全英連参加者のブログ

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222

2006-07-26 04:27:08 | 気になる 大学研究

【定員割れ4割 前年度比11ポイント上昇】

 今春の大学入試で入学者数が定員を下回り「定員割れ」となった4年制の私立大学は前年度より62校増、過去最悪の222校(日本私立学校振興・共済事業団調査)
 定員割れの割合は前年度比11ポイント上昇、40%を越えた。
 入学者が定員の70%に満たない大学数も前年度の52校から62校に増加。短大も定員割れ校の割合が51%(前年度42%)と半数を超える。
 入学定員3000人以上のマンモス大学(23校)だけを見ると、志願倍率は10倍を超、志願者数も約5万人増加。全体の約4%のマンモス大で志願者全体の約45%を占めている。

 ここまでは共同通信、毎日新聞の記事を参考にした。

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 何なんだろうこれは。
 詳しくは忘れたが、日本には私立大学が550校、在籍者がだいたい200万人だったと思う。そのおおよそ60%の120万人が、学生数6000人以上の大学(中規模大学)80校あまりに在籍している。残りの80万人はそれ以外の大学に通っていることになる。かなり乱暴な計算だが、80万人を470で割って、それをさらに4(学年数)で割ると、400ちょっとである。平均でこれだから、小規模の大学でも学生数の多い、少ないはある。本当に学生のいない大学は、すっごく閑散としているのが目に浮かぶ。
 地方の小規模の大学はどんどん学生数が減少している。

 日経の報道によれば、定員の5割にも満たない学校は、前年度から3校増えて20校(3.6%)となった。50%が経営の危険水域と書いてあったが、本当だろうか。
 短大は373校のうち193校が定員割れ。定員割れ率は51.7%と前年度から約10ポイント伸びた。

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 入学定員3000人以上のマンモス大学が全体の何パーセントの学生を実際に入学させたかわからない。また、全部が4年生大学とも言い切れない。6年生の学部だってあるからね。でも、最初に書いた80校あまりにほとんど含まれることは間違いないだろう。学校規模や地域によってごちゃごちゃ学生のいる大学と、ガラ~ンッとした大学に分かれるのは間違いないようだ。
 日経のいい方だと定員の50%確保が経営上の危険ラインだという。そんなことあるんだろうか。高校と一概に比較できないが、高校ならば、定員に達しないだけでも大問題である。5割に満たない学校なんてあり得ない。日経得意の経済・株式の考え方でこんなふうには思わなかったのかな。
 定員=株価額面
 ものすご~く乱暴な表現なのを断っておく。でも、高校教師の感覚だと、定員100人だったら、それが最低限だろう。額面(入学者数)が半分になったら、その年から先生は半分不要になる。学校だったら間違いなく統廃合だ。普通の会社だって、吹っ飛ぶんじゃないの? そんな感じがするのだ。
 高校教師から見ると、定員割れは大変なことである。

 何年かしたらこの「222」が悪夢の数字として語り継がれるようになるような気がする。
 事業団は「非常に厳しい数字だ。人気が2極化しているが、経営相談に主体的に乗り出し1校もつぶれないよう努力したい」と、話しているようだが、もはやそれは無理だ。学生の学習権の確保を深刻・早急に考えなければならなくなった。


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