昨年5月2日、僕はこんなことを書いている。
+++++ +++++
...誤解されたくないので最初に書くが、僕は「瀬戸内海の島」に文句があるわけではない。日本が嫌いとかじゃない。ただ、ジブリのあの作品イメージが強すぎる。だからなんだか不思議な感じがして、気になるのだ。
僕はあの映画は、現実とは異なる時間軸のヨーロッパ(南欧)が舞台で、科学技術は1950年頃を描いていると思って(感じて)いる。
・・・パンとバターと潮風の似合う映画。まあ、勝手な思い込みだ。
実写映画で、日本の女の子が主役。当然日本が舞台になる。でも、瀬戸内海。なんだか、漁港、漁師町。ご飯とお味噌汁&焼き魚の似合う映画のように思えてくる。この「感じ」を裏切ってほしい。絶対見に行くから。
+++++ +++++
14日(金)勤務時間後、その「魔女の宅急便」を見てきました。
あのときは書かなかったことだが、僕の周りには「魔女の宅急便」をジブリ作品がオリジナルだと考えている人がかなり存在する。あの映画、小説のアニメ化である。ただ、ジブリブランドで有名になったことは、まぎれもない事実。僕も原作の存在は知っていたが、読んではいない。だから、僕の「魔女の宅急便」の基本的なイメージも、上に書いたようなものである。
+++++ +++++
主役キキを演じるのは小芝風花(こしば・ふうか)さん。ここ半年、映画の公開が迫るにつれ、どんどん有名になった。
作品中のキキは13歳。大きな不安を抱えながら、魔女の掟に従い、魔女のいない街で一年間すごすことになる。精一杯背伸びをして、大人になろうとする。時には虚勢をはる。一生懸命がんばる。でも、見知らぬ土地で、周囲の無理解や悪意に心が折れることもある。
小芝さんは16歳。初主演映画が「魔女の宅急便」実写版である。映画を見て、彼女の演技が上手かどうか、正直評価がしがたい部分はある。でも、スクリーンの中のキキ(の心理状態)と、初主演のプレッシャーの中で演じる小芝さん(の素の部分)が、なんとなくオーバーラップした。はらはらしたし、ほほえましいなあとも感じた。
アニメ版クライマックス。飛行船事故で絶体絶命のトンボを助けるため、キキはデッキブラシで空に舞い上がる。街の人たちの注目・思いがキキに集まるシーンである。今作にも場面設定は異なるが、キキの働きに街の人たちが注目するシーンがある。なんとなくだが、「キキ、がんばれ」と思っている自分がいる。でも、なんだかお父さん目線のような気がした。
・・・年をとったんだな、僕も。
+++++ +++++
ストーリーはアニメ版と全く別の作品である。ネットでは、主人公のキキが飛ぶ姿がいろいろ言われていた。それは大事な要素かも知れないけど、絶対条件ではない。大事なのは、ものがたりとして、見ることができるかどうかである。
この作品は、僕の「感じ」を見事に裏切ってくれた。ほんわかしたファミリームービーである。
☆三つ半はあげていい。