菜の花座、公演後の反省会。これまでと進め方変えて、まずはアンケートを読んだ。
うーん、厳しい意見もある。真っ向疑問ぶつけて来るアンケートもあった。でも、ほとんどは好意的な内容。まっ、見終わってからわざわざペン持ってくれるんだ、好感持ってなきゃ書きはしないわな。気に入らなけりゃさっさと出て行くもの。
テーマ、装置、衣装、照明、音響と項目ほ立てて、意見を求めたんだが、まず、衣装の評価が高かったのが嬉しかったな。衣装担当さんも役者たちも、繰り返されるダメ出しにもめげず、なんとかそれらしい衣装を探し出してくれた結果が評価されたってことだから。各役3回以上早変わりって努力も報われたな。
ダンスと音楽の評判も良かった。これには大いに安堵だぜ。なんせ、曲は大正時代に無関係の現代のポップミュージックだし、ダンスも今風の振り付けだ。何より、このシーンで踊る意味あんのか?って素朴な疑問には答えようがない。だって、菜の花座の舞台にゃダンスが入るんだから、って回答になってないよ。
思いがけず多かった意見が、笑いがあって良かったってものだった。ああ、そうか、これも菜の花座の芝居の特徴だったよな。テーマの重さに頭占領されて、所々仕込んだ笑いを、演出した当人が見下しちまってたんだ。
そう言やぁ、千恵とか
お仲さんとかジェッツとか
コミカルキャラも作ってたし、ダンスシーンにもギャグをけっこう仕込んでたんだっけ。
かなり深刻な、家出娘を探すシーンでさえも、笑い取る仕掛けをしていた。
だから、テーマについてもさほど違和感や反発なく観客の心に落ちて行ったんだ。こちらの問いかけを正面からがっしり受け止めてくれたってわけじゃないが、大切な内容、心に止めておくよ、ってあたりが大方の受け止め方だったんだろう。
ただ、ここは笑って欲しくない!ってところでも笑いが出たり、時にはちゃちゃが入ったのは、このお気楽気分の悪乗りを押しとどめるだけの気迫が足りなかったってことなんだろう。笑いと感動、この二つをしっかり行き来させる演出の技量、役者の演技力が求められるってことだ。
重いテーマを気軽く楽しむ、これ、菜の花座の宝物だったんだ。なにも深刻ぶって、衝撃与えるばかりが演劇じゃない。わざわざ、時間つぶし、金払ってまで劇場に足を運んでくれる観客の皆さんに不快な思いや辛い宿題だけ押し付けるってのはおこがましいってことだ。演劇の発端は戯作、河原者。皆さんに楽しんでもらって、なんぼ?の世界だ。
紗に構えつつ、視線は真っ向!この姿勢、忘れちゃなんねえぜ!
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