新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

古文書解読の完成

2018年06月27日 | 古文書・サークル活動

黒田の古文書を読もうと2008年に発足した古文書の会、先の『福岡藩家老 黒田播磨(溥整)日記 ― 嘉永六癸丑年 秘記 御当番 ―』の解読と出版から3年半が経ち、この度『福岡藩家老 黒田播磨(溥整)日記 ー 嘉永六癸丑年七月ヲロシア船長崎渡来之記 弐 ー』が出来上がりました。

     

嘉永6年は、ペリーの浦賀来航に続きロシアのプチャーチン艦隊が長崎に来航するという日本史にとっても重要な年。佐賀藩と共に長崎警備を担当していた福岡藩にとっては一大事の年です。
家老黒田播磨は急遽長崎に滞在することになり、警備の増強や長崎奉行とのやり取り、江戸藩邸との書簡のやり取り、艦隊の入港の様子、プチャーチン上陸に際しての様子や細かい取り決めなどが記されており、難しいながらも小説とはひと味違った臨場感を楽しめました。

私なんかは末席を汚すくらいであまり役には立っていませんが、解読をまとめ、資料をまとめ、製本の手続きまでを丁寧にこなしてくださる有能で
強力なリーダー、黒田古文書会の先達による指導、明治維新学会の先生のアドバイスなどで、170ページに及ぶ本が立派に出来上がりました。
   
テキストに使っている上記原本の写真版は「露西亜人揚陸 略絵」の部分で、本では下記の右ページのようになっています。
端船の大波止横付けの図、通事、副使、旗持ち従者が80名ほど。使節の「傘ノ上ニ白毛之立物」、従者の「剣付筒」を持ち「足並能く揃」えて行進、「チャルヘラ」や太鼓の鳴り物入りの行列の様子が書かれています。
   


ちなみに早稲田資料からお借りした資料によるともっと分かりやすくなります。
   

   
 
文字を追うことにばかり気をとられて肝心の内容が把握できていないところがたくさんあります。もう一度この本を見ながら読み直せば充実感が出ると思います。

コメント

銘菓『もしほ草』を真似て・・・

2018年06月27日 | 食・レシピ

ワカメの茎を拍子木に切り佃煮を作っているときに、唐突に長崎銘菓『もしほ草』を思い出しました。これを砂糖煮にしたら・・・と試みましたがダメでした。

そんなある日、北海道産の昆布粉が手に入り、これを求肥に練り込めばいいかもと作ってみたら、イメージに近い物ができました。コシを出すために上新粉を少し混ぜたらいいのかも。

コメント

チャペルコンサート 『バッハへの道』

2018年06月23日 | 音楽

梅雨の少雨も午後には晴れて、地元の西南学院大学のチャペルコンサートに行ってきました。スペイン人製作というパイプオルガンを近場で聴くことが出来るのは有難いことです。

   

オルガンの作曲家はバッハぐらいしか思いつきませんが、バッハより古いイタリア、スペインの作曲家によるものから始まり、先達をリスペクトしながら集大成したのがバッハ、最後は彼の「パッサカリア」で終わりました。

西欧の教会ではパイプオルガン本体が建物と融合しており、神への捧げものとして音楽を紡ぐ神聖な楽器です。巨大な楽器だけに莫大な費用がかかるようです。
この大学のパイプオルガンは、手鍵盤3段と足鍵盤を右手・左手・右足・左足で弾きます。
鍵盤の両サイドにあるたくさんのドアノブ状の「ストップ」を引っ張ったり戻したりすることでスイッチが入り、パイプに空気を送り込んで音が出るようです。鍵盤なのに発音構造は管楽器に属するとか。
ストップの切り替えが頻繁なために、それを操作する人が別に必要で、オルガン奏者でないと役は務まらないようです。
1曲の中で何度も音色を変えることが出来るので、幾通りもの音を複層して作ることができ、あたかもオーケストラのように複雑な音が出て、オルガンとは全く別の音色になります。

「キラキラ星」を、18の変奏曲にしたJ.C.Fバッハ(バッハの息子)の『ああママに言うわよ』はかなり長い曲で、童謡として歌う「キラキラ星」がこんなに幅が広く奥が深い曲になっていてビックリ!
これをピアノで弾いたらこの深い味わいは出ないだろうな~・・・。
ふつうのコンサート会場ではなかなか聴けないパイプオルガンコンサート、大学のチャペル活動の一環で料金が安く、また機会を逃さないようにします。

