新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

「ラデツキー行進曲」に手拍子で参加

2025年01月11日 | 音楽
太田弦さん指揮のニューイヤーコンサートを、妹の熱望で一緒に聴くことできました。

新春だけにステージにも演奏者にも工夫が見えました。
女性演奏者は、いつもの黒っぽい服とは違って裾が床に着く色とりどりのドレスが華やか。太田さんの人柄も相まって、観客との距離感がぐんと縮まりました。
歌姫・小川栞奈さんのソプラノをシュトラウスの間に挟んだプログラムも素晴らしかった!
無意識に口ずさむメロディが、レハールの「金と銀」の中のフレーズだということも初めて知りました。
今回は打楽器の活躍場面が多く、新しい年のスタートにメリハリがつきました。

プログラムも終了後も、観客はアンコールは当然「ラデツキー行進曲」と暗黙の期待。
指揮者は棒は振らずに、観客の方を向き手の振り方で手拍子の強弱を示唆。
ウィーンのコンサートでもこの手拍子を経験しましたが、今回の方がずっと気持ちが入り込めました!
会場の全員も行進曲の初めから終わりまで演奏に加われて、今までにない高揚感のうちに終了して大満足でした。
楽しい楽しいニューイヤーコンサートでした。


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♬♪♫~第9♪♪♬♫

2024年12月21日 | 音楽
今年の聴き納めのコンサートは「第9」です。3階までびっしり!

指揮は沼尻竜典さん。お気に入りの2階席が取れなかったので、指揮者の真後ろの9列目ですが、楽器の音も上から降ってくるような感じで、この席もまたいいなと思いました。後方の楽器が見えないのが残念。
100人は優に越えていた合唱では魂の叫びが、ステージから観客に向かって放出されました。ど迫力!!

独唱の4人が第4楽章演奏中にそろりそろりと入場するのは初めてでした。普通第3楽章が始まる前が多いのに慣れていましたが、別に気にはなりませんでした。

3日前、NHK BSP4Kで「第9」の生放送がありました。
ファビオ・ルイージさんの指揮で生放送が聴けるなんて、すごいクリスマスプレゼントになりました!

しかし今日の九響の「第9」も負けてはいません。演奏を生で聴くことの素晴らしさは何にも増して心を震わせます。
すべての楽器、独唱、合唱が渾身の演奏をする、やはり「第9」は特別です。
拍手がなりやまずカーテンコールが3度もありました。

今年のコンサート、リサイタルは18回。昨年みたいに体調不良でキャンセルすることはありませんでした。
昼間のコンサートはほとんどが妹と一緒ですが、お互いに来年もそうありたいと願って別れました。



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HIMARI  ヴァイオリン・リサイタル

2024年12月14日 | 音楽
今日は、私よりも妹が熱望していたHIMARI さんのヴァイオリン・リサイタルです。
チケットはオンライン購入でしたが直ぐに完売。地方都市だからこそ手に入ったのだと思います。

「吉村妃鞠」の名前はニュースで目にしてはいましたが、まだ13歳の経歴がすごい!
3歳で始めたヴァイオリンが3ヶ月後にはバッハを!6歳でプロオーケストラと共演。
ヨーロッパのコンクールで神童と報じられるとたちまち世界の名だたる交響楽団と共演しています。世界のオーケストラに招聘された数の多さが実力の証です。
現在は、最年少合格した米国のカーティス音楽院(大学と同等)に在学中の3年目です。

2025年3月には、ズービン・メータ指揮でベルリン・フィルのソリストとしてデビューすることが話題になっています。
ベルリン・フィルとの共演はプロなら誰しも垂涎の的ですが、それが難なく飛び込んで来るのが13歳の今のHIMARI さんです。

今日はソロ・リサイタルですが、とても楽しみにしていました。

・冒頭のベートーヴェン : ヴァイオリンソナタ第7番。とても13年生きた人の出す音色とは思えないほどのびのびとクリアな音色に聴き入りました。
・コリリアーノ : レッドヴァイオリン・カプリスは、今のHIMARI さんが弾くのにぴったりの曲でした。
・ドヴォルザーク : ロマンス  
・武満徹 : 妖精の距離
・ヴィエニャフスキ : スァウストの主題による華麗なる幻想曲

