期待して見始めたからさ、見終わっての失望は大きいのさ。
気を引く設定とか思わせぶりなエピソードにつられて、最後まで付き合ってしまった愚かな自分。時間を返せ!とは言わないが、もう少し物語ってものを大切にして欲しいよな。
Netflix『配達人』、
様々流行り物を取り込んでこれでもかって気合いだけは入ってるよ。配達人てのはウーバーイーツなんかのデリバリーサービスからだろ。それに格差社会の構図も巧みに利用、さらに、ワクチンで感染死、なんてコロナの反ワクチン主張が出どころだろうし、難民の抹殺なんてずばり今事!日本じゃ特に見事なタイムリーさだぜ、今週には入管法改悪法案が成立しようってところだからな。
これに大気汚染による終末論、これも気候温暖化危機の拝借ってことじゃないの。
そうそう、配達人になるための選抜戦はイカゲーム連想させるし、多分映画やドラマに詳しい人なら、もっと寸借犯罪?指摘できるよ、きっと。
でも、駄作決定の理由は世相や他作品からのアイディア頂戴にあるわけじゃない。
一言で言うなら、雑なんだぜ。
難民がキーワードなんだが、説明とか全然ないし、対する格差社会の構造も最初にヒエラルヒーの図を示されて終わり。えっ、難民てどこから来たの?なんで難民なの?どうやって暮らしてるの?・・・配達人から酸素と食糧配達してもらってる一般人も普段どんな暮らししてるのか?仕事は?閉じ込められた生活空間に不満や苛立ちはないのか?・・・
コアと呼ばれる上級階層が別仕立てのドームに住んでるらしいんだが、彼らの生活ぶりもさっぱり!
権力者が宅配大手企業の社長?なのか。あいつもちゃちだよな。まっ、概して韓ドラは悪人がずばり悪い奴で欲得以外に思想らしいものがなくて、その分かり易さが魅力の一つにゃ違いないんだけど、この企業社長は弱すぎるぜ。戦いの場にすぐ自分で出て行くなんて、大物にゃありえないだろ。
政治家も大統領と国防大臣しか登場しない。内閣とか議会とか軍の幹部連中とかいないのか?主流から外れた女性少佐がいつの間にか、クーデター鎮圧の主力に出世してるし、もう!
配達人のうち10数名が革命派?あるいはテロリスト?その必然も、過去の難民虐殺描て、はいわかりましたね、ってわからねえよ。だって、配達人てのは悪徳企業の社員なんだからな、自分の生活基盤気にも留めず、戦いにいざ赴かん!なんてリアリティゼロだろうが。
難民を厄介払いするのに、ワクチンと偽って伝染病菌、接種するぅぅぅ?そんなん、見え見えだぜ。実際、すぐにばれた。
と、そこら中、穴だらけの虫食いドラマなんだ。
いっくら主人公のかっこよさや衣装と戦いシーンと破滅に向かう空間のCG
とかで魅せたとしても、こうも欠陥だらけだとな、騙されるのは・・・
で、一番ダメなのはさ、終末世界の全体像が示されていないってことなのさ。ドラマや映画の限界っちゃ限界なんだが、もう少し丁寧に知的構築作業に取り組んで欲しいと思うのさ。
特に、生産の問題、これをすっ飛ばしてる終末未来ものが多いのがとても気になるんだ、社会に興味ある、物書く立場の人間としてはね。
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