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1971年「仮面ライダー」(作:石ノ森章太郎)放送から50周年の記念日となる’21年4月3日に、製作及び公開が発表された『シン・仮面ライダー』。 脚本・監督には、大ヒット作品を送り出し続けている庵野秀明、主人公本郷猛・仮面ライダーには池松壮亮、ヒロイン・緑川ルリ子には浜辺美波、一文字隼人・仮面ライダー第2号に柄本佑を迎え、新たなオリジナル作品として制作。 |
映画のタグライン情報はこれだけ。確かにこれ以上書けばネタバレになる。終映後実感した。
僕(の世代)は仮面ライダーの《直撃》を受けている。番組で本郷猛が急にいなくなり、一文字隼人が登場したこと。(本郷役の藤岡弘さんが撮影中に大けがをしたため。)
後に本郷が復活。2人ライダーの活躍。それら一つ一つにわくわくしたこと。そしてV3の登場もよく覚えている。
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変わらぬモノ。
変わらないモノ。
そして、変えたくないモノ。
本作のキーワードだと思う。
人としてあり得ない力を付与された主人公本郷猛の苦しみ、戸惑い、悩み。本作の仮面ライダーは、オリジナルの仮面ライダーに近い。本郷はベルトに風をうけ、ヘルメットを装着し《変身》が完成する。
OPでショッカー戦闘員と戦い、圧倒的な力で鎮圧する。自らの力に驚く本郷。グローブ、ヘルメットを外したときの戸惑い。ここはTV放送と同時に連載された漫画と似ていると思う。
本作におけるSHOCKER・怪人(~オーグ)の設定について。
プラーナの力によって変身する昆虫合成型オーグメンテーション(オーグ)という存在が、本作における《怪人》である。
予告編に登場していたクモオーグ、コウモリオーグ、ハチオーグはそれぞれTVシリーズの蜘蛛男、蝙蝠男、蜂女に相当する。
カマキリ・カメレオンオーグは人間+2種類の生物を合成している。
本作におけるSHOCKER(ショッカー)は世界征服を企む悪の組織。
Sustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling(持続可能な幸福を目指す愛の秘密結社)の略称。何を持続可能な幸福と考えるかが、社会一般とはことなる。彼らなりの幸福追求が彼らの行動原理になる。そんなショッカーのオーグメンテーションの最高傑作が本郷猛・バッタオーグ。そのバッタオーグを作ったのが、緑川博士。その娘がルリ子。でも、この辺りのことはこれ以上書けない。
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西野七瀬のハチオーグは公開情報だ。でもね。。。
サソリオーグが〇〇、カマキリ・カメレオンオーグが〇〇、ショッカー首領の右腕ケイ(のCV)が〇〇...
ベルトにWタイフーンの仮面ライダーまで登場する。
本郷猛、緑川ルリ子の活動を支援する、政府の男〇〇と諜報組織の男〇〇は、庵野監督の作品のキーパーソンを演じた俳優さんである。
この人たちの出演事前情報は、たぶんゼロである。
よくもこんなにたくさんの...
庵野監督の「仮面ライダー」に、こんなに人があつまる。やはり何かある監督なのだろう。
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この作品の評価、間違いなく百点か、限りなく零点だ。
クモオーグのくだりは、TV作品リメークと思う。そのことをどう評価するか。
ハチオーグのシークエンスは、何だか東映「ヤクザ映画」みたい。
緑川ルリ子はアスカ+レイにも見える。本郷猛はルリ子によれば「コミュ障」だ。これでは碇シンジである。
本郷猛と一文字隼人が闘うシーン、ショッカーライダーのシーンはもう少し描きようが、、、
言いたいこと、突っ込みどころ山盛りである。でも、それだけおもしろい作品だと思う。「シン・エヴァ」を終え、AT Field全開ならぬ、Anno Field最大出力全開。なにか憑き物が落ちた庵野監督。やはりいい監督である。僕は☆四つ半。
-文中敬称略-