4月22日朝日新聞が、「一般大学、初の海外勢 米テンプル大、09年度にも開設」という記事を載せていた。
その記事によれば、同大学が2009年度を目途に、日本の法律に基づいた学校法人を設立し大学を開設する計画があるようだ。大学に校地・校舎の所有を義務づけた規制が4月から撤廃されたためで、海外の大学が法人設立を通じて日本に本格進出する第1号となる見通しとのこと。
他紙の後追い記事がなかったので、感想をまとめてみたい。
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テンプル大学(アメリカ合衆国・ペンシルバニア州の州立大学)が、日本の法律(行政システムの規則)に従って、日本で大学を作る。これはなかなかすごいことである。現在でも、日本校とアメリカ本校では生徒の移動が可能なのに、どちらの大学を出ても、”きちんと”大卒になる。日本校ではなく日本の大学卒(朝日新聞の書き方だと、日本の大学卒の学位である、「学士」が取得できる。)になる。。。これは、語学系の専門学校、大学への進学を考えている生徒…今は比較することはできないだろうが、語学系の強うそうな大学(たとえば、ICU・上智・青山)などに進学することを考える生徒…にとって、選択の対象に、これまで以上になってくることを意味しているような気がする。
記事はテンプル大学に本校が海外大学日本校の草分けの一つであり、現在は約2800人の学生が在籍し、6割の1700人が日本人学生あること。東京・大阪・福岡の賃貸ビルに教室を持ち、授業は本校のカリキュラムに沿って英語で行っていることなどを紹介していた。若干、宣伝のような記事だと思った。
記事の書き方としてちょっと変だなあと思ったことは、同大学が日本の大学の基準を満たしておらず、日本校の卒業生は米国の学士号や博士号などしか取れないと書いていたことだ。「……しか」って、、、ねえ。テンプル大学って、かなりの名門大学だろう。
これから学校法人の設立、大学設置の認可申請になる。現状ではどうも日本の大学設置基準を満たすだけの教学スタッフ、基礎資産の調達などのハードルがあると思うが、株式会社立の大学よりもずっといい大学ができるのではないかという、漠然とした、何かを感じる。一般の大学になると、義務も生じるが、法人税が優遇され、教員数や留学生の受け入れ数などに応じて補助金をもらえるなどメリットも大きい。
大学全入時代に入った2007年。2年後どうなっているかは予想もつかない。さらに潰れる大学が出ているかも知れないが、ひょっとすると、これは黒船かもしれない。10年後、あの年がターニングポイントだったとふりかえるような出来事になっているかもしれない。