新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

ハングル文字のイタリア小話

2006年11月30日 | くらし

061127mattake_007_1トルコツアーでメンバーだった77歳のとりごえさんから、旅の写真と自筆のハングル文字の記事が送られてきました。ツアーへの単独参加も15年続けている韓国語学習にもただ感服するばかりです。77歳の賢い老婦人の生き方には大変元気づけられました

記事の内容が面白かったので、了承を得てここに載せることにしました。ハングル文字の下に和訳が書かれているので、それを忠実に表記します。

『 イタリア珍道中……現地ガイド等の面白い話を聞きました。初日ローマからポンペイに向かう途中、高速道路の周辺に立つ掘っ立て小屋がありました。あそこにはジプシーが住んでいます。彼らは親分が運転するベンツに乗って仕事をしにいきます。その仕事は掏摸(スリ)、置き引き、ひったくりです。その周辺の建物は不法建築が多いですが、イタリアでは20年過ぎれば自分の所有物になります

捨てられた犬、ネコは殺さないで人々が温かく見守って自由に生きています。皆さん犬の糞には気をつけましょう。

医療費は原則として無料です。友人の日本人女性は車を持っていないので、骨折したとき毎日救急車が迎えに来てくれましたと言っていました。

レストランでは無料の水など絶対に出てきません。水よりもワインが安いです。化粧室も有料です。

私は以前新聞で、イタリアは国民の合意で原発を拒否したことを知っていましたが、節電は徹底しています。ホテルの夜の廊下は薄暗く、朝の7時ごろフロントから近い化粧室で途中停電になって、すっかりあわててしまった人もいました。時間が過ぎれば自動的に停電になる仕組みでした。

また商店は日曜日が休日、月曜日も午後3時に店が開きます。

日本は、深夜営業などあまりにも無駄なものに囲まれている生活を考えさせられました。

         03.11  とりごえ 』

この旅行は10数年前のようで、今はまた状況が変わっているところもあると思います。私が訪れた頃はもう停電には会いませんでしたが、やはりミネラル水がワインより高かったのが印象的でした。

数年前ご子息のご家族と10数日間のニュージーランド旅行をされたとき、自分の体は8日間までの旅行にしか向いていないからと、一人で飛行機を乗り継いでさっさと帰国されたとか。自分の限界をわきまえることの大切さと勇気に感心しました。

戦後、相当な困難にあいながら38度線を越して日本に帰ってこられたそうです。その死ぬような困難に打ち勝った自信と勇気に裏打ちされた考え方と行動力。戦後に生まれた私には話でしかわかりませんが、とりごえさんの人生を垣間見る思いでした。

Torigoe写真はとりごえさんによる池坊佳月式 。とにかくどこを切っても知性とバイタリティーが見えてきます。背筋もピッ!心もピッ!頭脳もピッ!を心がけた老婦人の素敵な生き方に乾杯です。

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「サングリア」

2006年11月29日 | 食・レシピ

庭のグランドカバーに「ペニーロイヤルミント」を検索していたら、それよりも面白い記事に出会いました。SARAHと一緒のブログです。

なんとサングリアが自宅で6時間でできるというもの。材料は全部揃っているし早速作ってみました。夜中に気になってちょっと試飲。「なんと!美味し~い!」。翌日の夕食が待ち遠しくて・・・。

061127mattake_010_1奥に見えるガラスの瓶に、リンゴ、キーウィー、みかんのざく切りとシナモンスティックを入れ、ワインを注いでおくだけです。 

で、サングリアの肴はトマトのチーズ焼き、銀杏、かまぼこ、手作りちりめん山椒、きゅうりのねぎミソ。ちょうど外国産の松茸が手に入っていたので土瓶蒸し。大根の酢の物、かぶの葉の煮びたし、豊後霜ふり鯵の塩焼きと相変わらずの和洋折衷。

スペイン旅行で本場のサングリアを飲みましたが、こちらの手作りのほうが断然美味しく感じました。ちょっと甘みがあるので夫好みではないなと思ったけど、「これならいける。」のひと言に、残りのワインもドバドバドバと瓶に注ぎ足し、また明日の夕食に飲むつもりです。こんなに美味しくてどうしましょう!