キャンパスは海岸に近く松の大木が象徴的です。この界隈には「サザエさん通り」というのがあって、キャンパスの端っこにその銅像が設置されていました。
 

 

コメント

反田恭平 & ロシア・ナショナル管弦楽団

2018年06月20日 | 音楽

今朝、半分まどろみながら夕べのことは夢?・・・ではないよね・・・と瞬間的に記憶をたぐり寄せました。今でも大迫選手のあのヘディングの瞬間が夢のようです。守りもうまかった!最後までエネルギーを切らすことなく、ひたすら勝ちにいった日本チームに胸を熱くしました。前日の大阪北部地震に打ちのめされていたときだけに、前向きなニュースは日本を元気づけてくれました。

今日は5か月前にチケットをとっていたコンサートの日です。反田恭平の名前はよく聞いていたものの、tomokoさんのグログを見て一撃、「ららら♪クラシック」の出演を見てもう一撃。そんな矢先に、このコンサートの情報が入ったのでした。かろうじて指の見える席が取れました。


ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団と反田恭平の共演です。2014年にチャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院に首席で入学して以来数々の国際賞を獲得、’17年日本でのオーケストラとのツアー12公演、リサイタル・ツアーを行い、『クラシック界に突如現れた驚異の大型新人 日々進化し続ける情熱的演奏』と話題騒然です。

★チャイコフスキー: ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23
反田氏のピアノはもう衝撃的でした。少し前に同じ曲をコンサートで聴いていましたが、まさに若き天才ピアニストという感じでした。爆発的な熱情と圧倒的な技巧に、佐渡裕も指揮をしながら涙し、反田氏も弾きながら泣いてしまったというエピソードも聞いたことがあります。
鍵盤を走る指がよく見える席で、フォルティッシモもピアニッシモも、あるときは鍵盤に挑むように、ある時は消え入るような優しさで・・・と、ほとばしるパッションに酔いしれました。機会があったら、また絶対に聴きに行きます。

★グラズノフ : 組曲「中世より」 Op.79 より前奏曲  
初めて耳にする音楽でしたが、ロシアの大地から湧き上がるような力強さと陰鬱さ・・・、中盤には甘く切ないメロディに変わります。80人ほどのオーケストらにぴったりの曲でした。

★チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」Op.66 (プレトニョフ編)
たぶん間奏曲だったと思いますが、ヴァイオリンのソロ演奏が入り、その素晴らしさに心を奪われました。演奏者は痩躯の白髪の素敵な男性で若くはありません。人間的なアカをすべて落としたような透明感のある音に心洗われる感じがしました。

   

チャイコフスキーの曲はかなり長く、指揮者も演奏者もクタクタのはずです。それでも止まない拍手に何度かステージを出たり入ったり。アンコールに答えてもらった曲は聴衆の満足いくもので、最後まで盛り上がりました。
第一部 反田恭平 シューマン/リスト編 : 献呈
第二部 チャイコフスキー : 「眠りの森の美女」よりアダージョ

コンサートの始まる前も、休息時間も、終わってからもCD販売のテーブルは長蛇の列。売り切れも出て目指すものは買えませんでしたが、とてもいい夜になりました。

★反田恭平ピアノ・リサイタル 全国ツアー2018~2019 も始まります。

コメント

「ドイツふきん」 と デンタルタフト

2018年06月14日 | 住まい&掃除

家事の手間のかかる場所は何と言っても水回りです。特に梅雨の季節は油断大敵、すぐにカビが襲ってきます。カビの防御方法は、一日の終わりに水回りの機器の水分をなるべく少なくすることです。
お風呂はその日のうちに流して壁を軽くふき、床はスクイ—ジーで拭き取ります。換気扇を回しておけば翌朝はお風呂場はカラッと乾いて快適です。といっても、これができるようになったのは家族二人になってからのこと。家族がたくさんいた時は好き勝手にシャワーを使っていたので、こんな風にはできませんでしたが・・・。

