セブン&アイ・ホールディングスのマスコミ発表の文章をあらためて読み直してみた。ホールディングスはともかくも、まあ、カタカナの多いこと多いこと。「Holding Company(持株会社)って何なの?」の続きです。
株式会社セブン-イレブン・ジャパン(以下「セブン-イレブン」) 株式会社イトーヨーカ堂(以下「イトーヨーカ堂」) 株式会社デニーズジャパン(以下「デニーズ」)
…会社名は固有名詞なので仕方ない。でも、3番目のデニーズが、”Denny's”なのを知っている人、あんまりいないでしょう。
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さて、そのあとは出ること出ること... 日本語(漢字ひらがな)では表記できないのか考えてしまう。
スローガン
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「旗印、(企業)目標」ではだめなのかなあ。
サービス…これは難しいね。
事業ポートフォリオの最適化…ポートフォリオって何?
インターネットで調べたら、「事業の組み合わせ」を表す言葉のようだ。これでいいじゃないか。こんな風には言えないのかな。
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「事業の組み合わせ」が「最も効率よく利益が上がる」ように...
ガバナンスの強化…ガバナンスって何?
(コーポレート)ガバナンスは、企業統治(きぎょうとうち)と翻訳され、企業の内部牽制の仕組みや不正行為を防止すること、その機能。
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「企業統治の強化・一層の適正化」ではだめなのかな...
グループシナジーの追求…グループシナジーって何?
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「企業グループに属する各事業会社の連携による、利益の向上」ではどうなのかな。
ステークホルダー…ステークホルダーって何?何を持っている人のこと?
次のような個人・法人を指すようです。
株主等の投資家・従業員・顧客等・取引先・債権者・取引銀行・規制当局・マスコミ・同業他社・業界団体・地域社会・住民
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「株主、従業員、お客様、お取引さま、地域のみなさまなどの利害関係者」で問題ないと思うけど。
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努力をすればきちんと日本語で表現できる。確かにカタカナ語を使えば、「短く」表現できる。格好もいいかもしれない。でも、本当にそれでいいのか。よけいなお世話だが、「母語(日本語)」で表すことに汗をかくことも組織・企業として大事なのではないか。特に、「ステークホルダー」には地域社会や住民も含まれている。この人たちは多くの場合、経済・経営専門家でもないし、個別会社の経営方針に興味なんか、あまりない。でも、この人たちがお客様なんだから、わかってもらう努力が必要なんじゃないか。
本当はどうでもいいと思っているのだろうか。少なくとも時間と汗を脳みそにかかせることを厭わないとは言えませんね。
「地域社会・住民」を利害関係者とするならば、表面に並べるきれい事の前に、何で合併したか、底(基本)の部分の文を母語で書けないと言うことは、書いた人・発表した組織の思考能力の低下につながるような気がするんですけどね。
まあ、よけいなお世話だけど。。。言葉を使う努力をしないと、まずいんじゃあないのか。
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僕は教育機関につとめる公務員。組織としても、その一員としてもやはり母語で表現できるようでありたいとまじめに考えました。