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「柿の葉」に感激!

2006年11月21日 | くらし

宅急便が届きました。幼馴染の友人からです。パッケージの絵からすぐに柿ということが分かりました。

061121kaki_003 ところがあけてビックリ!! 一面に見事に紅葉した柿の葉が敷き詰められていました。「柿の葉ってこんなに美しく紅葉するの!」「柿の葉ってこんなに大きくてきれいなの!」「なんて素晴らしいアイディアなの!」「やっぱり主婦の鑑だーっ!」と、思いはいっぺんに噴出しました。

広い柿園のある家に嫁いだUさんは、ご主人のお仕事柄柿園は専門家に任せて、管理だけをしています。自宅庭に続く柿園はなだらかな山裾につながり、その見事な借景(自分の土地だから借景じゃないですよね)は、見るものを酔わせてしまいます。

一度自宅に招かれ、庭でバーベキューのご馳走になりました。そのとき「かっぽ酒」の準備もしてありました。何でもこの日のために、竹林に踏み入り青竹を切り出してきていたのです。Uさんの深い心遣いに感激し、『ご馳走』の意味をかみしめました。やはり、文字のとおり走り回り誠意をつくすところに意味があるのですね~。

きっと自宅で採れたのでしょう、青いレモン2個も入っていました。なるほど・・・、青いレモンは、やはり「♪♪おーさな馴染みの思い出は~♪」を運んできてくれました。

体も脳もだんだん下り坂になっている今日この頃、時折電話で話して思うのですが、Uさんは、主婦として人として日々進化しているようです。学ばなくては! さりげなく「山苞のおすそわけに・・・」と書かれた一筆箋に、筑後の穏やかな平野を思い浮かべました。

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「コダチダリア」なんですね!

2006年11月19日 | ガーデニング

私のブログによく来てくださるpapahaponさんのブログを見ていたら、私と全く同じアングルで同じ花を撮った写真がアップされていました。一瞬「私の写真?」と思ったほどでした。 福岡と宮崎の同時テロならぬ同時撮影です。

061116nitinan_023 宮崎の歴史の町・飫肥を散策中に、個人の庭に咲いていたのを、「何の花だろう?」と美しさのあまり近くまで行って撮ったものです。

papahaponさんのブログでやっと分かりました。「コダチダリア」というのだそうです。丈の高い花で見上げる格好になりました。ブログが植物辞典の役割とは面白いですね。

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日南海岸

2006年11月17日 | 国内旅行記

機会があって母と日南海岸に行きました。

日南の海は、波打ち際に漂着物もゴミも浮いていないのが信じられないくらいの美しい海で感動しました。雑多な物が流れ着く日本海側の海。大陸や半島に近いからかな・・・とは私の感想。

061116nitinan_014_1 宮崎はプロ野球の各球団のキャンプ地。ダンロップ・フェニックスの開催を控え、ウッズ選手も宮崎入りをしているもよう。まさにスポーツの街の様相を呈していました。泊まったところが南郷プリンスホテルとあって、ライオンズのキャンプと同宿でした。ラッキー!ホテルはこの海岸に面し、こんな美しいところにライオンズは陣取っていました。

選手は砂浜で朝礼を終えると、観光客とは別のレストランで朝食。夜のリラックスタイムにも、部屋の片隅で談笑しながらピッチングのフォームの研究。テーブルには4、5本のビール瓶が・・・。自由時間でも、さすがプロは熱心です。松坂選手が抜けた後を補わないといけませんからね。

ちなみにジャイアンツ歓迎のたれ幕もありました。立派な屋内球場と屋外球場を持っています。一軍選手は車で二軍選手はランニングで球場に向かうとか。スポーツの世界もなかなか厳しいようです。

061116nitinan_029 宮崎は、街路にワシントニア・パームの規則正しい並木が続き、エキゾチックで清潔感漂う美しい街並です。

061116nitinan_007都井岬の野生馬。全く人を恐れません。夕刻になると自然に集団ができていました。

061116nitinan_046 九州のおへその部分、そして神話のふるさと高千穂。垂直に切り立った峡谷は圧巻です。紅葉のピークは一週間後とか。九州人にしては初めての訪問でした。