スクイ—ジーは、本体がステンレス製よりも浴室を傷つけにくいポリプロピレン製の方が使い易いし安価で1000円ほど。壁もスクイ—ジーで上から下にスーッと拭いていましたが、「ドイツのふきん」の方が水分をがっしり拭き取ってくれます。「ドイツのふきん」は3枚セットで1000円ほど。

    

写真のデンタルタフトは、歯磨き以上にお掃除にとても重宝しています。歯ブラシが届きにくい部分に使うものですが、この形状が水栓やレンジフードのシロッコファンの細かい部分にフィットします。普通の歯ブラシだと、植毛の台の先端部分がどうしても邪魔になったりします。

洗面所の水栓も毎日最後にひと拭きがポイント。ドイツふきんで。ひと拭きするだけでほとんどカビが生えません。
   

   
梅雨の晴れ間にクエン酸パックで念入りお掃除。1年に2,3回します。カビのタネを退治しておけば安心です。築24年
でもこれくらい綺麗になります。

コメント

ミョウガの妙

2018年06月12日 | 食・レシピ

ミョウガの季節です。ふっくらとつややかなミョウガをみると素通りできません。ミョウガはショウガ科ショウガ属というのが意外です。
ある方のブログを見て絶対に作ろうと思って早速買ってきました。ザク切りにしてダイレクトにお醤油で…の予定だったのですが、半分に切ったところで、急にミョウガ寿司が頭に浮かびメニューの変更。

ミョウガは
ざっとお湯を通して半日ほど甘酢に漬けておきます。ミョウガの中ほどをくり抜き刻んで寿司めしに混ぜ込みます。みょうがの外側を握ったすし飯の上に乗せただけの簡単なお寿司ですが、とてもおいしいのです。
味的にも酢と相性がいいし、酢に漬けると美しい色に変わります。これぞミョウガの妙です。

     


♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:

お菓子とお抹茶の置き方を人に尋ねてもネットで調べても、まちまちの返答に困っています。普通の緑茶の場合にはお菓子が左でお茶が右と思っていましたが、これまた逆だという人もいるのです。

           

コメント

指揮 小泉和裕 & ピアノ 小山実稚恵

2018年06月10日 | 音楽

九響 午後のオーケストラ「明治維新150年 ~同時代を生きた作曲家の『第1番』 」と面白いタイトルの演奏会でした。ピアノは小山実稚恵氏、指揮は小泉和裕氏です。
          
今まで何度も機会を逃していた小山実稚恵氏のピアノをやっと聴くことが出来ました。チャイコフスキー国際コンクールとショパン国際コンクールの両方での入賞は日本人で唯一人という事です。

演目は、チャイコフスキー《ピアノ協奏曲1番》。たぶんチャイコフスキーコンクールでも弾かれた曲だと思います。
最初はホルンが力強く下降してくるあのメロディ!ついで各楽器が参加し、ピアノも3拍子のリズムに合わせて華麗な和音で参加します。60人ほどの楽団員が作り出す音は荘厳です。ピアノの複雑な指の動きと音の迫力、相当なエネルギーがステージの上ではじけます。

小山氏のステージでの挨拶の仕方、次の楽章に移る間の所作、拍手へのおじきの仕方におおらかで優しくて、美しい笑顔にも人間性が表れてとても好感が持てました。
CDでは分からない、ステージでしか味わえない温かさと楽しさ、やはりコンサートはいいです!

以前、小山さんの記事で、何に対しても自分の選択で始めること、心底好きになって一生好きで付き合えること、技巧面だけで音楽を捉えないこと・・・というコメントを見たことがあります。本当に好きになるとは心躍ること、わくわくする気持ちを掴むという事のようです。

2部は、ブラームス《交響曲第1番》。初めは重たい曲ですが、明るい和音に、歓喜の旋律に、と変化していきます。コントラバスが7つも。
ブラームスのヴァイオリン協奏曲が頭に色濃くあるので、これには少し戸惑いました。小泉氏は2曲を指揮するのにエネルギーを使い果たしたという、それほどの熱演でした。

昼間のコンサートは時間的にも人気があるようで、2階席まで満席!「小山さんのピアノよかったー!」という若いカップルの感動の声も聞こえてきました。梅雨の合間の素敵なひとときでした。

