ダメだっ!もう耐えられない。吹雪に降り込められて3日、体が求めてる。動けぇぇぇ!走れぇぇぇ!出来ないなら歩けぇぇぇ!
2階への階段昇降、へん、そんなもん、10往復したって運動にゃならんぜ。除雪機作業だって、同じ、寒さで体も心も縮こまるだけだ。この不快感、この頭のカスミ、排便の停滞感、そして、夜間トイレの各駅停車!どうにしかしろい!
降り続いた雪は止んだが、気温は零下に下がったまま。走るったって、道路、どこもかしこも凍結、圧雪、その上にさらさら雪だぜ。こういう時の道路が一番立ち悪いんだ。無理無理、走るなんて無理!
だったら、歩こうよ、ほら、雲もきれかけてきたぜ。耐寒防御がしっと決めて、飛び出すか。
風、強っ!雪は降っていないが、飛んで来る。低温下のパウダースノーは、強風に煽られて正面からもろに襲って来る。失敗か?このコースの選択は。風の吹き抜け方向に真っ向勝負じゃないか。いやいや、この1キロ、ブドウ畑の中を突き抜ければ、集落に入る。両側家が連なってるから、そこまで行けば風も遮られる。我慢だぜ。
おお、除雪車、きれいに掃いてくれてるじゃないか、吹き溜まりに悩まされることはないぞ。と、安心、慢心の一歩、わっ、ものの見事にすっ転んだ。どうだ?どこか、痛めちゃいないか?ってすぐに全身をチェックしちまうのが年寄りの証拠、ちょっとの打撲が骨折だったり、ぴりっと来た腿筋肉痛が肉離れになったり、ガラスの体、いやそんなカッコいいもんじゃなく焼き過ぎた薄焼きせんべい!大丈夫、みたい、だな。
図に乗ってさっさか歩こうとするからだぜ。歩き良さげに見えてても、除雪後の雪道は一番のつんつるてんなんだ。鏡面仕上げなんだ。ダメだよ、そこは避けて歩かなくっちゃ。歩きにくい、なんて贅沢言わず除雪車のタイヤチェーンの轍を踏んで行くことだ。それも、歩幅を小さくして足の裏全面で着地、雪道歩行の基本だぜ。
やれやれ家が連なる地域にたどり着いた。皆さん、雪かきに精出してる。うーん、挨拶して通過するんだが、向こうからの返事は投げやり。なんか、気まずいなぁ。へっ、除雪もせずにお散歩かい?ってちらっと横目に皮肉?を感じ取ったりして。
わかった、大きな道路に出りゃいんだぜ。きっと除雪も徹底していて路面は出ていることだろうし、吹きさらしの風はきつくても、今度は追い風だから、楽々歩けるはずだ。
おお、雲も切れて青空が一気に広がったぜ。どうだい、この美しさは!
辛さ6割、苦しさ3割の雪国暮らし、でも、この雪景色の美しさは吹雪の3日を忘れさせてくれるぜ。やっぱり北の地はいいよなぁ!
さっ、帰路2キロ弱、予想に反して路面は凍結の上の圧雪状態、なんだよ、こっちもかよ。でもまっ、道幅広いし、路肩近くを歩いてりゃ大丈夫だ。いざ、車突っ込んできたら、道路脇の雪壁にダイビングすりゃいいのさ、なんて、歩き始めたら、うわっ!車多いぜ。それも結構スピード出してる。視界くっはり除雪もばっちり、気が大きくなってるんだろう、運転する人たち。
おいおい、お姉さん、そんなに飛ばしゃ危ないって。こうい道、つるっと行きゃそのまま雪壁に激突なんだよ、知ってるか?経験したことあるか?対向車来るたんび、雪壁に踏み込んで避難、ダメだ、こんなの怖くてやってらんねえよ。
また、横に入ってブドウ畑の農道を帰ることにしよう。風強くたって、車は通らない。除雪車の轍もはっきりしてる。途中、ブドウ棚の雪下ろししてる人に出会った。積雪はほとんど棚の高さに達してる。張り出した枝の雪下ろすったって、叩いて落とす隙間空間なんてない。そっと雪を掬って枝の合間に放り出す、いや、こりゃ大変な仕事だなぁ。
さすがに、挨拶の声かけは遠慮だな。気づかぬふりして通り過ぎた。行きに転んだつるりんこの跡を確認、あっ、こりゃ滑るさ、体調復元のためのウォーキングだ、怪我しちゃ元も子もなしだ。ゆっくり小幅で、ただし、ピッチはやや上げて。
予定35分、3.2キロのトレーニング?慎重に歩いて43分かかった。よしっ、体も元気取りもどして喜んでるぞ。頭もスッキリだ。机に向かおう。ただ問題は、体温まっていい心地、居眠りの魔の手が襲い掛かって来るってことなんだぜ。
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