061116nitinan_016飫肥杉で有名なというより、NHKテレビ小説「わかば」で名を馳せた飫肥。飫肥城は隠れた名所で、九州人にも知名度は低いようですが、武家屋敷にその生活のあとが偲ばれる静かな落ち着いた町。小村寿太郎の故郷でもあります。15年前に来たときよりかなり観光客が増えていました。

『いも、栗、カボチャ』は女性の三大好物とガイドさんのお墨付き。 おみやげがカボチャの丸ごと味噌漬け、栗100%の羊羹、いきなりだんご(サツマイモの厚切りに小豆餡をのせ、小麦粉の皮でくるんで蒸したもの)と、いつの間にか「三大」が揃ってしまいました。地元のちょっと田舎っぽい食べ物には魅力がいっぱいです。

061116nitinan_009 そうそう美味しかったものに、地酒の冷酒「綾錦」があります。こんなに丁寧に冷やしてくれました。

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トルコ旅行 9日目

2006年11月09日 | '06 トルコ旅行

現地時間18時のトルコ航空に搭乗。成田着は日本時間12時25分。

061031toruko_490シートは2列4列2列の歓迎座席!翼の上だったけど窓際の2列がとれでラッキーでした。洗面グッズのサービスも往きと同じ。

061031toruko_489食事もワインも満足です。12時間半の旅のなぐさみ。エコノミー症候群予防の体操も、テレビ画面を見ながらやりました。

061031toruko_025 前のシートに、スカーフをお洒落に巻まいたティーンズの女の子2人が座っていて、いろんなものをシートの下に落とすので、拾ってやっているうちに、会話が始まり意気投合。言葉は分からなくても何とか通じるもの。空手のグループで日本に行くところで、日本語の挨拶の発音や名所の場所などを教えました。若さと華やかさとフレッシュさがまぶし~い!最後に「ボン・ボヤージュ!」というと、両方のほっぺに頬ずりで別れの挨拶をしてくれました。とっさに手作りのキーホルダー2個をバッグからはずして渡すと大喜び!心と心が通じれば心地よさが残ります。いい旅の思い出でした。

今回のツアーに77歳の老婦人Tさんが一人で参加。いつも一人での旅とか。旅の心得、マナー、国際感覚、その体力にも感心しました。私がその歳になったときは・・・と思うと、とても自信がありません。でも、大きな元気と勇気をもらった思いです。

061031toruko_391 コンスタンチノープルの歴史小説は読んでいても、トルコのイメージが今ひとつ掴めなかった私。実際にその国を見ることは一番の理解につながります。広大な畑、発掘された歴史遺産、イスタンブールの歴史遺産、トルコ絨毯の技術、チャイを楽しむゆとり、自由なイスラム教徒、日本語の上手な人の多いこと・・・などなど、認識を変えることばかりで大変有意義な旅でした。私の中の世界が、また温かい広がりを持ちました。

安全な旅を提供してくれた添乗員さん、堪能な日本語で細かい説明をしてくれたガイドさん、安全運転のドライバーさん、本当にありがとうございました。テシェキュル・エデリム(ありがとう).

予定通り、無事成田に到着。家まであと一息です。

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トルコ旅行 8日目

2006年11月08日 | '06 トルコ旅行

061031toruko_143_4今日はトルコ観光最後の日、小雨です。イスタンブールの天気はあっという間に変わります。

最後の朝食。多種類のトルコ料理ともお別れです。底にドロッとした粉が残るトルココーヒーも、40度あるラクも、チャイも、「一番搾り」のざくろジュースも、さくらんぼジュースもためしました。やはりチャイが飽きがこなくて、チャイグラスとチャイを購入。チャイの淹れ方は、日本語のレシピを立ち読みし、要するに湯煎で10分煮出すとのこと。

061031toruko_280_1バスの中からみたローマ時代の水道橋。スペインのタラゴナやセビリアの水道橋を思い起こし、ローマ帝061031toruko_163_3国の大きさと技術に改めて感動しました。

気になっていた堅固な城壁の一部を見ることができました。厚さ20mほどの城壁の断面。この崩壊がビザンチン帝国の崩壊でした。城壁をはさんで、オスマントルコとビザンチン帝国が激しい攻防を繰り返したのです。

