「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が世界遺産に登録され、その一つの宗像大社へ初詣に行ってきました。
正月3が日の道路も参道も相当な混雑が予想されるなか、息子がスマホのナビを使って山道を迂回したので、全く渋滞に巻き込まれること無く快適な初詣になりました。車のナビだけでは高速自動車道で2キロも続く渋滞の中でイライラしていたはず。情報格差の大きさにつくづく考えさせられました。
参拝ルートは先ず本殿・拝殿へ。16世紀終わりに再建されたものです。石畳の参道を横並びにしずしずと進むもっとも混雑しているところです。ほとんどの参拝客はここで終わりのようですが、社殿の背後に回ればもっと素晴らしいところがあります。
拝殿の裏手の道を5分ほど上っていくと高宮祭場へ。宗像大神「降臨の地」と伝えられ、沖ノ島と並んで宗像大社境内で最も神聖な場所のひとつになっています。
樹木を依代(よりしろ)としており、社殿が建設される以前の神社祭祀を継承し、全国でも稀な静寂にいだかれた祈りの空間です。手前の柵に拝所があり、木々に神を感じる厳かな空気の流れに自然崇拝の念を強くしました。今回一番気にいった拝所です。
(左)第二宮に田心姫神(沖津宮)、(右)第三宮に湍津姫神(中津宮)の分霊を祀り、これで宗像三宮をすべて参拝したことになります。現在の社殿は昭和50年に伊勢神宮から下賜されたもの。
参拝ルートの最後には国宝8万点を収蔵する博物館「神宝館」があります。
「金製指輪」「奈良三彩小壺」「カットグラス」「鉄剣」など、美しい形と色を留めた小ぶりな希少貴重な出土品は必見。
さらに、錆びたおびただしい数の小鉄片が、朝鮮半島との交流を開始した大きな理由だという説明は目新しい情報でした。滞留時間は約3時間半、参道の出店の匂いは空き腹に強烈でした。
帰りは金印発掘の島・志賀島を一周ぐるりと回り、海岸の美しさと日没の瞬間の美しさを、夕方の冷たい風の中で堪能してきました。福岡市にもこんな美しい海岸があったのです。
近いようでもなかなか行く機会のなかった宗像大社、私の希望を実現させてくれた息子に感謝しています。