前にも書いたことだけど、自分の身の回りにない言葉は、何かのチャンスがなければわからない。こんなことを、2006年12月25日、「英語で主語がないのは。。。」で書いた。
Star Trekの映画で、こんな会話があった。
カークはネロとの戦いにおける功績を認められ、勲章を贈られる。同時にU.S.S.エンタープライズの船長職(指揮権)を、前任者パイク提督(大佐から昇格している)から、引き継ぐ命令を受ける。まさに大団円、一件落着のシーンである。カークはパイク提督の前に、ついと進み出て、こう言う。
①I relieve you, sir.
引き継ぎます
(交代いたします)
②I am relieved.
頼んだぞ
(これで、安心だよ)
③Thank you, sir.
どうも
(光栄です)
④Congratulations, Captain. Your father would be proud.
おめでとう船長 父上もよろこぶだろう
(おめでとう船長 父上もお喜びだ)
セリフは英語字幕、日本語字幕から。カッコ内は吹き替えのセリフである。読んでいて考えてしまった。『引き継ぎます』『頼んだぞ』... 僕に書けるだろうかと。
relieve obj.は「~の職を解く」という意味の動詞。①にあるように、確かに引き継ぐことになるけど、このまま日本語にしたら、「私はあなたを解職します(あなたの職を解きます)」である。relieveは野球のリリーフ投手という単語の元である。また、②も「私は職を解かれた」になる。もちろん辞書を引けば、近い例文はでている。でも、とっさに書けるか、言えるかどうかというと、不安がある。この映画を見たおかげで、こんな例文が僕の頭に入った。少なくとも目と耳から脳に一度は入った。自分の環境にない言葉は、やっぱりわからない。
映画は勉強するために見るものじゃないと思っている。だけど、結果的に役に立っている。
これまでのエントリ
2009.11.15、「Star Trek, Captain Pike and Others」
2009.11.07、「Star Trek, Live long and Prosper!」