コメント

ビュールレ・コレクション「至上の印象派展」九州国立博物館

2018年06月08日 | 美術館&博物館

梅雨空とは真逆の爽やかな展覧会が、九州国立博物館で開催されています。
第1次大戦後、ドイツ人、エミール・ゲオルグ・ビュールレは家族と共にスイスに帰化しました。武器商人として巨大な財をなし、わずか20年間に世界でも屈指のプライベート・コレクションを築き上げました。今回は、
その中から64点が展示されています。


右の少女は、ルノワールの『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢』。父のダンヴェール伯爵はユダヤ系の裕福な銀行家で、この時イレーヌは8歳でした。この絵は第2次大戦中はナチスのゲーリングに所有されていましたが、戦後イレーヌに返されました。しかし3年後にビュールレが競売で入手しています。彼はスイスで武器製造会社を経営し、連合軍側にもナチスにも武器を売って巨万の富を築いていました。
絵画史上最強の美少女・・・のもう一つのタイトルは『可愛いイレーヌ』です。聡明で知的で品格のある無垢な少女の眼差しには、どこか来たるべき運命を見つめているような・・・そんな胸騒ぎも覚えます。
実際、長男は第1次大戦で戦死、娘、孫、妹らはアウシュビッツで命を落とし、イレーヌも2度の離婚を経験しました。
  
この『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢』は、数年前にチューリッヒに行ったときには見ることはできませんでした。というのは、2008年、この美術館が窃盗団により4点もの印象派の絵を盗まれ、セキュリティの問題ありという事で開館が規制され、条件付きで月1日しか入館が許されていなかったからです。

チューリッヒに行ったのに観ることができなかったその絵が、自分のすぐ近くまでやってきたという事の方が奇跡とも思えます。この絵とモネの睡蓮に限ってカメラOKというおまけ迄ついていたのは何とラッキー!

展覧会は、肖像画、ヨーロッパの都市、19世紀フランス絵画、印象派の風景、人物、セザンヌ、ゴッホ、20世紀初のフランス、モダンアートの9章に分かれ、最後にモネの睡蓮で締めくくられています。


モネの晩年の大作《睡蓮の池、緑の反映》は、ビュールレがモネの息子から直接買ったもので、今回初めてスイスから国外に出たという貴重な作品です。

私が好きだったのはセザンヌの《赤いチョッキの少年》です。やっぱりセザンヌはいいなぁ~。この絵は、窃盗団に盗まれた4点のうちのひとつです。
数年がかりで4作品が無事取り返されて、今回の展覧会ではすべて展示されました。巨匠4人4点の作品の盗難は、ヨーロッパ史上最大の美術品盗難事件といわれました。

2015年には完全に閉館され、20年にはチューリッヒ美術館に移管される事が決定したので、今、世界数カ所を回っているようです。

この博物館らしい常設会場も見逃せません。企画展を見終えて、常設展示をゆっくり見て回るのもまた楽しいものです。

九州国立博物館は、太宰府天満宮の境内から山の斜面を長~いエスカレーターで上ったところにあります。外人観光客はほとんどが天満宮止まりのようで、参道はいろんな言葉が飛び交っています。土産物店の内容も外人観光客向けになっている気がします。
境内の楠の巨木、もこもこと盛り上がる葉、今が一番緑の美しい時です。

コメント

太宰府の菖蒲池

2018年06月07日 | まち歩き

九州国立博物館へ行く途中、太宰府の菖蒲池で足止めにあいました。3万本の多色の菖蒲が満開です。穏やかな感嘆の声があちこちから聞こえます。

コメント

宮城県 青根⇒蔵王連峰⇒震災慰霊碑 ③

2018年06月04日 | 国内旅行記

 
二日目、最後の朝食。口コミ通りのスタッフさんの笑顔と心配りに朝から爽快です。

この後、再度『青根御殿』のガイドツアーに参加して、しっかりと脳裏に焼き付けてきました。
 
竹に雀と縦三つ引紋は伊達家の家紋で、欄間に使われていました。
山本周五郎は、ここ不忘閣に滞在して長編小説を書き終えましたが、どうしても本のタイトルが思い浮かばず思い悩んでいたそうです。その時、窓越しにふと目にした樅の木を見てひらめいたのが『樅の木は残った』です。屋根の上の真ん中に見えるのが、くだんの樅の木です。