061031toruko_301_1061031toruko_177_116世紀中ごろのスレイマニモスク。オスマン帝国最盛期のスルタン、スレイマン1世の命により、建築家シナンにより建てられた帝国最高傑作といわれています。モスクの広さ3400㎡、ドームの高さは47m、まさに帝国繁栄の象徴ともいえる建造物です。

061031toruko_290061031toruko_474_1ガラタ橋を渡り新市街へ。カフェでチャイとシミット(リング状のでっかいゴマパン)のティータイム。チャイグラスがかわいい!手のひらに気持ちよくなじむサイズです。大体100mlぐらい。

市街を歩くと、その国にとても親近感がわきます。生活感って大体どこにも共通項があります。花は世界中どこでも美しいものです。

庶民的なエジプシャンバザールと、観光客相手の少々割高のグランドバザールに行きました。迷子になるほど広い、広い!何を買っていいか分からないほど。お店の数と商品の多さに酔ってしまいそうでした。

061031toruko_373_1すべての観光が終わった貸し切りバスの中は、みんなのお土産の荷物が増え、高かった、安かった、買い忘れた、など最後の声を乗せて一路アタチュルク国際空港に向かいました。

18時発、トルコ航空成田行きに搭乗。ラハスマラドゥック(さようなら)トルコ!ありがとうトルコ!

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トルコ旅行 7日目

2006年11月07日 | '06 トルコ旅行

今日はイスタンブール市内観光です。昨日までとは打って変わってた都会の喧騒、「生」がひしめき、うごめいて活気があります。

061031toruko_424新市街にある ドルマパフチェ宮殿は、トプカプ宮殿の老朽化にともない、19世紀中ごろ建造された大宮殿。オスマン帝国末期の6人のスルタンの居城として使われたところです。幅600mのバロック様式の建物は、ボスポラス海峡に面するまさに「水の宮殿」です。

061031toruko_412 1923年共和国になりスルタン制が廃止され、以後建国の父ケマル・パシャの大統領官邸として使われて、現在ではガイドつきツアーのみが見学を許されているところです。

061031toruko_331ケマル・パシャはトルコの父として「アタチュルク」の称号を与えられ、今も「アタチュルクさま」として国民の尊敬を集めています。29日は「共和国の日」で祝祭日でした。美しいトルコの旗が街中にひらめいていました。

061031toruko_420帝位の間。ヴィクトリア女王から贈られた4500kgのシャンデリア。キャンドルは750本。外界との交渉は一切許されず、鎧戸の中でしか生きられなかったというハレムの女性達。室内のインテリアは贅を尽くし、庭園に海水を引いて水遊びをしたそうですが、胸が詰まる話です。ハレムからガラス戸越に階下の広間は覗けても、広間からは女性達の顔は絶対に見えないように工夫されいるのも、かえって哀しみしをそそります。スルタンは嫉妬深かったとか。

061031toruko_265 ボスフォラス海峡クルージングでは、船上から両岸のヨーロッパとアジアの景観を楽しみました。第2ボスフォラス大橋は日本の企業も参加しています。

061031toruko_459まず、有名なブルーモスク。6本のミナレット(尖塔)が天を突くようにそびえています。名前の由来は、ドーム内部の壁や柱が美しいイズニック・タイルで飾られているところからきたもの。スルタンの権力を象徴して、荘厳な雰囲気の漂う空間です。

061031toruko_466地下宮殿。ビザンチン帝国時代に作られた大地下貯水池。水道橋から引いた水がここに蓄えられ、トプカプ宮殿にも供給されたとのこと。300本ほどのコリント式の柱で支えられています。天井から落ちる水滴を気にしながらライトアップされた場内を一巡しました。

061031toruko_460 アヤソフィアは残念ながら外から眺めただけ。2つの宗教の間で揺れ動いたイスタンブールの象徴であり、歴史の生き証人としての姿をしっかりと目に焼き付けました。

061031toruko_473 トプカプ宮殿。15世紀にイスタンブールを征服したメフメト2世が建設したもの。18世紀初頭までスルタンの居城だったところです。残念ながらハレムは見学できませんでした。