選曲も、ヴァイオリンとHIMARI さんの良さがまんべんなく引き出されるものでした。

ヴァイオリンは前澤友作さん貸与のストラディバリウス「Hamma」。
弓の元から先まで緩やかに引いて紡がれる澄んだ美しい音色に、とても得した気分でした。
機会があったらもう一度聴きたいHIMARI さんのヴァイオリンでした。


リサイタルの協賛が「茅の舎」で、なんとプラグラムの袋に「野菜だし」がはいっていました。

ラッキー!こんなの初めてです。


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ブーニン ピアノ・リサイタル

2024年12月04日 | 音楽
1985年のショパンコンクールで、圧倒的な演奏で優勝したスタニスラフ・ブーニン。日本でもブーニン旋風が吹き荒れました。
その後旧ソ連から母親と共に西ドイツへ必死の亡命、日本人女性と結婚します
しかしピアニストに致命的な肩の骨の石灰化という難しい病気にかかります。更にそのリハビリ中に足の骨折、足の壊死、困難な手術……と心身に深い傷を負い一線から退きます。

そして妻栄子さんの強力なサポートで回復に向かいます。10年の時を経て、療養生活と復活に向けたドキュメンタリーがNHKで放送され大きな話題を呼びました。

そして満を持して、今年から来年にかけて10か所でリサイタルが開かれることになりました。

当時、その旋風に乗れなかった私は、まさかここにきて生ブーニンさんに会えるとは思ってもいませんでした。
チケット発売日はパソコンの前にスタンバイして、やっと希望の席をとることができました。案の定、チケットは即完売です。

今日のリサイタルは、華々しいショパコンの記憶があるだけに、最初の1音に胸がどきどきしました!
しかし10年の空白はヴィルトゥーゾは影を潜め、緩やかな曲ばかりになっていました。
左手がやはりコントロールが効きにくいのか、平板な伴奏になって繊細さときらめきを感じ取れませんでした。というよりは、ピアノの弾き方を変えたというのがいいかもしれません。
手術で8cm短くなった左足には超厚底の靴。ペダルの感覚も取りにくいでしょう。
しかしピアニストには考えられない10年の空白を越えてステージの復活を果たしたことに大きな意義があるのでしょう。
ファンはブーニンさんを忘れず、この日が来ることをずーっと待ち続けていたようです。

10年の空白を越えてステージに戻ったブーニンさんに向ける、満場の観客の眼差しはとても温かいものでした。
この応援とピアノ愛がブーニンさんの回復を更にいい方向に導いてくれることを信じています。


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美しいピアノリサイタル ( 坂本彩&坂本リサ )

2024年11月28日 | 音楽
超難関ミュンヘン国際音楽コンクールピアノデュオ部門で、福岡出身のピアニスト姉妹が日本人として初の3位入賞・特別賞・聴衆賞を受賞という新聞の記事を目にしたのは数年前でした。
郷土出身というだけでも嬉しいニュースでしたが、他の数々の国際コンクールで優勝したりと活躍されていたようです。
その姉妹のリサイタルが今日でした。
2歳違いでともに芸大大学院、その後姉妹一緒に海外へ。4年間のドイツ留学を終えて今年帰国されたそうです。

最初の曲。スリムな体のどこから力がでるのかというほど、エネルギッシュなルトスワフスキ「パガニーニの主題による変奏曲」が素晴らしかった!

