【問い】
降格の反対語は何か。
【答え】
昇格である。
【なぞ】
果たして、生徒に向き合い、教育活動をするために選んだ仕事(先生)を、どういう理由にせよ辞めて、マネージメントに仕事を変えることが昇格なのか。
…僕は違うと思う。転職のような気がする。
主幹・教頭・校長は先生なのか。少なくとも教育(機関)関係者かもしれないが、”先生”なのか。
…やっぱり、元先生のように思える。
【勘違い】
管理職としても生徒にふれあうことや、間接的にメッセージを送ることはできる。だから、教諭でなくなっても教育者(先生)である。そんな考え方がある。でも、彼らは生徒たちにそう思われていると信じたいだろうけど、いつでもどこでも無条件にそうだというわけではない。そういう人が教諭に戻ることを、降格とはいわない。
新聞記者さんも行政、法律上の区分が実体を100%きちんと規定できると思う思わない方がいい。記者が編集者になったり、指示を出すデスクになったら、昇格か?記者はそう思うのか。思わないのではないか。降格という言葉、間違えていないか。
このエントリのタイトルは、5日新聞各紙が一斉に取り上げた記事にあった言葉である。
公立校の校長・教頭ら、希望「降格」最多の179人 2008年度(文科省調査)
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全国の公立小中高などで校長や副校長・教頭、主幹教諭ら管理職が一般教員などに自主的に降格する「希望降任制度」を2008年度に利用したのは179人。
2000年度の調査開始以来最多。
長時間労働が続く副校長や主幹が健康問題で希望したケースが多い。
…「管理職に負担が集中しない体制づくりを求めたい」(文科省)
希望降任制度は1990年代後半ごろから各地で始まり、現在47都道府県と15政令市の教育委員会が導入。
希望降任をしたのは一般教員を指導する立場である主幹教諭が最も多く89人。副校長・教頭は84人、校長は4人。
理由は①「健康上の問題」が95人(53%)で最も多かったほか、②「職務上の問題」44人(25%)、③「家庭の事情」40人(22%)
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<以下は悪口ではないよ>
主幹になりたての先生が、転勤していきなり教務主任に校長から指名されるような人事が、ずいぶん目立ってきているのではないか。
…こんなのうまくいくはずがない。
準管理職と見なされ、いきなり責任のある仕事を異動と同時に任される。こんなことをしていれば、病人はふえる。
…当たり前である。そもそも、こんなの無茶なのだ。
一般教諭と俸給表が違う(=給料が違う)人間が、いきなり主任になる。元々主任職は一生懸命やっても仕事量は多い。それが当該学校のルーキーが、がんばってもそんなにうまく行く方がまれ。こんなことをさせるから、カラダもおかしくなる。カラダがだめだとココロも危なくなる。この逆も同じである。降格希望の理由は一応分類されているけど、①の理由が②であることは、十分考えられる。
一生懸命まじめに取り組んでもそうなのだし、まして勘違いをして、きちんと校務分掌の意見集約とかができなかったり、仕事の方向性を間違えてしまえば、あとは自爆するだけである。こんなのどんな組織だって同じはずであって、学校だから目立つだけだ。
…こんな勘違いさんも、最近増えているような気がする。
そういうのは自業自得だが、周りの先生が迷惑するのである。