061031toruko0001_1ここにはうなるほどの財宝が展示された宝物館があります。圧巻は、『トプカプの短剣』と86カラットのダイヤモンド(絵ハガキ)。撮影禁止。世界の旅行者の行列が続いていました。もうもう数え切れない財宝の数で、これだけあると凡人にはただのガラス玉にしか見えません。西欧の宝物のデザインの美しさに比べると、宝石の数で競った感がなきにしも非ず・・・とは負け惜しみ・・・。

061031toruko_475 庭園のテラスからマルマラ海の眺望を楽しみました。

061031toruko_049 夕食は、オリエント急行終着駅のレストランで。みんなで食べる最後の晩餐です。ホテルに帰って最後のハマムとプールを楽しみました。

一般の店はかなり安いです。ホテルの近くのガソリンスタンドでミネラルウォーター500ml 2本とさくらんぼのジュースで2.75トルコリラ。5つ星のホテルは都会的な雰囲気でした。

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トルコ旅行 6日目

2006年11月06日 | '06 トルコ旅行

6日目は、カッパドキア2日目のハイラ061031toruko_320_1イト、061031toruko_343_1きのこ岩やタケノコ岩の見学です。

三美人の岩。まさに奇岩です。火山灰と溶岩が降り積もってできた凝灰岩は、長い年月をかけてゆっくりと侵食されていきました。そして、硬い岩の部分だけが侵食されずに残り、今のような奇岩が生まれたということです。温度9℃で風があり寒かったです。。

ゼルベの奇岩。地質が悪く風雨による侵食が進んでいるようです。

061031toruko_357061031toruko_349 パシャーバー地区。キノコの形に似た妖精の煙突が点在する谷間です。おみやげの店もたくさん出ています。「2個で千円!」の声がかかり、無視して通り過ぎると後から「3個で千円!」の声が追いかけてきます。さらに「5個で千円」が聞こえてきました。千円は、トルコ人の商売の単位のようです。

かって教会だった窓から外を見たところ。岩は、手でこすると砂が剥がれ落ちてかなり柔らかいです。土台の部分が侵食や風化の影響を受けると、支えを失った頭の帽子もやがては崩れ落ちてしまうことでしょう・・・。

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061031toruko_364061031toruko_365次はウチヒサール。ここで昼食です。

061031toruko_374061031toruko_376食後、灰色をした岩山が連なる谷を、眼下に眺望しました。絵画のバベルの塔そっくりです。ハトの巣専用のたくさんの小窓も彫られています。

061031toruko_322ギョレメの谷

凹凸の激しい奇岩群の中に村の家があります。よーく見ると小窓が開いています。人の息遣いが感じられます。このようなところに人が住む不思議さと歴史にしばし思いをはせました。

高台の休憩所でチャイを飲みながら眺望しながら、石の家の内側を見てみたくなりました。旅人にはメルヘンチックにすら映ります。

061031toruko_130061031toruko_119絨毯工場にも立ち寄り、織り方がやっと納得できました。縦糸に、ひとつひとつ染めた横糸を結び付けていくのです。根気と技術には気が遠くなりそう!

キリムを織っているところ。「ぺルシャ絨毯」の一つ結びの織り方と、赤い二つ結びの織り方は手間のかかる丈夫な「トルコ絨毯」の織り方。この二つ結びで強度が全然違ってくるそうです。ペルシャ絨毯のほうが世界的に有名になったのは、宣伝にたけていたから・・・とは工場主任の説明です。

061031toruko_496覚悟して清水の舞台から飛び降り、シルクのトルコ絨毯を買いました。小さなタペストリーですが、織るのに6ヶ月かかるとか。滑らかで光沢がありカラーと模様にも満足です。表と裏が同じ柄で両面使えるとか。ここが本物かどうかのポイントだそうです。織子さんは国家公務員だそうで、絨毯の保証書が美しかったのにビックリしました。

午後8時30分、カイセリからイスタンブールへのフライトです。カイセリの小さな飛行場は日本人の観光客でいっぱいでした。係官がウエストポーチを掲げながら、「アオキサン、イマセンカ?」と落し物の主を探していました。海外でこういう光景は珍しいと思います。なーるほど、なかなか信頼厚い国だと実感しました。1時間あまりの飛行ですが、ちゃんとランチボックスのサービスがあり感激!