チェックアウトして、蔵王エコーライン経由で「御釜」を見に行きました。1700mの標高にあるために、新緑のトンネルを通ってのドライブは実に気持ちのいいもので、九州と違う木立の美しさが目立ちました。

 
6月なのに、まだ雪が残っているのが九州人には珍しくて、残雪にも紋様ができているのを発見しました。

 
前日は霧がかかって見えなかったようですが、この日は快晴でラッキーでした。御釜の近くまで車の乗り入れができます。エメラルドグリーンの火口湖は酸性が強くて、生物は生息していないそうです。

テレビでしか見ることのなかった火口湖「お釜」を、実際に目にすることが出来るとは全く考えてもみなかったことでした。感激、感激!

昼食は人気の高い「たんとろ」で。メニューはタン塩のみ。炭火の上で、タンを返すごとにトングで「トン」と叩いて音を出しながら、焼きにもリズムが必なようです。
 
こんなにおいしいテールスープは初めてでした。私は塩だれを選びましたが、味噌だれの方がおいしいといっていました。タン塩とずんだ餅はどうしても食べたいと思っていました。二つともクリアできてよかった!

昼食後海岸に向かいました。津波の後、海岸がどれくらい復興しているのかを息子は見たかったようです。震災当時息子は海外勤務で、国内の連絡先である我が家に赤十字から寄付の御礼状が送られてきました。その額を見て、息子が遠い異国で如何に胸を痛めているかをはかり知ったものです。
あれから7年・・・かなり大がかりな復興計画がすすみ、「千年希望の丘」が復興のシンボルとして整備されていましたが、あの恐ろしい震災の模様がよみがえり、その広さは悲しみの広さでもあるのです。
津波で住めなくなったとてつもなく広い土地を活用し、10キロにわたり6つの公園整備が計画され、毎年植樹が行われています。
震災の瓦礫を再利用し、津波で堆積した土砂を使って人工の丘をつくり、生き残った松の木や遺構などを保存して記憶にとどめるようにということです。


年金の支給日毎に、無理と思える寄付をすることで自分の気持ちを納得させていましたが、慰霊碑の鐘を突き、手を合わせることが出来て、ずっとくすぶっていた気持ちにけりがつきました。

海との間には頑丈な堤防ができています。松林の中から生き残った松が力強くもあり、物悲しくもあります。


旅の最後に訪れることができた鎮魂の場所。本当によかったと思います。すべてが充実して満足の旅でした。
今回の旅は、出張の合間の2週間だけ日本にいることで計画してくれたものです。旅行が終わった2日後にまた海外へ・・・とは、母親としてはとても考えることが出来なくて断りましたが、日程が詰まっているのは日常茶飯事、この機会を逃したらいつになるかわからないという息子の言葉に甘えてしまいました。行ってよかったと思います。

コメント

宮城県 青根温泉へ②

2018年06月03日 | 国内旅行記

昨晩の夕食の感触がまだ残っていても朝食はきちんととりました。
 
一つひとつはありふれた朝のメニューですが、竹筒の出来上がったばかりの豆腐が心をくすぐります。

海抜600mにある青根。ここに仙台藩主の「御殿湯」として『青根御殿』が築造されました。仙台藩川崎領主の家臣・佐藤掃部が湯槽を設けたのが1546年。「湯元不忘閣」の建物として奥まったところに威容を誇っています。

これら温泉に関する資料が『青根御殿』に展示されています。青根御殿は明治以降昭和45年頃までは一般客室として使用されていたそうですが、文化庁の指定建築になってからは資料館としてのみ解放されています。
その歴史を巡るツアーが、おかみさんのガイドで毎朝食後に行われているので参加しました。こんなツアーがあるところは他に聞いたことがありません。
 
政宗公の鎧兜と姫君の調度品      左の間よりも一段高く設えられた藩主の間。掛け軸3幅は狩野探幽作。屏風も狩野舟川作。藩主ともなれば赤ん坊の時から一流品の中で育つ・・・、諸芸に秀でるはずです。

