ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

全国決めた!その②

2010-10-11 19:03:47 | 地域文化

 冷や汗もんだったよ。本番前日の準備。

 ともかく仕事が遅れに遅れて、特大版絵日記が完成したのがその日の11時。よしっ、これを架台に乗せて、ようやく本番同様稽古できる!って張り切ったっら、な、な、な、な、なんとーーーーー!絵日記大きすぎて、重すぎて、架台に乗らない!!無理矢理乗っけてみても、手を離すと、へなへなへなと倒れる始末!だれじゃぁぁぁ、こんな半端な設計したの?!ごめんなさい、僕です。

 さあ、大変だ。2週間毎日遅くまで残って仕上げた絵日記が使えない!そんな!そんな!そんな!って不安と不満と不信が生徒たちの顔にありあり。わぁぁぁぁっ、どうしよ!?内心はもう、でんぐりかえって、しゃっちょくこだって、きりきり舞いして頭の中真っ暗状態!!!

 でもね、そこが経験と年の功ってやつなんだね。いかにも成算有り、まかせなさい!って顔してね、やおら演劇部のプレハブ作業部屋に走った。あそこいきゃ何かある、なんとかなる、いい知恵浮かぶって思ったから。

 部室で一人になって、頭を冷やして考えた。失敗したのは、重くて大きくてぺらぺらの絵日記を三点支持の洒落た架台に乗せようって気取ったのが原因だ。もう、ここは見かけもなにもない。コンパネに斜め立ちの人形付けて巨大書見台を作るしかない。それにしても、斜め立ちの人形って面倒だぞ、それだけの時間があるか?なんせ、絵日記使った稽古ってまったくしていないわけだから。こりゃやばい!うーんどうする?

 と、何気なく首をかしげると、おおなんと!そこには演劇部が大会で使った土手蹴込みがあるではないか!おお、これぞ天の助けなるぞ!なーんて、芝居のように目に入ったわけじゃない。当然、この人形のこと頭にあった。で、演劇部には無断で、これを二つ外して蝶番でコンパネに取り付けた。コンパネの長辺に絵日記を支えるフレームを打ち込んでできあがり。試しに絵日記乗せページを繰ってみた。おお、素晴らしい!角度もぴったし、これ以上傾いててもこれ以上立ってもダメって絶妙な傾き具合になった。よし、これ色縫って!それ乾いたら稽古するから、ってことで、午前中で終わる予定の稽古を急遽6時まで延長することにした。

 なんとか架台の課題はクリアーできたけど、なんてだじゃれいれちゃって、人形付きコンパネを持って新幹線乗るって、どうみたって無理!よしっ、僕は車で装置と道具運ぶ、みんなは新幹線で来いってことにして、事務局やら須賀川のタクシー会社やら、チケットの払い戻しやら騒ぎまくって、稽古を始めたのが3時。それから2時間半、ぎりっと集中してコントの稽古ができた。

 そんなこんなのドタバタ踏んで臨んだ北海道・東北地区大会。会場に着いて驚いた。発表は当然会議室なんかだと思っていたら、なんと、農協直売所のイベント会場だった。屋根がかかっているだけのだだっ広い空間!しかも隣じゃテント張って米油の宣伝販売やら、お弁当の講習会やら大騒ぎのなにやってんだ!状態。こりゃ、声通らねーぞ!ってことで、すぐまたその隣の駐車場の片隅で発声練習と事前の稽古。買い物のお客さんじろじろ見ていくけど、これがねらい目。演劇部の生徒一人はともかく、残り二人の発表メンバーはコントやるなんて初めての経験、まずは上がらないように尻込みしないように度胸を付けてもらわなくちゃ。

 発表順はくじ引き、引いた順番は7番、つまり最後の発表。生徒はショック!とがっかりしたようだが、僕は、ほくそ笑んじゃったね。いいじゃんか、全部見てから勝負できるんだから。実際発表が始まってみれば、僕の予想の通り。まず、質疑応答の内容があらかじめわかって、準備ができたし、それ以上に、コントらしいコントをしっかりやりきれたチームはあまりなかったので、生徒たちもかなり自信を付けて舞台に立つことができた。

 発表は声も大きく、テンポも良くて、エネルギッシュで楽しいコントになった。最後は、歌とダンスで締めくくった。失敗はまったくなし、これまでで最高のパフォーマンスだった。お見事!!!発表が終わった段階では、最優秀を確信していたのだけど、審査員の審議は押しに押したので、これ、もしかして、やばいかも???って不安がぞぞっと広がって行った。生徒たちはもっともっと心配だったようだ。

 いよいよ、発表。まず、全国の権利のある準優勝から。生徒たち、祈る祈る。福島県磐城農業。ああ、もう後は最優秀しかない。見ればメンバー5人全員、頭を下げて手を合わせ必死でお祈りだ。発表!最優秀、紅大豆本舗!その瞬間、歓声が弾けた。

 よかった!2年連続の最優秀、全国大会出場!それ以上にほっとしたのは、今年のチームを全国に連れて行けたってことだ。去年は、たまたま集まったグループだった。いや、グループとも呼べない寄せ集め集団だった。ところが、今年は違う。去年の成果に憧れて、自分たちも絶対全国に行きたいって集まってきた生徒たちだ。意欲も仕事への熱意もまったく違う。放課後の活動だろうと土日の活動だろうと文句一つ言わずに取り組んできた。

 謂わば、僕を見込んで付いてきてくれた子たちなんだ。これは何としても全国に進まなくちゃって思っていたわけなんだ。きざに言えば、全国請負人みたいな気持ちで取り組んできた。だから、約束を守れて、本当にほっとしている。本当に嬉しい。

 全国大会は11月21日(日)東京のお台場って話しだ。もちろん、テレビ番組の収録を兼ねて行われる。出場が決まる前は、まずは行ければいい。それで責任は果たせるんだから。なんて思っていたが、いざ、決まってみると、やっぱりねぇぇぇ、むくむくと、むらむらと、めらめらと野心の炎が燃え上がってくるんだよ。そう、今年、全国最優秀取れっかも!そう、たんぽぽの人たちも応援に来てくれるって言ってるしね、これはちょっと、いい光景じゃないか?絶対、全国一の取り組みだよ!ってもう早くも舞い上がってしまってるわけなんですね。

 

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