全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

入試用務

2021-03-15 04:00:00 | 教師の仕事 2020

 入試の採点
 極度の緊張とたたかいながら、正確・公平・平等な採点をしなければならない。記述問題の採点は特に難しい。
 英語問題の英作文の採点は、県教委から「正答(例)」「採点上の注意」が示される。採点上の注意をクリアし、正答(例)とおりの解答ができるものは、県立高校全受験者のどれくらいいなるだろう。毎年考えてしまう。

 解答には様々なものがある
 正答ではなく、正答(例)だ。それが難しさの理由である。最近話題の言葉を使うならば、記述問題の解答には多くの「variants(変異種)」が登場することになる。誰でもわかることだ。だから採点上の注意には「観点」と「基準」が示されている。では、その通りに採点すれば済むのか。なかなかそうは問屋が卸さない。そこには以下のように明記されている。

 (次の)「観点」と「基準」に基づき、細部の採点基準を作成して採点する。

 正答(例)から外れる解答の〇X判断のため、各学校で細部の採点基準を作成せよということだ。これはかなり重要な判断が、各校採点者に委ねられていることになる。そうせざるを得ない。

 variantsをどこまで認めるか
 観点
 問題への正対
 指示に従って書かれた英文であるか。
 適切な表現
 内容を整理した上で、文のつながりや構成を考えた文章であるか。
 正確な表現
 書こうとしていることが読み手に正確に伝わる文章であるか。

 これらの観点に対して、それぞれ基準がある。基準から外れる(ずれる)と減点。難しいのは、減点が「程度に応じて」であることだ。

 程度
 程度の見方や感じ方は、採点者が3人いれば3通りである。だから採点者ごとに考えを提示し、すりあわせた後で採点する。これが「細部の採点基準の作成」である。それでも実際に採点すると、いろいろ悩む。
 少しでも疑義があれば、同一問題採点担当者間で相談。結論が出なければ、教科全体で協議。それでもだめならば、管理職経由で県教委に「ご質問」ということになる。
 採点中備忘録として、メモ・付箋紙がたくさん使われる。基準からvariantsがどの程度ずれているか、検証するためだ。とても覚えられるものではない。

***** *****

 不文律
 過去の経験から、勤務校では、ほぼ例外なく実践されている(いた)入試採点時のきまりごとがふたつある。

 一つは管理職の立ち会いである。採点時、国語の作文採点担当以外、5教科の採点担当者は1ヵ所で採点業務につく。採点には通常管理職が立ち会う。何をどうするわけではないけど、その場にいる。監督、監視ではなく、存在することを職務としている。
 もう一つは、採点完了まで「〇〇をしない」を、申し合わせている(いた)こと。これはQuizにしよう。解答は後日。


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