DVDが到着。見た。眠くても、くたびれていても関係なく、見た。書きたいことがそれこそ山のようにある。特典ディスクも全部見た。
★★★★★(5点満点)である。
一番印象的なのは、やはりスポック役のレナード・ニモイ、ザカリー・クイント2人の演技だろう。大変おかしないい方だけど、ニモイは、本当に、おそらくこれ以上ない後継者を得たと思う。
生のクイントは印象がニモイに似ている。でも、彼の演じるスポックは決して物まねではなく、全体から醸し出す雰囲気が、スポックの感じがする。正確にはニモイのスポックに似ているのだ。スポックにもこんな若い頃があったんだ。地球人・ヴァルカン人のハーフであることで疎まれた少年時代。同情され、苦しみながら成長した青年時代。スターフリートに入る決断までの苦悩。最初からLogic Logicと唱えていたわけじゃない。やっぱり悩み苦しみながら、周りと協調しながら生きてきた、育ってきたんだと思えて、すばらしかった。
ニモイ。懐かしく、うれしかった。劇場で見たとき、思わず涙が出そうになった。改めてDVDで見ても、やはりその存在感は半端ではなかった。彼は1931年3月26日生まれ。昭和6年である。撮影していた2年前で76歳である。メイクの部分と、実物(失敬)の部分、全体としてすばらしく素敵な年の取り方だ。声、昔の印象と変わっていない。話し方(もちろんスポック役だから、キャラクターの変更はないものの)もTVや映画6作のスポックが年をとった感じが出ていた。この2人を見るだけでも価値がある。
この映画でニモイのスポックとカークの”初対面”の場面もよかった。
”James T. Kirk.
”Excuse me?
”How did you find me?
”How do you know my name?
”I have been and always shall be your friend.
この台詞が出てきた映画がわかるものとしては、感激である。
”Look, I don't know you.
”I am Spock.
”Bullshit.
この若くて、無鉄砲で、聡明で、生意気なキャプテン・カークを演じるのは、クリス・パイン。映画で見た時に何か既視感があった。正確に言えば既聴感(こんな言葉はない)なのだが、声がStar Trek The Motion Pictureの頃のウイリアム・シャトナーに似ている感じがした。艦内放送で連絡をしたあと、"Kirk, Out."と言うとき(「カーキアウト」と聞こえる。)とか、映画の最後でエンタープライズが発進するとき、Dr.マッコイに"Bones"と呼びかけた声が非常に似ている。
Dr.マッコイ役の、カール・アーバンについては、去年ブログにも書いたことだけど、かなりいい感じである。改めてみても、話し方、台詞回しがすごい。癖のある、ファンならすぐわかる話し方。あの時書いたセリフもきちんとあった。「ジム、僕は医師で、物理学者じゃない。」と言っていた。うれしかった。やはりこの映画、カーク、スポック(2人)2役(3人)だけではダメ。ドクターがいて、この3役(4人、ややこしいな)がしっかりかみ合ってこその作品だ。オリジナルのキャストが作り上げたキャラクタの魅力と、新しいキャストが加えた新しさの調和がいいのだ。日本ではあまり評価されないStar Trekなのだが、やはり今作はいい作品だと思う。
3人以外のブリッジクルーについては、もう一回DVDを見てから書こうと思う。