スメタナ「モルダウ」ピアノ版。数ヵ月前に聴いたプラハ放送交響楽団とはまた違って、ヴルタヴァ河のさざ波のきらめきが繊細に聞こえました。

ブラームス「ハイドンの主題による変奏曲」10曲はドイツでの卒業試験で弾いたという力のはいったものでした。
各変奏曲は伸びやかだったり、ゆったりしたり、軽快だったり、リズミカルだったりとそれぞれが違う曲に思えました。

ピアノデュオのリサイタルは初めてでしたが、4本の腕と息がこんなにぴったり合うことに感動!また聴きたいと思います。

YouTubeを覗くと、実家に3台もグランド・ピアノが並んでいました。美しい言葉づかいにも所作にも、慈しんで育てられたことがしのばれて、親御さんのサポートの素晴らしさが感じとられてとても好感がもてました。
受賞後はオーケストラとの共演やリサイタルで活躍されていたようです。ちなみに、姉妹共に囲碁三段の免状保持者だそうです!

坂本彩、坂本リサ/『Duettist』|クラシック

第70回ミュンヘンARD国際コンクール ピアノ・デュオ部門で第3位に入賞した坂本...

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♩♪♫♬♩♪♫♬♩♪♫♬
「美しい」と言えば、数日前にBS4Kでカルロス・クライバー指揮の「ニューイヤー・コンサート1992年」を聴きました。
クライバーの横に大きくふる指揮棒と左手の動きの美しさが管弦楽の音を生き生きと引出し、こんなに美しい指揮を初めて見た気がして、しっかりと瞼に焼きついています。
孤高のカリスマ指揮者と言われるのがよく分かります。
なかなか放送されないけど、情報をキャッチして、もう一度聴きたい!


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マルティン・ガルシア・ガルシア ,Piano

2024年11月02日 | 音楽
手元に今年中のチケットが5枚あります。そのうちの1枚が今日。リサイタルに行けるか危うくなりかけたけど、無事聴くことができました。
というのも、今週初め、夫が家の中でも介助が必要なほど腰に激痛が走りました。2階から下りられません。

もともと脊柱管狭窄症の病名を持っているので、整形外科でカロナールを出してもらうと、これが意外なくらい効果があり、少し落ち着いたところで病院へ。
レントゲンでは骨折はなく、MRI で脊椎靭帯骨化症とわかりました。治療法はないということで、とりあえずカロナールを飲んでいます。脳神経外科では長期服用のリスクを言われましたが。

取り敢えず、昨日から症状が落ち着いています。ということで、無事リサイタルに行くことができ、久しぶりに妹にも会えました。

3年前のショパンコンクール以来、テレビ出演でも顔を見ているし、人懐っこい感じが好感が持てます。
ポロネーズの引き初め、指が高音に滑り出した途端、ああ来てよかった!その音色だけでガルシアさんのピアノがわかりました!

前半はショパンオンリーでしたが、後半はスペインの作曲家モンポウの「ショパンの主題による変奏曲」。
前奏曲7番を主題に12の変奏を展開するもので25分間も。
哀愁あるファリャを思い描いたり、スタッカートの効いたエネルギッシュな音にフラメンコをイメージしたり、やはりスペインの香りが漂いました。

男性客が目立ったし、スタンディング・オベイションや口笛もあり、演奏者としては嬉しかったと思います。アンコールが3曲も!
リストやラフマニノフの2曲。シューベルト「楽興の時」は、まるでピアノが歌っているような素晴らしい演奏でした。

今年は、チョ・ソンジンさんとガルシエさんのピアノを聴けたことが大収穫でした。素晴らしい音色がずっと頭に残っています。
あと4枚のチケットも無事に消化できますように・・・。






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ベルリン・バロック・ゾリステン & ヤン・インモ

2024年09月22日 | 音楽
ベルリン・バロック・ゾリステンは、ベルリン・フィルの首席奏者たちで創設され四半世紀と新しいのですが、メンバーのひとりひとりが華麗なソリストで構成されています。

本日のソリストは、ヴァイオリンのヤン・インモさん。
ソロ演奏者は、名のある交響楽団とどのくらい共演しているかが大切です。楽団や指揮者に招聘されるソリストの演奏は間違いなく素晴らしいからです。

ベルリン・フィルの公演は福岡ではなかなか期待できません。もっとも高額すぎて手が出ませんが。
せめてもと、メンバーの室内楽や関係ある楽団はチケットを取ることにしています。