お昼の散策で見つけたものが『青根洋館』古賀政男記念館です。古賀氏に関係のある東北学院の宣教師の館を移築して資料館になっています。

私の住まいの近くの大川市出身なのにほとんど知識がなかったので、今回初めていろいろなことを知りました。国民栄誉賞の副賞は中味の見える時計でした。栄誉賞と騒ぐ割には・・・。
亡くなる2日前の自筆の手紙には、平和を切望する気持ちが切々と綴られていました。演歌はあまり好きではないけど、その歌詞を見ていると深い味わいがありました。

散策後は、空いている浴室の札を持ってひとり占めの湯船につかりました。お肌つるつるで夕食です。
 
   酢の物、      前菜、           先付

  
    お造り                  蒸し物

 
  凌ぎは「うーめん」               伊達椀

 
       焼き物             台もの

 
     煮物                  揚げ物

和食といえども総合的にはカロリーは高くなります。食べて、温泉に入って、散策するだけ。こんな遠くにはもう2度と来ることはないだろうと思って、心置きなく楽しむことにしています。

コメント

宮城県 青根温泉へ①

2018年06月02日 | 国内旅行記

東北の新緑と温泉は垂涎の的。九州からではアクセス的にお隣の韓国よりも遠い感覚ですが、その仙台に直行便でひとっ飛び!2時間で着きました。

というのも、息子から二人分のチケットを手配したとのメールが入り、ANAのホームページで確認してeチケットでやってきました。  
ANAと共同運航のIBEX、70人乗りのサンマ?いやキビナゴ?みたいにスリムな飛行機で、宮城県の観光キャラクター「むすび丸」に東北感がいっぱいです。
関西からやってきた息子とは仙台空港で落ち合い、レンタカーで青根温泉に向かって走ります。

途中、廃校を利用した「森のピザ工房 ルヴォワール」で昼食。気取りがなく土臭さがどこか懐かしいお店です。1時間待ちの情報に不安でしたが、遅めの2時過ぎだったのですんなり入れました。
 
蔵王連峰の「御釜」をイメージしたという「蔵王のお釜ピザ」。この形の発想に拍手。別のモッツァレラチーズと自家製のベーコンのピザがさらに美味で、人気の秘密を見た思いです。 

仙台空港から1時間ほどの山の中、青根温泉「湯元不忘閣」が宿泊先です。

創業480余年、伊達家の「御殿湯」が置かれ多くの文人墨客が訪れたという旅館です。新しくはないところも風情満点。6種類
24時間かけ流しの歴史あるお風呂と会席料理を求めてくるお客が多いようで、じゃらん宿大賞を受賞した過去も。
 
 半露天風呂『亥之輔の湯』大きな岩をくりぬいた浴槽。

 
『大湯金泉堂』2年がかりで復元工事。蔵王石の浴槽は伊達政宗が入浴した当時のもの

 
 『蔵湯』人気の高いお蔵を利用したお風呂。

 
『新湯』伊達藩主が使用したもので、ここも浴槽は石造りで当時のまま残されています。

お風呂の入口にノート大の専用木札を置けば、そこは貸し切りの合図で気兼ねなくひとり占めできます。終わったらフロントに木札を返します。3か所を制覇して夕食に。



前菜。料理人さんの丁寧な心と楽しんで料理をされているのが伝わります。

 
スズキ南蛮漬け、水雲酢      碓井豆ムース、ウドとシドケと浅利の酢味噌和え


伊達椀。蓋の裏側に伊達家の紋章が描かれています。ハマグリが濃厚な味。

 
鰈の八幡煮、兜南京、海老        フカヒレあんかけ


焼き筍、海老蕗味噌焼き

 
青根手打ちそば            仙台黒毛和牛鍋

 
海老しんじょう、竹の子巻       料理人さんの遊び心が出ているそら豆のチョウチョ。これで全部ではありません。それでもデザートまで完食しました。
夕食後は、まだ入っていないお風呂2カ所を制覇し、肌の感触に満足して就寝です。

コメント

蔵王 お釜

2018年06月02日 | 国内旅行記

よく晴れた日、お釜の景色が最高です。あまりの感動にスマホ投稿です。

生情報を届けたくて、初めてのスマホからの投稿です。

コメント