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トルコ旅行 5日目

2006年11月05日 | '06 トルコ旅行

5日目は、コンヤから強大なシメジ茸のような世界遺産カッパドキアに向かいます。

061031toruko_288061031toruko_258 コンヤはセルジュク朝の首都であり、シルクロードの拠点でもあり途中にキャラバンサライ(隊商の宿)があります。宿泊したり馬をつないだり、当時は無料だったとか。

ニョキニョキ岩が増え始めるとカッパドキアです。昼食は洞窟レストランで。洞窟という名前に、冒険心がかき立てられます。

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061031toruko_281ぶどうの糖度が高いカッパドキアのワインは、トルコで一、二を争う美味しさだとか。クセのないさらっとした上品な甘さと深みのあるワインでした。

061031toruko_307061031toruko_500_1カッパドキアの陶器工房で製作過程を見学。やっぱり欲しくなりました。値切り交渉は失敗。税金分を引いてくれましたが。

カイマクル地下都市は地下7階、深さ75m。もろい感じの岩は、彫るのには適していたのでしょう。キリスト教徒たちの隠れ家だったといわれています。都市機能に必要なものがほとんど揃っていたとか。アナトリアの広大な土地に、ここしか身の安全を守るところがなかったのかと思うと心が痛みましたが、人の知恵の大きさと生きることへの挑戦にまたも驚きました。

061031toruko_323夜はまた、洞窟レストランのベリーダンスショーへ。ベリーとはお腹という意味だそうです。機械仕掛けのように細かくよく動く腰!美しい肢体!男性以上に、女性のほうが「こんなになれたら・・・」とひそかな願望を持って見ていました。客の中からダンサーに手を引っ張られて、一緒にぎこちなく踊る男性群。ご苦労様でした!

ホテルに帰り着いたのは11時。スーペリアクラスのホテルなのに、夜遅くてハマムを楽しむ時間がなかったのが残念。今日の走行距離は230km。

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トルコ旅行 4日目

2006年11月04日 | '06 トルコ旅行

 4日目は、写真でよく見かけた温泉が流れ出る白い石灰棚。世界遺産パムッカレの観光です。

061031toruko_150061031toruko_146 パムッカレとはトルコ語で「綿の城」の意味。遠くから見るとまるで雪が積もったように見えます。

 壮大な石灰棚は、温泉水の中の化合物炭酸カルシウムが、台地を流れ落ちながら少しずつ固まってできたもの。気の遠くなるような年月を経てできた自然のなせるワザとはいいながらも、まるで人工のような美しさと規則正しさがあります。

指定された場所には、靴を脱いで入ることができます。これがツアー客達の夢でした。滑らないように、小学生のようにはしゃぎながら楽しめたひとときです。手持ちの温度計では33℃でした。

 近くには、墓地跡ネクロポリスがあり、多061031toruko_183数の石棺061031toruko_125や家型の墓などが見られました。

昼食はレストランで。トルコ料理ですが、その中に薄いトルコ風ピザがあり美味でした。

  午後は、延々とコンヤへ向かい、車窓の風景を楽しみました。数十キロ走るごとに、景色も地質も地形も農家の作りも微妙に変わります。大理石の切り出し場も多くて、切り出した岩肌がまるで大理石を張った美しい山?と見まごうところもありました。ホテルも大理石をふんだんに使い、さすが産出国です。

061031toruko_215061031toruko_188 

 コンヤ市内ではメヴラーナ博物館へ。イスラム神秘主義教団のメッカで、美しいコーランや衣装が展示されています。

 デラックスなこの日のホテルでは、ロービーでや食堂で生演奏があり食事も満足でした。種類が豊富なのでつい食べ過ぎてしまいます。そろそろ食べ過ぎで体調を壊す人も出てきました。

 トルコの生活を垣間見るのも旅の楽しみ。日本なら「お茶をする」のは女性。でもトルコでは男性です。何時間もチャイを飲みながらくつろぐようです。

061031toruko_221061031toruko_239 夕食はホテルで、トルコ料理のバイキング。本日の走行距離410km。風邪気味の人もいましたが、ダウンすることなく観光と食事とドライブインでの買い物を楽しみました。