が、それ以上にヤン・インモさんの演奏が圧巻でした!今まで聴いた日本の著名なヴァイオリニストの「四季」をはるかに越えていました。

「四季」の内容が今まで聴いてたものと違って、絃楽器との掛け合いも素晴らしく、それぞれの季節がくっきりと浮かび上がります。
インモさんは、パガニーニ国際ヴァイオリンコンクールで1位、シベリウス国際ヴァイオリンコンクールで1位、著名指揮者との共演も多いのが頷けます。

全身全霊の演奏でアンコールの体力は残っていないだろう思っていましたが、鳴り止まぬ拍手にこたえて、再び「四季」の「夏」の激しい「第3楽章」でした。なんとアンコールが本演奏と同じという選択!
この熱演が観客の心をつかみました。これでヤン・インモファンは急上昇間違いなしです。

韓国は音楽環境がいいのか、先のピアノ、チョ・ソンジンさんのピアノもそうでした。
この2人の名前を見つけたら、必ずチケットをとろう!

今回は妹との席が離れていたので、コンサートが終わったときは混雑の中で見失ってしまいました。スマホで連絡をとろうとしていたら、なんと目の前に友人が出現!
こんな状況の場での偶然と同じ感動を共有しあえたことで、喜びが倍増しました!



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マリン・オルソップ 指揮 ウィーン放送交響楽団 with 角野隼斗

2024年09月12日 | 音楽
9月7日~9月19日の18日間に8会場を駆け抜けるウィーン放送交響楽団のハードな日程。指揮は首席指揮者のオルソップさん、ピアノソロは角野隼斗さん。台風シーズンのツアーを無事乗りきってほしいと思います。

ショパンコンクール直後、指揮者オルソップさんと角野さんのコンサートがありCDも発売されました。それ以来お二人は国内外で共演し、今回のウィーン放送交響楽団の来日では、指揮者が「ピアノは角野さんに」と熱望されたとか。

過日、ロンドン交響楽団とユジャ・ワン公演のメールが入りましたが、2万円を越すとは高すぎ・・・、パス。
しかしテレビのワルトビューネ・コンサートでユジャ・ワンの演奏を聴いたら、ぜひ生で聴きたいと強い欲望が!
チケットサイトに行くと、すでに完売していました。聴く機会が少ないと思うコンサートには思いきりが必要でした。

そういう意味で、ウィーン放送交響楽団とオルソップさん、角野さんのコンサートはとても満足のいくものになりました。

はじめて聴く、モンゴメリー:ストラム。ビオラのピチカートで始まった音は琴の音みたい。道長が庭を眺めている物静かな場面をイメージしてしまいましたが、斬新な現代音楽でした。

角野さんとモーツァルト?と思いましたが、カデンツァの部分が角野さんのオリジナルのようでした。ピアノは一音一音がクリアで音の粒がしっかりしていて、モーツァルトの美しいメロディにぴったり。ただヴィルトゥオーゾの発揮はなし。

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
変奏曲が続いているから今第4楽章だなと思うほどの長丁場。演奏者も全開、聴衆も息をのんで聴き入りました。交響曲は力になります。

アンコールがよかった!
⚫角野: 華麗なる大円舞曲
⚫交響楽団: アイゼンドレ「アツィンヘイラ」は面白い曲作りでした。
⚫交響楽団: シュトラウス2世「シャンパン・ポルカ」は、ポンと音がしてピンポン様のものが客席に飛んで笑いが起こり、ニューイヤーコンサートを思い出しました。陽気で楽しいウィーンっ子の雰囲気です。

かなりハードな指揮でしたが、オルソップさんはタフでした。
角野さんも楽団が後ろに控えると、ソロの自由な雰囲気と変わって、たたずまいも世界のピアニストという雰囲気でした。
35℃の昼間も、夜の9時を過ぎればすっかり秋の気配でした。





