【「100ます計算」の陰山英男氏、立命館小・副校長に】
「100ます計算」などの指導法で知られる広島県尾道市立土堂小の陰山英男校長(47)が、来春開校予定の立命館小(京都市北区)の副校長に就任することになり、尾道市教委が16日の市議会に報告した。
陰山校長は県教委の全国公募で2年前、土堂小に着任したばかり。県教委は「広島に必要な人材。慰留したいが、本人の夢もあるし……」と複雑な表情を見せる。
陰山校長は、兵庫県内の小学校教諭時代に計算や漢字の反復学習を提唱した。独自の教育観をまとめた著書はベストセラーになり、中央教育審議会義務教育特別部会の臨時委員も務める。
土堂小では、全学年の学力検査結果が1年間で全国平均を上回るなど高い実績を上げた。ところが、今月7日、学校法人「立命館」が陰山校長の立命館小副校長任命を発表していた。
陰山校長は「早い時点で自分の考えを保護者らに説明したいが、人事のことは、今は何も言えない」と言葉を濁している。
県教委教職員課は「期限を決めて募集したわけではなく、転職は自由なので、残留をお願いするしかない」と話している。(9月16日読売新聞)
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広島県教育委員会も尾道市教育委員会もバカだ。
陰山氏の教育実践者としての業績をどうこう言うつもりはないが、公務員として許されることかどうかを考えるべきだ。「任期を決めて募集したわけではない」そうだが、公務員は選挙で選ばれる場合を除き、その職が定年とされる年齢まで保証されているものである。だからこそ、高い倫理観や、期待、要求を受け、時には(公務員として)辛い目にもあうのだ。それでもその職を全うすることが、公務員としての、小さいけれど、大切な、誇りを持つべきこと、MUSTだと僕は思う。
前のエントリーにも書いたが、公務員には職務専念義務がある。彼は校長として100%その学校の仕事だけをすることが義務なのだ。著名人である陰山氏が、勤務校の校長を辞める。そして、私学の小学校の副校長になる。新小学校の児童募集の時期に合わせたようにそれが表沙汰になる。これだけの不祥事に広島県の教育委員会は何をうだうだしているのだ。まさかあと半年もこのまますすめていいわけがないだろう。
「任期を決めて募集してたわけではない」のならば、残留などお願いせず、転職は自由なのでお辞め願うべきである。解職すべきである。
「本人の夢」の前には公務員としての責任はどうでもいいのか。よくないだろう。この問題のハンドリングが日本中の教育公務員にどれほど今後迷惑をかけるか考えるべきだ。
何でも自由なのがよければ、公務員など辞めてしまうべきだ。自由競争&個人の決断でございますというような、何でも自由型の発想の校長などいらない。
上半期が終わる今月末が引き時である。この方の名前で卒業証書を出すことには強い違和感がある。
教育実践者としての業績で、公務員として許されないことをしてもお咎め無しというのはどう考えても変である。