トルコの素敵な女性たち。政教分離で宗教もあまり厳しくなく自由なようです。素敵なスカーフと巻き方が印象的でした。文明の十字路は人種の十字路かな?目が大きくて、色は白く、チャーミングな女性が目立ちました。今度生まれてくるならトルコ・・・かな。

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トルコ旅行 3日目

2006年11月03日 | '06 トルコ旅行

3日目はエーゲ海最大の遺跡群が眠る古代都市エフェソス観光です。

061031toruko_098エフェソスは、ギリシャ時代には小アジアの最大の都市として君臨しましたが土砂災害の一大事も経験。紀元前133年にローマの属領となってから25万人の大都市に発展します。数々の遺跡がきれいな形で保存されており、古代の都市がイメージできて、私の疑問が少し解けました。

セルシウスの図書館。12万冊の蔵書を持ち、湿気対策も万全だったとか。アレキサンドリア、ペルガモンに次ぐ世界第3位の図書館。

Photo061031toruko_089 ニケのレリーフ。無造作に立てかけられて、博物館のような物々しさはありません。石の文化の強さがわかります。

公衆浴場もあり、その水の流れを利用した公衆トイレが左の写真。丸い穴に並んで腰かけ議論もしたそうな。下水完備とはまさに都市の機能を備えています。

061031toruko_102061031toruko_082娼婦の館の石看板も残っています。大通りは大理石で覆われ、クレオパトラとアントニオも通ったそうです。

柱はいくつかに分割したものをつないでいたようで、つなぎ目を固定する穴もありました。

061031toruko_107幅145m、高さ30m、2万4千人収容の巨大な野外劇場。青銅、陶器の拡声器を使い音響効果も工夫されていたそうです。現在もコンサートに利用されているとか。

土木建築の技術、美術、知恵、もう私の人知の及ばないすごい遺跡です。2時間もその世界に浸れたことに強く感動しました。

エフェソスにはオリーブ畑が広がっています。ドライブインで、カモミール入りのオリーブ石鹸とばらの精油入りのオリーブを買いました。それほど割安感はなかったけど、ここにしか売っていないと聞くとやはり買ってしまいます。手に塗ってみると確かに効果がありそう!

061031toruko_492ほとんどの売り子さんが上手に日本語を話します。トルコリラ、ドル、カード、日本円OK。1万円出すと、おつりを千円札、百円玉、十円玉でくれてビックリ!こんな経験は初めてで、日本人はお得意さんなのでしょう。歴史的にも親日的なのは感じで分かります。

革製品の工場へ案内されました。これもスケジュールに入っています。リズムに乗ったモデルさんたちのファッションショーを見ながら、ふるまわれたチャイを飲み、心はどうしたら買わないですむか・・・を思案しました。子羊の皮はとろけそうなくらいに柔らかく、ほとんど高級布の感じでしたが・・・。ツアー客の中から2名のモデルがステージに登場。特異な体験は旅のエピソードとして花を咲かせることでしょう。

061031toruko_070061031toruko_067061031toruko_066昼食は、シシケバブ。 おばあさんが焼いていたナンも出ました。美味しかったです。

夕食はホテルで。かなりの種類のトルコ料理のバイキングでした。ハマムの入り方がよく分からなかったので、温泉プールにだけ入りました。玄関には★★★★★が表示.。しかしバスタブの栓がありませんでした。

走行距離は午前中250km。午後185km。まだまだ疲れは出ていません。

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トルコ旅行 2日目

2006年11月02日 | '06 トルコ旅行

061031toruko_018イスタンブールを基点に、トルコの左半分を、時計とは逆の左回りの旅です。

マルマラ海を左に見ながら霧の中を走ると、日が昇るにつれ快晴に。ヨーロッパサイドのゲリボルからダーダネルス海峡をフェリーで渡りアジアサイドのラプセキへ。陸上ではないので、境界を越えた実感がわきます。

世界遺産トロイ遺跡観光が今日のテーマ。トロイ、ホメロス、「イーリアス」は、遠い夢の言葉だと思っていたのに、目の前に紛れもなく古代都市の遺跡が!