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今日いち-2024年8月31日

2024年08月31日 | 音楽
ショパンコンクールを見据えて、オールショパンかと思っていたらプロコフィエフのソナタが入っていました。

技術に加えて端正なマスクとスリムなボディに、早々とチケットは完売。台風が避けられてよかったです。
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アフタヌーン・コンサート

2024年07月28日 | 音楽
37℃という暑さの中で、猛暑の夏の最後の予定「2人の巨匠によるアフタヌーン・コンサート」に出かけました。「国際音楽セミナー2024」の一環です。
ヴァイオリンはキリル・トルソフ。
ブラームス:ヴァイオリンソナタ3番、ヴィターリ:シャコンヌ、ヴィエニャフスキ:華麗なるポロネーズ。
ピアノの木口雄人さんとの息がぴったり合って盛り上がりました。
アンコール曲のチャールダッシュがよかった!

ピアノはアンティ・シーララ。
32のピアノ・ソナタを作曲したというベートーヴェン。
その第30番は流れるように始まった第1楽章が、第3楽章で6つの変奏曲から壮大な終盤へと繋がり、これぞベートーヴェンだ!

ブラームスもベートーヴェンも、暑さを吹き飛ばすようなエネルギッシュな曲と演奏でした。


夫の夕食は準備して出かけたので、私は外食をして帰るつもりでしたが、ちょうどバスが来たので思わず飛び乗りました。最近は早く家路につきたい気持ちが強くなっています。
ということで、夫の夕ごはんとは別に自分の食べたいもの。パンから遠ざかっているでのでパンにしよう!この際栄養はどうでもいいのです。

準備していった夫の夕ごはんはハンバーグ。最近のこの作り方が気に入っているのはミンチ肉が食べやすいからのようです。
私が出かけるときは、(不平がでないように?)手を抜かないように心がけています(((^_^;)
 
私の、朝食みたいな夕ごはん。

トマトとみょうがと大葉のサラダを塩分を気にしないで作り、たっぷり食べて、オンザロックもちょこっと添えて、幸せな夕食でした。


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指揮・太田弦の九響コンサート

2024年07月21日 | 音楽
妹が太田さん指揮のコンサートを聴きたいと言うことで、3席残っていた中の2席をぎりぎりゲットできました。いつもは敬遠する4列目でしたが、今日は指揮者に近くてより親近感がわきました。

各曲目演奏の前の指揮者直々の解説が分かりやすく、人柄がにじみ出た語り口は観客を虜にします。
指揮者・太田弦の名にし負う「弦5部」編成のコンサートでした。

ドビュッシー、バーバー、オネゲルという「マイナーなプログラムだったので席が半分埋まるか心配していましたが、こんなに来てくださってありがとうございます」という太田節に、満席からの大きな拍手で和やかなスタートになりました。

驚いたのは、2部のバーバー「弦楽のためのアダージョ」。
弦の音色が静かに祈るように響きだした時、あれっ、これは映画「プラトーン」の音楽だ!ええっ!

30年前の映画「プラトーン」の映像と音楽に魂を奪われ、涙を流し胸を詰まらせながら観た感動は今でも薄れていません。
家族に「私の葬式にはこれを流して」と頼んでいた曲でした。

憂いと哀しみと清らかさと苦しみを含んだ魂の音楽。当時は映画のために作曲された音楽と思っていましたが、映画より50年も前にバーバーが作曲したものだったのです。
その感動を呼び起こしながら、名曲を生で聴けたことが今日一番の大きな出来事、猛暑も何のそのでした。

首席指揮者といっても、次の指揮は、11月の定期演奏会まで待たないといけないようです。




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プラハ放送交響楽団 & 三浦文彰

2024年07月08日 | 音楽
待望のプラハ放送交響楽団のオール・チェコ・プログラムです。
フルートとクラリネットで始まる「モルダウ」。こんなに美しい出だしの「モルダウ」があったのか!と最初から感動で胸が熱くなりました。 
演奏者と楽器が見える生きている音。CDとはまるで違います。これだからコンサートはたまりません。

