菜の花座11月公演の台本『蒼き森の館』仕上がったぜぇ。
今回は、きぱっと1カ月、書き方にかかりきったからな、ラスト数日は余裕で何度も見直しできた。上手い具合にラストのアイディアが浮かんだってことも大きい。
印刷した台本、劇団に持ち込んで全員で綴じ方して、いよいよ、最初の台本読みだ。今回は今まで違った趣向で読んでみようぜ。
事前の注釈やら、予備知識の挿入は一切しない。すべては台本に書かれた内容から、各自が読みながらストーリーやらキャラなりを見つけて行く。
ただ一つ、同じ名前の登場人物が二人いて、その二役の表記についてのみ確認した。
なかなかの高度知的作業だな。
なんでこんな不親切な導入で始めるか、って言ったら、そりゃ、メンバー一人一人が台本を読み切る力をつけてほしいからなのさ。
あらかじめ説明されていなくても、素の台本から極力多くのものをつかみ取る訓練だ。指示され教えられ、何度もセリフ読みのダメだしを受けつつ作品を理解して行く、それも大切なんだが、それって、待ちの姿勢になっちまうんだよな。
もっと意欲的に作品やセリフを自分のものにして欲しいのさ。各自が主体的に読みこめば、当然、作品の理解は深まり、さらに高い水準にまで仕上げて行けるわけだ。
理由はもう一つ、そろそろ演出できる人材を育てておかなきゃならんってこと。目星をつけていた団員、結婚・出産・退団、お決まりのコースをたどって、で残念、いや、おめでとう。
演劇経験がやや乏しい残ったメンバーから育ってもらうとなると、もっともっと意欲的に台本を読んで欲しいのさ。
舞台をたくさん見るってことも大事なことだが、演出は台本からイメージ立ち上げる力がないと無理だからね、そのためにもまっさらの台本をどんどん読んで、台本から舞台を想像できるようになって欲しいわけさ。
そんな思惑あっての事前レクチャーなしの台本読み、口出ししたいのをぐっと我慢の2時間だった、が、1か所だけ!この作品の決め手のシーン、村人多数が館の女主人に駐留軍相手の慰安婦になることを強いるシーン、この最重要の場面だけは、あまりに理解が不十分で、男たちの陰湿さとかうしろめたさとかが不足をしていたので、背景や作品中の位置などをくどく説明してしまった。
そう、ここが、一番の決め手で、このシーンを観客に突き刺せなければ、この作品、女たちの軽やかな反撃物語になってしまう。つまり、いつもの菜の花座、代り映えせずの舞台になっちまうってことなのさ。
この先も何度もダメ出しを繰り返す予感十分だな。
メンバーたちも、以前とは違って、それぞれ役柄やセリフを理解しようと努力してることがよく伝わってきた。その意味では、まずは試み、成功だったかな。
でも、やっぱり、こちらの要求水準には達していないんだよなぁ。
まっ、当然のことだけど、ここから大量かつ矢継ぎ早のダメだしを重ねに重ねて、舞台が作者の意図を表現するものになって行くってことだ。
持ち時間は3が月弱!どこまで仕上げられるかなぁ。勝負だぜ!
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