同レベルの手の込みようだ。学校の給食担当も、人手不足、できるだけ要望に沿って届けるようにしているからだ。
青大豆をつぶした打ち豆なんかの注文もあって、一粒一粒、金槌で叩いてはつぶし叩いてはつぶしなんて夜なべ仕事をすることもある。そこまで至れり尽くせりでも、価格の方は、市販品以下。モッテ菊を出荷した母ちゃんなど、へたを外して花びらだけにして1kg百円?!もちろん無農薬生産物の通常流通価格になど比べようもない。安い!安い!と不平は言いつつも、メンバーの誰も抜けたりはしない。
農村地帯の子どもたちが、市場から買ってきたどこのものともわからない農産物で昼食を食べるなんて、そんなこと農家としてのプライドが許せない!地域の子どもは地域で面倒見る!その思いがほとんど小遣い稼ぎにもならない仕事を持続させている。子どもたちだって、自分家の婆ちゃんが作った野菜なら食べ残すこともない。調理師さんたちも極力地場野菜を中心にメニューを工夫している。だから、この地区の子どもたちは偏食も少なく、健康面でも常に優良のグループに入るという。
毎月、栄養士さんから、注文票が届く。農作業を終え、家族へのご飯出しを済ませた母ちゃんたちが、公民館に集まって相談し出せる品物を割り振る。引き受けた者は、当日朝、学校の調理室に届ける。そんな地道な取り組みが数十年も続いている。