プラハ放送交響楽団はチェコを代表するオーケストラのひとつ。音楽監督も兼ねる指揮者ペトル・ポペルカはスケール感たっぷの素晴らしい指揮者で、来年からはウィーン交響楽団の首席指揮者にも決まり、ヨーロッパで旋風を巻き起こしている有望株だとか。マエストロ、まだ若いのです。

男性の演奏者が全員燕尾服というのも驚きました。椅子からツバメのしっぽが垂れ下がる威厳と品格から演奏者の音楽に対する姿勢がしのばれました。
最も心に残る素晴らしい楽団のひとつです。指揮者と楽団に出会えたことに感謝しました。

もうひとつの「プラハ交響楽団」は以前に聴いたことがあります。チェコはいい!
チェコの街並みは旅行者もすんなり受け入れてくれる温かさがあり「また来れたらいいね」でした。
もう行くことはなくても、こうしてチェコと出会えることは嬉しいことです。

三浦さんのヴァイオリンも風格が備わって実力者の位置は不動。ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲は体力を必要とするようでしたが、そこはベテランという感じでした。

圧巻の「新世界」。親しみのある曲だけに、それを最高の音で聴けた聴衆のどよめきと歓声が全てを表していました。
妹と一緒でしたが、言わずとも2人とも感動を共有しているのがわかりました。

もしまたプラハ放送交響楽団を聴く機会があったら絶対に見逃しません。
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坂本美雨 と「 タタン風アップルケーキ」

2024年07月01日 | 音楽
こぬか雨の降る梅雨に、数日間門から出ない生活になっています。録画を消化するのにはぴったりです。

「日曜美術館」のオルセー美術館案内役が坂本美雨さんでした。
優しい語り口、温かいハート、また言葉のテンポが程よくて、心にしみる説明に聞きほれました。こんなに成長されたのだと感慨を深くしました。

26~7年前、ラジオから流れる透明感のあるフレッシュな歌声は、まさに天使。
娘に買ってきてもらったのが「Ryuichi Sakamoto featuring Sister M The Other Side of Love」8㎝のミニCD
「Sister M」を巡っていろいろ取り沙汰されましたが、坂本龍一さんの16歳の娘・.坂本美雨さんであることが判明しました。
1普通バージョン、2アコースティック バージョン、3インストゥルメンタルと合わせて15分。何度も聞き直しました。なんか梅雨に合ってる感じ。

おやつは「タタン風リンゴケーキ」です。
連日の雨でスィーツが切れてしまいました。どうしても甘いものが欲しくなり、リンゴがあったので簡単にできるリンゴケーキを。
30分の夫のお昼寝タイムの間に焼ける、ごくごく簡単ケーキです。
カラメルのほろ苦さにリンゴが絡まって、急場あつらえとは思えない美味しさになりました。粉はホットケーキミックスを使いました。

CDを聴きながら食べるとちょっと満足感が増しました。


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《チョ・ソンジン》 ピアノリサイタル

2024年06月06日 | 音楽
チョ・ソンジンの名前を知ったのは、2015年ショパンコンクールの優勝で。韓国の音楽水準は高いと言われていましたが、やはり優勝者が出ました。

それより前の2000年のコンクールでは優勝者が中国のユンディ・リ。18歳という若さ、過去10年ぶりに優勝者が出たこと、アルゲリッチの絶讚、で話題は世界を駆け巡りました。日本でも「ピアノ界のキムタク」として盛り上がりました。
私もその風に乗って、翌年のソロ・リサイタルを福岡の地で聴いています。

今回のチケットは4ヶ月前に購入していましたが、その後でソンジンさんが、ベルリン・フィルの「アーティスト・イン・レジデンス(常駐音楽家)」になったことを知りました

アジア人で初めてベルリン・フィルの常駐音楽家になったのは内田光子さん。それに続く史上2人目がソンジンさん。それほど大変なことのようです。《ちなみに、2025年にHIMARIさん(12歳)がヴァイオリンで定期公演出演。指揮者・山田和樹さんの客演は、佐渡さん以来の14年ぶりとか》

ソンジンさんは、それほど難しいベルリン・フィルとの共演の条件を満たしているのです。
リサイタルの期待と楽しみが膨らみました。
プログラムはオールラヴェル。ラヴェルは難曲が多いです。
YouTube で務川慧悟さんや亀井聖矢さんのラヴェルを聴き馴染んではいましたが、ライブのソンジンさんのピアノの美しさは何と表現していいか・・・。16分音符や装飾音府の連続音が、1音1音歌うように美しい!

