トルコツアーでメンバーだった77歳のとりごえさんから、旅の写真と自筆のハングル文字の記事が送られてきました。ツアーへの単独参加も15年続けている韓国語学習にもただ感服するばかりです。77歳の賢い老婦人の生き方には大変元気づけられました
記事の内容が面白かったので、了承を得てここに載せることにしました。ハングル文字の下に和訳が書かれているので、それを忠実に表記します。
『 イタリア珍道中……現地ガイド等の面白い話を聞きました。初日ローマからポンペイに向かう途中、高速道路の周辺に立つ掘っ立て小屋がありました。あそこにはジプシーが住んでいます。彼らは親分が運転するベンツに乗って仕事をしにいきます。その仕事は掏摸(スリ)、置き引き、ひったくりです。その周辺の建物は不法建築が多いですが、イタリアでは20年過ぎれば自分の所有物になります。
捨てられた犬、ネコは殺さないで人々が温かく見守って自由に生きています。皆さん犬の糞には気をつけましょう。
医療費は原則として無料です。友人の日本人女性は車を持っていないので、骨折したとき毎日救急車が迎えに来てくれましたと言っていました。
レストランでは無料の水など絶対に出てきません。水よりもワインが安いです。化粧室も有料です。
私は以前新聞で、イタリアは国民の合意で原発を拒否したことを知っていましたが、節電は徹底しています。ホテルの夜の廊下は薄暗く、朝の7時ごろフロントから近い化粧室で途中停電になって、すっかりあわててしまった人もいました。時間が過ぎれば自動的に停電になる仕組みでした。
また商店は日曜日が休日、月曜日も午後3時に店が開きます。
日本は、深夜営業などあまりにも無駄なものに囲まれている生活を考えさせられました。
03.11 とりごえ 』
この旅行は10数年前のようで、今はまた状況が変わっているところもあると思います。私が訪れた頃はもう停電には会いませんでしたが、やはりミネラル水がワインより高かったのが印象的でした。
数年前ご子息のご家族と10数日間のニュージーランド旅行をされたとき、自分の体は8日間までの旅行にしか向いていないからと、一人で飛行機を乗り継いでさっさと帰国されたとか。自分の限界をわきまえることの大切さと勇気に感心しました。
戦後、相当な困難にあいながら38度線を越して日本に帰ってこられたそうです。その死ぬような困難に打ち勝った自信と勇気に裏打ちされた考え方と行動力。戦後に生まれた私には話でしかわかりませんが、とりごえさんの人生を垣間見る思いでした。
写真はとりごえさんによる池坊佳月式 。とにかくどこを切っても知性とバイタリティーが見えてきます。背筋もピッ!心もピッ!頭脳もピッ!を心がけた老婦人の素敵な生き方に乾杯です。