061031toruko_040061031toruko_006紀元前3000年~紀元400年まで、気の遠くなるような昔に存在したトロイ。その間の繁栄と衰退の繰り返しが、9層の遺跡になって重なり合い、今でも発掘が続いています。

人が伝説上の都市だと疑わなかったトロイを、シュリーマンは固く信じて、広大な土地の中に発見したのです。遺跡発見が目的ではなく、金、銀、財宝が目的だったので、遺跡はかなり破壊されていました。

ローマ時代の遺跡はよく残っていました。古代人の文化への意気込みを感じるべくそっと触れてみました。

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061031toruko_028061031toruko_027061031toruko_026トロイ戦争に登場する巨大な木馬を再現したものが、私達を見下ろしていました。その表情には愛嬌を感じます。遺跡は1時間もあれば一通り回れます。

昼食は魚の料理。豆のスープは味が独特ですが、食べているうちに不思議に舌に馴染んできました。デザートは、甘いケーキをさらにシロップ漬けにしたもので、近年甘さ控えめの日本人にとっては、甘さの2乗、かなりきついです。

ドライブインでのトイレ休憩。チップは0.5トルコリラ。2005年にデノミが行われ使いやすくなっていました。ほっ! 1新トルコリラ≒87円=1000000トルコリラ。デノミがなかったら、買い物が天文学的数字になってしまうところでした。よかった!

061031toruko_055今日は目的地まで走りに走った1日でした。ホテルまでの走行距離は約345km。つらいという人もいるけど、私には車窓の景色も旅のうち。食料自給率100%のトルコの畑は、日本からは想像もつかないほど広く、バラエティに富んでいて、美しく見ていても飽きませんでした。

観光客9名、添乗員さん、現地ガイドさん、運転手、アシスタントの計13名の大型バス旅行は随分楽でした。一人で座席を何席も占領し、写真を撮るたびに右列左列自由自在。贅沢な空間を楽しみました。

ドライバー氏の見事なハンドルさばきと安全運転に感謝!飛行機移動までは、一人で5日間の連続運転です。日本製のバスが 多くてとても親近感がわきました。

061031toruko_052 ホテルのテラスからエーゲ海が望めました。中学生の頃、「エーゲ海」はギリシャ文明を表す遠い遠い言葉でした。その頃は、ここへ来れることは予想だにしませんでした。時代の流れに感慨深くしばしたたずんでいました。

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トルコ旅行 1日目

2006年11月01日 | '06 トルコ旅行

海外旅行のたびに、旅先の選択肢の中のトップになることはなかったトルコ。しかし今回は心の奥に眠っていたトルコへの思いを実現することと、スペイン旅行で見たイスラム文化の街に心惹かれるものがあったからです。

快晴の中の福岡空港を飛び立ち関西空港へ。そこからトルコ航空直行便でイスタンブールへ向かいました。9日間の旅のスケジュールに胸が躍ります。

強大なローマ帝国にかげりが見え始めて、4世紀末には東西に分裂。その後東ローマ帝国は、首都コンスタンチノープルに華やかなビザンチン文化を形成し発展させます。それがオスマントルコ軍によって陥落したのが1453年。名前もイスタンブールに変わりました。それを描いた塩野七生著『コンスタンティノープルの陥落』を読んで以来、払拭できない物悲しさのようなものをずっと心の奥に引きずっていました。

強固な三重の城壁で守られていたはずのイスタンブール。それを破ったオスマントルコ。キリスト教世界とイスラム世界が激しく覇権を争ったこの地をぜひ一度は訪れてみたいと思っていました。

061031toruko_001_1初めてのトルコ航空利用でしたが、今ではエコノミークラスでは提供されることのなくなったスリッパと洗面グッズのサービスがありビックリ。小物でももらうとわくわくします。ワインもプラスチックのカップに注いでくれるものでなく、なんと小瓶ででます。なんとなくリッチ!

イスラムの教えに従って『Our meals do not contain  pork products 』のメモが添えられていました。何故かお酒はいいようです。映画を楽しみながら、12時間の長旅です。

061031torukoジャンボ機ではないので、ペアで参加すればどちらかが通路側になります。ラッキーにも、3席を二人で使えて気分的にも身体的にも楽な機内でした。

トルコ航空はなかなかサービスが行き届いていました。

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