昨年の初冬、 母の年賀状の整理を手伝っているときに、ある名前に目がとまりました。かすかな記憶を探るうちに、生前に父がよく口にしていた方のお名前「Kさん」だと確信しました。母に聞いてみると、やはりそうで、戦後も長い間戦友会などでご一緒することがあったそうな。
私がまだ子供だったころ、その方からくる年賀状がいつも写真館で撮った素敵な家族写真だったので、こういう世界もあるのだと羨ましく見ていました。それを見ながら父は、かつて兵隊でお世話になった上官で、ずいぶん助けてもらった、戦地に行かなくもすんだ・・・としみじみと語っていました。父が今生きていられるのは、この方のおかげなんだ・・・と、子供心にしっかりと心に焼きつけていたのです。
その年賀状には、なんとメールアドレスも、ホームページのアドレスも書いてあります。早速パソコンを覗くと、かくしゃくとした文章で偏見のない意見が、時勢を見る冷静な目が、そして戦争中の大事な記述があり、大変見応えのあるものでした。
50数年前の記憶と目の前の視覚的なホームページに不思議な縁のようなものを感じました。父の娘として、一言お礼が言いたくて早速メールをすると、即座に返信がありました。お会いしたこともないのに、急に懐かしさのようなものが湧いてきて、亡き父を挟んでこのような交流が出来たことをとてもうれしく思いました。
今年の年賀状も、やはり写真入りでお歳は卒寿、つまり90歳。パソコンを始められたのが80歳とか。息子さんたちは遠く離れて暮らされているので、全く一人でマスターされたようです。驚異の意欲と気力と明晰さに恐れ入りました。
Kさんの元気の源は、地域の中での長年の社会活動があるようで、HPを見ながら納得しながら、自分の姿勢を正しています。
ご本人の了解を得て、ホームページを紹介しておきます。