京都市上京区の北野天満宮では、1996年に本殿を修理した際、普段は本堂に安置され、開けることのない長持を運ぶ際に底が抜けたことで、中に納められていた木像13体の存在が明らかになった。
当時の古文書に、938年ごろ、平安京の道に神像があったという記録があり、同天満宮に収められたとみられる。
年輪年代測定法で10世紀後半の制作と判明した。
平安時代中期に邪気や御霊(ごりょう)を払うために平安京の大路小路に置いたとみられる木造鬼神像であることがわかった。
「小野宮年中行事」などの古い記録に登場する道の要所に置かれ、死者などの邪気を払うと信じられていた「フナドノ神(岐神)」や「チマタノ神(衢神)」と考えられ、実際に像が発見されるのは、初めてだそうである。
注:『日本書紀』の「岐神」「衢神」は境界の神の意。
おととし6月に国の重要文化財に指定された。
19日から、その重要文化財「木造鬼神像」を宝物殿で初めて公開する。
北野天満宮によると、平安京で10世紀半ば、邪気や死者の霊をはらうため街道の分岐点などに置かれた道祖神の起源とされるとみられる。
鬼神像は立像12体と座像1体。高さは46~71cmで、大部分はヒノキの一木造り。
口を固く結び、目を見開いた憤怒の表情で、腰布やふんどしをつけてずきんをかぶったり、髪が逆立ったり、手や足を上げたりしている。
9月30日まで。8月3日までと土、日、祝日、25日の縁日は午前9時-午後4時。そのほかは午前10時-午後1時。有料
[参考:京都新聞、
山陽新聞、読売新聞]