『ホームページやブログなどに五輪期間中に情報を発信すると、五輪憲章で禁止しているジャーナリスト活動に抵触する恐れがある』
JOCが1月17日、トリノ冬季五輪に参加する各競技団体監督会議で、注意を喚起した。
いくつかのニュースサイトで取り上げられていたが、ブログを書くこと自体がジャーナリスト活動とされる「可能性」があるとのこと。
どんなブログがよくて、どんなブログがダメなのか線引きが難しいから、「可能性」なのかな。安全策を考えると、五輪期間中は情報更新をしない(させない)方がいいんだろうが、でも、ブログを書くことはジャーナリスト活動なのか。
と、いうことは、全英連参加者もいっちょ前にジャーナリスト?
…これは別問題。
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今回の五輪、参加選手で知っている選手のウェブサイトをちょっと調べてみた。
スキーのモーグル代表選手の上村愛子選手のブログは、エキサイトブログ。ページを見る限り特定のスポンサーはわからない。かなり頻繁なエントリーで、読むとおもしろい。
http://blog.excite.co.jp/aikouemura
フィギュアスケート代表選手の安藤美姫選手のウェブサイトは独自ドメインでショッピングまでできるようだ。安藤選手からのメッセージが掲出されている。ここがブログ的(?)といえば、そう言える。
http://www.miki-ando.jp/
スノーボード代表の今井メロ選手のウェブサイトにもブログがある。
http://www.itcubic.jp/mellow/
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大変失礼だけど、これらの選手たちのエントリがジャーナリスト活動(報道活動)なんだろうか。僕にはそうは思えない。選手たちの公開日記でしかないと思う。なんでジャーナリスト活動なんて仰々しいいい方になるのかな。それとも、記事・感想・日記、その様式を問わず、文字を書いて何かを伝えることが全部ジャーナリスト活動なのかな。
ブログのために、そのブログが広告になるから違反(商業的である)であるといいたいけど、現在のIOCはそれが言えるような状況ではないから、ジャーナリスト活動はダメだといって、それをやめさせる。
…論理が構成できない。
ブログに選手が特定の思想信条(政治信条)を書く可能性がある。たとえば、優勝してその国の選手が体制賛美の文章をブログに書き連ねる。そうすると、結果的に政治の介入を五輪が許す。または止められないかもしれないからダメ。
…期間中だけ禁止しても、あまり効果がないような気がする。
ある選手が(スポーツ)新聞などの臨時特派員になって、記事を書く。そうすると、よく言えば取材の平等性を欠く。悪くいえば、スポンサーである放送局等の放送権を侵害するかもしれない。お金が絡み、面倒なことになる。
…このあたりか?
もしも3番目ならば、そういうべきだろう。
本当のところはどこなのかな。五輪憲章を見てみた。
http://www.joc.or.jp/olympic/charter/main.html
規則59付属細則 5
いかなる事情があっても、オリンピック競技大会の開催期間中は、いかなる選手、コーチ、役員、プレス・アタッシェもしくはいかなる他の資格認定を受けた参加者もジャーナリストとしての認定を受けたり、もしくはなんらかの他のメディアの資格において行動したりしてはならない。
なぜかは書かれていない。そもそも、憲章を検索してみたが、「ジャーナリスト」の字句はここに1回しか出てこない。五輪憲章にはジャーナリスト活動うんぬんの前に、ジャーナリストの定義が書かれていない。
結局ダメだからダメということか。
何か、僕の予想が当たっているんじゃないかなあ。
いずれにしても、トリノに集うアスリートには、怪我なく悔いなく頑張ってほしいと思う。