プログラムは「グロテスクなセレナード」「蛾」「絞首台」「クープランの墓」と、何となくおどろおどろしいのですが、私が聴きながらイメージするときに浮かんでくるのは、ドイツでなくやはりフランスでした。不協和音もどことなく洒落た感じがします。
どれも難曲中の難曲といわれるだけに、これが弾ける年齢は限られてくるのでは・・・と思ってしまいました。

若い男性も多く、スタンディングオベイションがすごかった!
アンコール曲は「亡き王女のためのパヴァーヌ」。
テレビでもよく流れる美しいメロディーです。最後は観客へのサービスかな。

会場に入ってドサッと手渡されたチラシの中に、ブーニンさんのリサイタルが入っていました。これは取れにくくなると思って、ずっと先の12月だけど、その場でチケットゲット!

帰りのバスの中でも、あの美しいピアノのタッチが、耳にしっかりこびりついていました。素敵な夜でした。




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佐渡裕 & 角野隼斗

2024年05月22日 | 音楽
チケットは昨年10月末に取得し、7か月も温めていたものです。

かつてNHKで、バーンスタインの愛弟子・佐渡さんが師を語る4回の講座があり、佐渡さんの目が潤む場面がありました。
恩師への信頼と愛の深さと音楽性に感じ入り、以来佐渡さんの指揮を聴くのが夢でした。その公演がやっと巡ってきました。
新日フィルの音楽監督2年目の佐渡さんが選んだのはオール・チャイコフスキー・プログラム。全国11ヵ所を巡回するスタートが福岡でした。(全公演がチケット完売だとか。私の場合も発売日の翌日には終了していました)
そしてなんとソリストは、サントリーホールでの共演で意気投合したという角野隼斗さん。

その共演のために、佐渡さんが選んだのが王道といわれる「ピアノ協奏曲第1番」。難曲と言われています。
ホルンの壮大なメロディーに続くピアノの力強い和音の伴奏、聴きなれた旋律で始まりました。
ピアノはオクターブの連続、速いパッセージでも正確で美しい。(佐渡さんの解説でも、すごい速さ弾くけどミスがないんだよねぇ)
角野さんのエネルギーを注ぎ込んだダイナミックなカデンツァに聴き入りました。

角野さんの現在はジャンルを超えて色んな音楽に取り組まれていますが、やはりクラシックがよく似合う、そしてコンチェルトがいい・・・とは私見です。
指揮棒の先の新日フィルとピアノの、終盤の壮大なクライマックスが見事でした。

後半は、チャイコフスキー「交響曲第5番」
クラリネットの沈んだメロディで始まり、だんだん過熱していきます。
ロシアの大地から涌き出る地響きのような咆哮のような・・・。
それが終盤に明るさをとり戻し、地に足をつけた、未来を感じるような歓喜の旋律を全楽器でまとめ上げて終わりました。

演奏直前、佐渡さんの10分ほどの解説がありました。
交響曲第5は「落ち込んだ時に最高。暗いモチーフを追いかけてみてほしい。勇気が湧いてくる」と。確かに終盤の音を聞きながら、その解説に納得しました。

音源を通してチャイコフスキーの美しいバレエ音楽を聞くことが多かったので、圧倒的な存在感のある交響楽のライブには度胆を抜かれました。やはりクラシックは生で!という思いを再確認しました。

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ニゲラは開花後、種に移行するスピードが意外と速いのです。

番号順に、種になるために風船のようなふくらみに変わっていきます。
赤い筋が出て完了。枯れてきたら、面白いドライフラワーになります。


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